神外と父の恐さと友情
すみません、遅れてしまいました。書いていたデータを間違って消してしまうという大事件が起こりました。バックアップもとっておらず、一から書き直しということになり、作者は顔面が青くなりましたね。データ消えたときはおもわず叫んでしまいました。えぇ、それはそれは大変でしたよ。次はこんなことないよう、気を付けます!!それでは、お楽しみ下さい!
「………………少し、待ってくれるかの?」
今まで唖然としていた王様が口を開いた。
「ナカザキ殿はヴィネティアのことが好きで、ワシにその告白をして良いかと聞いたわけじゃな?」
「………はい、その通りです」
霧夜のその言葉を聞いて王様は、フゥとため息をつき、
「……おい、クソガキィ」
満面の笑みでとてつもない殺気を出した。思わず、俺や貴族と共に並んでいる、この場で最も(俺を抜いて)強いであろう武人らしき人までもがつい身構えてしまうほどだった。
また、衛兵と貴族達は怯え、クラスメイト達も小さな悲鳴をあげてしまった者もいる。
「……………本来ならこの場で切り刻んで家畜の餌にするところだが、ヴィネティアも好きと聞いたからのう。とてもとても、それは残念でしかたがないのじゃが、のぉぉぉう?」
王様は今にも、後ろに飾ってある剣を抜いて霧夜に斬りかかりそうだ。よく、娘に好きな人を紹介された父親は恐いと聞くが、ここまでとは思っていなかった。
正直、舐めてたわ。これは自分じゃないからまだいい。この殺気がこっちに向いたら耐えれるかと聞かれたら、俺はとても難しいと答えるだろう。しかしそれでも霧夜は怯えずに言った。
「……すみません。しかし、僕がヴィネティアさんのことが好きなのは、例えどのようなことがあったとしても変わることはありません。どうか、僕達の交際をお認めくださいませんか?」
「お父様、私からもお願いします」
「うぬぬぬぬぅぅ…………」
霧夜とヴィネティアさんの二人から言われ、頭を抱えて唸る王様。それでも王様は、
「……仕方ない、良いだろう。ナカザキ殿と第一王女ヴィネティアの交際を認めよう」
二人の交際を確かに認めた。しかし、それで騒ぎだしたのは貴族達だった。
『お待ちください!陛下!!』
『そうです、お考え直しを!』
『この国では勇者様を召喚した場合、第一王女様と願わくは交際させる法律でしょう!!』
『第一、その者は勇者の称号を持っているのですか!!』
と、王様を責め立てる貴族達。それを聞いた天樹は顔色を良くして、
「国王陛下、勇者の称号を持っているのはこの僕、天樹 勇士です!」
と言った。これを聞いた天樹を支持するであろう貴族達は喜び、王様と一部の貴族は顔をしかめ、ヴィネティアさんは顔を青白くさせ俯いた。
「霧夜君、君はヴィネティアを守りきることができるのかい?
君は僕より弱いだろう?もし危険なことに巻き込んでしまい、万が一のことがあったらどう責任をとるんだい?」
天樹は霧夜に対して言った後、すぐにヴィネティアさんの方を向いて、
「ヴィネティア、僕は彼より強い。君を危ない目にもあわせないで守り続けることができるんだ。だから僕と一緒にいた方がいい。」
などと、傲慢なことを言った。王様は悩み、そして言った。
「………法で決めてあることをワシ自身が破っては民の信頼は落ちる。しかし、一度認めると言ったことを撤回するのも王家の信頼を下げてしまう。………だから条件を出すことにした。…水晶をここへ!!!」
王様が叫ぶと、侍女達が蒼く輝きを放つ水晶と台を持ってきて天樹の前で止まった。
「これは鑑定水晶と言う。この水晶に触れると
、上に画面が出てきて自分のステータスを自分だけでなく、周りの人にも見せることができる。これでまずは、アマギ殿のステータスを調べ、勇者の称号が本当にあるかを確かめる。」
そう言って王様は天樹に向けていた視線を霧夜に向け、
「……あった場合、次にナカザキ殿のステータスに勇者の称号があるかを見る。ナカザキ殿に勇者の称号があればヴィネティアとの交際を認め、勇者の称号がなければ交際を認めない。これで良いな?」
その言葉を聞き、貴族達はニヤニヤしながら霧夜を見ていた。天樹も爽やかな笑顔で大きく頷き、霧夜はだんまりと俯いている。そこで武人らしき人が初めて口を開いた。
「陛下!!お待ちください!それでは、あまりにもナカザキ殿が不公平な条件ではありませんか!!それに、ヴィネティア様自身の気持ちはどうするのですか!!」
その武人の言葉に俺達や天樹の取り巻き以外のクラスメイト達も大きく頷いて王様を見た。だが、そこでもうるさいのが貴族達である。
『うるさいぞ!シグムント!!国王陛下が言ったことを撤回せよと言っておるのか!?それこそダメであろう!!騎士団長ごときが政治のことに口を出すでないわ!!!』
『その通りだ。あくまで貴殿がここにいるのは軍や騎士団を動かすことになった際に指揮をとってもらうためだけだ。場をわきまえよ、シグムント騎士団長。』
自分達だって王様に対して撤回するように言ってたじゃねぇか。なに言ってるんだ?お前達、自分が言ったことは差し置いて、他人には言うのかよ。ホントにまともなやつがほとんどいないな、貴族は…………
っていうか武人さん、騎士団長だったのね。どおりで強そうだと思ったよ。
俺が驚いていたとき、天樹の取り巻き達の声が聞こえてきた。
『天樹君の方がカッコいいし絶対にいいよ?ヴィネティア様。』
『そうそう、あいつは責任感が強いから頼りになるし、あんなオタク野郎の霧夜よりも天樹を選びなよ、王女様。』
等々、ヴィネティアさんに天樹の良いところを言っていた。本当に霧夜に対して失礼なことを言っている。
カッコいいからって理由や、彼女がいる奴等に制裁を加える俺達も、肉体言語ならともかく、あそこまで酷く言うことはない。そう思い、悪口を言ってるのを注意しようとした俺や委員長は、俯いていた霧夜の次の言葉を聞いて驚いた。
「……分かりました。やります。やらせてください!!」
「っ!お、おい!!霧夜、お前なに言ってる!?」
「そうよ、中崎君!!あなたにとってこの条件は理不尽にもほどがあるわ!!」
俺や委員長だけでなく、剛鬼や穂乃香、風月さんに薙林さん、それにクラスメイト達も驚いていたようだ。委員長が言ったことに同意したように皆、頷いている。霧夜は俺達に向けて言った。
「大丈夫。ここでごねても仕方がない。奇跡を信じて結果を知るしかないよ。もはや、賽は投げられているんだ。どんなに理不尽でも、やるしかない。」
「本当に大丈夫なんだな?」
「安心……は無理だろうけど、信じてくれよ、暁久。奇跡を祈ってくれ」
「……………分かった、なら、なにも言わない。ただし、絶対に勝てよ?
お前に彼女ができるのは火炙りの刑にしたいぐらいに俺達の心をイラつかせることだが、まあ、それは実行すれば問題がないとして、「おいっ!!ちょっと待て!!なんだ、火炙りの刑にするって!!」…………俺達はお前を応援するからよ」
何か霧夜が言っていたが、無視だ。彼女ができるんだ、火炙りの刑ぐらい問題ないだろう。むしろ、当たり前のことだ。
「無視するなよ………………………ありがとうな、暁久」
「えっ!?お前、火炙りの刑にされることを感謝するとか………マゾなのか!?」
「断じて違う!!!!………ハァ、そのことじゃなくて、応援してくれることだよ」
なんだ、マゾかと思っていたら、応援のことか。
「おうっ!頑張ってこい!!」
そう答えた俺に向けて、天樹やその取り巻き、貴族達も俺を睨んでいたが、俺は気付いていないふりをした。
「それでは、初めて良いかの?」
俺と霧夜のやり取りを見て少し微笑んでいた王様は、顔を元に戻してそう言った。
あれぇ?あまり、他のキャラが出てこない…………(汗)早く出さないと空気になってしまう!!そして、暁久(主人公)よりも主人公っぽい霧夜君。作者としては告白シーンをこんなに長く書くつもりはなかったのだが…………次で告白シーンは終わらせるよう努力します!!