何が満たす
空っぽな私は誰でしょうか?
私は空っぽです。けれど私は……いえ、私達は世界に必要とされています。同じように空っぽの”かた”はこの世界に沢山います。
私達は付き合う人の好みによって大抵中身が決まる。空っぽな中身が満たされた時、その色が何色なのか見え易い”かた”もいるし見え難い”かた”もいる。
私たちに満たされた中身の色は、人を楽しませることも出来るそうです。
基本的に私達は中身が満たされてこそ、その役目を果たすことが出来る。しかし、容姿の美しい”かた”は中身を満たされること無く、観賞用として扱われることもあります。それはそれで、人の心を満足させることが出来るのでしょう。
私達は大切に扱ってもらわないと寿命が短くなる。乱暴に扱われればすぐに……だめになってしまう。中にはとても丈夫な”かた”もいるそうですけれど……。
容姿によっては満たされる中身が、誰と付き合うとしても大抵同じ”かた”もいる。けれど、私は平凡な容姿です。
私が子供と付き合う時は大抵、甘い中身で満たされます。子供はそんな私をとても喜んでくれます。なぜ子供の相手をする時に、私の中身が甘いのかといえば……子供がそんな中身を望んだからです。
私とよく付き合ってくれる人は、黒と白を混ぜた物で私の中身を満たします。
今、私を満たしているのはコーヒーです。これは私の呼び名にもっとも相応しい飲み物なのです。
私達は人の喉を潤す手伝いをする為に創られたとも聞いた事があります。今の時代、鑑賞の為だけに作られた”かた”もいるそうです。これも進化というモノなのでしょうか?
「甘い物にもコーヒーは合うなぁ。ご馳走様」
ああ、私の中身が空っぽになりました。次は何で私を満たしてくださるのだろう? 私はペン立てにもなれますよ? どうか末永く仕えさせて下さいませ。
”かた”をあえてひらがなにしました。漢字にしないことで、あやふやな印象を狙ってみました。最初は””を使わないで書いたのですが、なんだか読み難いので付けました。もっと上手な文章を並べられるようになりたいです!