神外と魔王への説明1
少し遅くなりました。これから何とかして一週間に一投稿、という形に戻していきたいのですが、忙しいのなんの。
申し訳ないですがこれからもこの作品を見続けてくれると嬉しいです…………
「…………ん」
魔王である少女は目を覚ました。見渡すとそこは暗い洞窟の中だった。
自分には毛布らしき布がかけられていて、パチパチと辺りに響く焚き火の光が洞窟の中を照らしている。
「私は確か…………」
「お?目が覚めたか?」
急に声をかけられた。それも気配を一切感じさせずに、真横から、だ。
仮にも当時、歴代最強と言われた魔王である自分が、弱体化しているとはいえ全く気配が感じられないというのは、自分と同等、あるいは格上の存在だということだ。
自分以上の存在を見て驚いた少女は問いかけた。
「お前は、私の味方か?」
~主人公視点~
「お前は、私の味方か?」
特に騒ぎ立てるでもなく、その場から急いで飛び去るわけでもなく、ただ、静かに彼女は俺に声をかけてきた。
「どうして、この状況で冷静なんだ?」
「……焦っても、急いでも、今の私ではお前には勝てるわけがない。だから聞いている」
諦めているような言葉を言っているが、目は死んでいない。
まるで、敵ならばたとえ道連れにしても、といったような目をしていた。
「安心しろ、君から攻撃をしてこないのであればこちらも攻撃はしない。一応、味方だ」
そう言うと、彼女は心を完全に許すとまではいかなくても、ある程度は落ち着いたようだった。
「自己紹介をしておこう。俺は十六夜 暁久。こっちではアキヒサ・イザヨイって言うのかな」
「私は、フェリアース・グレゴリアだ。よろしく頼む、アキヒサ殿」
彼女は少し微笑みながら、自分の名前を教えてくれた。
「なぁ、なんで俺に勝てないと思ったんだ?魔王、なんだろう?」
「………知っているのか?」
「当時の状況も含めて、少しだけならな。お前は魔王フェリアースで、人族と共存しようとしていたが、魔神に封印された、ぐらいしか知らない。」
「そうか。………私がお前に勝てないと思ったのは永き封印のせいで私自身が弱体化しているからというのもある。
もう一つの理由は、ここは私が封印された迷宮に違いない。ボス部屋がここの前にあったはずだ。
弱体化している状態で、たとえ弱小国とはいえ、かつて国を滅ぼしたという、この迷宮のボスである《エルヴァジオーネ》に勝てるはずもない、と考えたからだ」
なかなかいい洞察力だ。目覚めたばかりなのにもうそこまで情報を整理している。
ふと、何か言いたそうにしている彼女に気付いた。
「どうした?言いたそうな顔をして」
「いや、…………少し気になったのだが、当時とは、その、私が封印されてどれほどの時がたっている?」
聞くのが恐いのか、少し戸惑いながらも彼女はそう言った。
「500年だ。今から500年前にお前が封印された」
「500年……………」
彼女はゆっくり目を閉じて、ポツリとそう呟いた。
「そして、魔族と人族の仲は悪いどころか、戦争が起こりそうな雰囲気になっている」
「馬鹿な!魔族達には手を出すなと言っている!
魔族は長命の種族だから、500年たっていようが生きている魔族などたくさんいるのだぞ!
命令を破るような誇りのない魔族などおらぬ!!」
強くそう彼女が断言したところをみて、本当に言ったのだろう。
「そこはまだ分からないがおそらく、元々反対だった魔族と魔神が人族に攻撃したんだろう」
「なっ!!…………今から私が人族を説得すれば!」
顔を青ざめながらも、まだ諦めない彼女に、俺は言った。
「その魔神達が、全ての罪をお前に押し付けているんだよ。全ては魔王フェリアースの命令でこうした、ってな」
「そんな………そ、それでは私の目標が、人族と魔族の共存という私の夢が………………」
「大丈夫だ。まだ手はある」
「へ?」
今にも泣きそうな顔を上げ、まぬけな返事を彼女は返した。




