人外と気配魔法【前半】
すいません!!!遅れてしまいました!!
~前回までのあらすじ~
神様が現れた。
↓
神様から力をもらうためにくじ引きをした。
↓
気配魔法というものが出てきた。
「なあ、神様。これってなに?」
そう言って俺はくじ引きで引いた紙をバロールにみせる。
〔なになに?気配魔法か。これの能力は………ん?おい、ジジイ、ロリ、これを見てみろ〕
〔どうしたんじゃ一体?〕
〔なにがあったの?(あとで私をロリと言ったことを後悔させましょうかねぇ?)〕
どうやらアマテラスに向かってロリと言うのは禁句のようだ。アマテラスから邪悪な気配がワラワラと出ている。
他の奴らも見えているようで、全員が言わなくて良かったという顔をしている。
それにしてもなにがあったのだろうか?紙を見た残りの二柱は、目を見開き驚いているようだ。
「あの~どのような能力なんですか?」
聞くと三柱はすぐ思い出したかのように向いた。
〔ああ、この気配魔法は相手の気配を察知したり、自分の気配を消したりすることができる魔法じゃ。といっても、よく目を凝らせば見える。それに、格上の存在には効かない〕
〔ぶっちゃけると、異世界だと超レアな雑魚だな。雑魚。180万年に1つ出るかでないかぐらいの〕
「嘘だろ?おい………」
おいおい、俺だけめっちゃ弱くない?
「じゃあ、他の奴らよりも強い身体能力は?」
〔そんなのないわい。身体能力は元の世界のデータを元にしているからの。ただし、勇者の身体能力は他の奴らよりも倍以上にして強くしているのでな。そこは安心してよいぞ〕
「んな理不尽な………」
安心できるか!!よりにもよって、あんなやつが強化されてたらヤバいだろ!絶対なにかしてくるだろうしな!
そのとき天樹の目線がこっちを向いていたことに俺は気付かなかった。
「アッキー!」
「なんだ?穂乃香」
「なにがあっても私たちが守るからね!」
「グフッ!!」
「………ドンマイ暁久」
「剛鬼よ。今すご~く泣きそうだからさ、そのドヤ顔をやめろこのクソヤロウ!!!!」
〔お主ら、もうそろそろ時間じゃ。最後に太陽神が加護をつけてからギルゲイプに送るぞい〕
〔向こうの世界の言語が分かるスキルやアイテムボックスという、なんでも無限に入れられる空間を出すことができるようになるわ〕
なるほど、確かに向こうの世界は地球の言語とは違うかもしれないからな。
〔……………はい、全員に加護を付けたわ。これで向こうの世界に送ることができるわよ〕
〔うむ、地球の子供たちよ。申し訳ないな。私たちはこういう時ぐらいしか世界に干渉できないのじゃ。ギルゲイプに行ったら何をするにも自由ではあるが、できるのならあの世界にいる敵を倒してくれないかの?〕
(……ん?なにか今違和感があったな?)
そう俺が考えていると天樹が、
「任せて下さい!!僕は勇者です。必ずみんなを導いて魔王を倒して見せます!!なあ、みんな!!」
『『『おう!』』』
『俺も手伝うぞ!』
『私も!』
『フッ……しょうがないな』
『やってやるぜ!』
あ~あ、みんなやる気だしてるわ。浅はか馬鹿な考えだな。にしても、
「なにか違和感がなかったか?今」
「お前も思ってたか、暁久」
「……確かに、そう」
「あの敵って言葉でしょう?」
「うん、そうだね。あの神が言っていたことだろう?」
「え?なに?なんの話?」
「おいおい、今の聞いて気付かなかったのか?白野」
「諦めた方がいいわよ、狼城君」
「そうだぞ。剛鬼。
あいつらも気付いているやつはいなさそうだし、みんな天樹の言葉に呑まれてる。
何より穂乃香は頭が悪い」
「ちょっとーなにいってるんだい!私のどこが頭悪いの?」
「………ほとんど」
「雫ちゃんまで!?」
「白野さんの頭が悪いのは置いておいて、白野さんに説明したらどうだい?暁久」
「それもうだな。おい、穂乃香」
「まったく、キーリまで馬鹿にして………んでどったのアッキー?」
「いいか?今から説明するぞ。あの神、ブラフマーが言った敵を倒してくれという言葉は聞いたよな?」
「うん、それがどうしたの?」
「異世界の人は魔王を倒してくれと言ったんだ、なのにあいつらは魔王とは言わずに敵と言った」
「考えすぎじゃないの?」
「確かに俺達の考えすぎかもしれない。だがあの神が意味もなく言うか?
少なくとも、魔王よりもやっかいなやつがいるかもしれないと考えておいた方がいいぞ」
「ふ~ん。でも委員長や雫ちゃん、キーリは頭いいからすぐに分かりそうだけどなんでアッキーやゴウくんが分かるの?」
「それは俺達が頭悪いということか?オイィ」
「落ち着け剛鬼。穂乃香、それはな、俺達がいつも異世界モノのアニメや小説を見ているからだよ。
こういうのはありきたりで大概のパターンで魔王以上の敵がいるわけだよ」
「なるほど、だから頭悪いアッキーやゴウくんが分かったんだね?」
「なあ暁久。俺怒っても仕方ないよな?キレても仕方ないよな?」
「俺も抑えてるから我慢しろ」
ただひたすら穂乃香に対する怒りを納めていると、
〔おい、そろそろ異世界に送るぞ〕
とバロールが言った。って、邪神が異世界に勇者を送るって、違和感がありすぎる。
〔それではまた会える日はお主たちが死んだときか、また地球に戻るときぐらいじゃろう。強く生きていくのじゃぞ、勇者たちよ〕
〔会えたらお土産話をしてちょうだい。楽しみにしてるからね〕
〔俺は地球で言うところのラスボスっぽいが、敵を倒すんだったら頑張れよ。じゃあな、あばよ!〕
そうして俺以外のクラスメイトたちが光に包まれ、消えていった。っておいおい。
「これはどういうことだ、神様達?」
多いので二つに別けます。