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神様の言うとおり。

作者: ととのえ

脚本形式です、ご容赦ください。


   神様のいうとおり


<登場人物>


 高野 真希子

 森岡 浩一

 春原 未来 

 朝野 みゆき




 幕が上がると同時に、ゆっくりと照明が点く。

 舞台中央、四人が聖書を持って立ち尽くしている。

 ゆっくりと、語りかけるようにして喋りだす真希子。



真希子「『時は満ちた。神の国は近付いた。改心して福音を信じなさい。心をつくし、精神をつくし、思    いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ。』」

未来「『恋しい人はわたしのもの。わたしは 恋しいあの人のもの。百合のなかで群れを飼っている人の   もの。』」

浩一「『新しいぶどう酒を古い革袋に入れたら、革袋は破れてぶどう酒は流れだし、革袋もだめになる。   新しいぶどう酒を新しい革袋に入れれば、両方が長持ちする。』」

みゆき「『人がその友のために命を捨てること、これよりも大きな愛はない。自分を愛するようにあなた   の隣人を愛せよ。』」



 一拍置いて、



真希子「つまりは、そういうこと」



 チャイムが鳴り響き、そのなかで四人は教室の風景を作っていく。

 新学期初期。自己紹介をする真希子。



真希子「初めまして、第三中学校から来ました、高野真希子です。趣味は音楽鑑賞と……」


 自己紹介と同時に、舞台が体育館の風景に変わっていく。

 体育の時間。真希子は組む人がおらずぼうっとしている。


真希子「…………」


みゆき「春原、一緒組もう!」

未来「いいよ。何やる?」

みゆき「何でも。でも二人とかだと人数少ないから、できること少ないよね」

未来「わかるわー。……あ」

真希子「……?(目が合う)」


 

 未来、真希子に近づいて、



未来「高野さん、一人?」

真希子「う、うん」

未来「あ、じゃあさ、一緒に組まない? 二人だけだとつまんないよねーって、さっきみゆきと話してた   んだ」

真希子「いいの?」

みゆき「いいよいいよー」

未来「人数多い方が楽しいから」

真希子「ありがとう。組む人いなくて困ってたの」

みゆき「新学期だと、仕方ないよね」

真希子「私、人見知りで。緊張して中々うまく話せないから」

みゆき「最初って結構勇気いるよね。うちらにはじゃんじゃん、話しかけていいからね!」

未来「いや声かけたの私だし」


 

 チャイムが鳴り響く。舞台は再び教室の風景に。

 打ち解けてきた真希子と未来、みゆき。

 号令が終わり、放課後。



みゆき「あー終わったー」

真希子「お疲れさまー。今日長かったね」

みゆき「うんうん。息抜きしたいわー」

未来「(イタズラっぽく)……しちゃう?」

真希子「え、どこで?」

未来「どっか適当に! お金平気?」

みゆき「うん」

真希子「私も」

未来「じゃあ決定! 皆、駅の方行くよね? そこあたりでカラオケでも、ゲーセンでも」

みゆき「いいねー。ワクワクしてきたよ」



 未来、みゆき、そのままアドリブ。教室から廊下へ移動途中、真希子と浩一の肩がぶつかる。



浩一「あ、ごめん」

真希子「あ、うん、こちらこそ。ごめんなさい」

浩一「じゃあね、バイバイ」

真希子「あ、うん、ばいばい」


 

 浩一、そのまま去る。はけ際に未来に挨拶をする。

 真希子、しばし呆然とした後、みゆきの声にハッとしてかけていく。

 一瞬の暗転。

 何日か経って、舞台は授業の風景に。



真希子「……あ(消しゴムを落とす)」

浩一「(落ちた消しゴムを拾い上げて)はい。大丈夫?」

真希子「あ、うん、ありがとう。ごめんね」

浩一「どうして謝んの?」

真希子「あ、えっと、ごめん」

浩一「ほら、また」

真希子「え、えっと、どうしよう」

浩一「冗談だよ。からかっただけだって」



 会話の途中チャイムが鳴る。教師は号令もかけずにどこかへ行ってしまったようだ。



未来「こら。マキのこと苛めんな」

浩一「いてっ」

みゆき「やっと授業終わったね、お腹すいた」

未来「ねー。でも今日午後は楽じゃん」

真希子「修学旅行の班決めだっけ?」

みゆき「あと時間が余ったら席替えも。窓際行きたいな」

浩一「俺、今の席から動きたくないな」

未来「ね、皆近いもんねー」

浩一「高野さん優しいし。誰かさんと違って」

真希子「え?」

未来「言ってろ、この馬鹿」

浩一「いてっ。叩くなよ」

みゆき「パーなだけまだマシだよ」



 雑談は続いていく。

 照明、段々と落ちていき浩一とそれを見つめる真希子だけが照らされる。そのままゆっくりとフェードアウト。


 放課後。皆が使っていた机と椅子は塀になる。

 ゆっくりと歩きながら話す未来と浩一。



浩一「それで?」


未来「それがさ、アイツあそこで盛大に転んじゃってね。もう皆大爆笑! しばらく引きずったな  

   ー。……あ、それとね、この前三人でプリ撮ったの。見る?」

浩一「三人って、朝野と高野さん?」

未来「あと私。すっごい楽しかった」

浩一「へえ。少し羨ましいな」

未来「二人とも超良い子だよ。みゆきはおっとりしてて一緒にいると安心するし、マキは少し引っ込み思

   案だけど、人を褒めるのが滅茶苦茶上手なの! なんか、そういうのってすごくいいよね。ギスギ

   スしてない、っていうか」

浩一「……すごいな」

未来「……何が? 私? 喋りすぎた?」

浩一「違うって」



 少し間を取って。 

 段々と言葉がフェードアウトしていく。



浩一「そういう風に、本人のいないところで、本人の良いところを言えるのって。俺、そうい

   う…………」



 未来、浩一、はける。

 長すぎる間の後。



真希子「………………」



 ゆっくりと、気付かれないように、真希子は二人の後を付いていく。

 暗転。

 舞台は暗いまま、以下会話のみ。



真希子『おはよう……って、誰もいないの?』

真希子『皆まだなのかな……』



 少しの間の後、クラッカーが一斉に鳴る。



未来『ハッピーバースデー!』

真希子『わあ!』

みゆき『お誕生日おめでとう! マキ』

浩一『十六歳だね、おめでとう』

真希子『う、うん、ありがとう。えっと……』

未来『はい、これプレゼント!』

真希子『……わ! 本当にいいの?』

未来『勿論。どう? ビックリした?』

真希子『うん、すごく。嬉しい』

浩一『……あれ? 泣いてる?』

みゆき『えっ』

真希子『な、泣いてないよ!』

未来『嘘だー!』

みゆき『ほら、ハンカチ』



 少しの間。

 サスが入る。舞台中央にはぬいぐるみとお菓子、クラッカーの置かれた机が佇んでいる。

 そのまま明転。にわかに教室は騒がしくなる。 放課後。


浩一「じゃあね、バイバイ」

真希子「うん! さようなら」

未来「ばいばーい」

みゆき「さよなら。また明日」


 台詞を言い合う中で、四人は住宅街の風景を作っていく。

 住宅街のどこか。真希子が一軒の家を見つめている。



浩一「眠いな……」



 真希子は浩一のいる二階にずっと視線をはせている。

 誰かの声。


  『浩一、お風呂入っちゃいなさい』

浩一「はーい。今いく」

  『兄ちゃん、入浴剤入れる?』

浩一「この前泡風呂やったばっかだろ。今日はやらない」

  『えー。つまんない』

浩一「あ、あと母さん。未来が来たら、風呂って言っておいて」

  『はいはい、わかりました』

  『みらい、って兄ちゃんの彼女? ねえねえキスしたの?』

浩一「違うし、してないって。馬鹿」



 一拍置いてから、シャワー音。



真希子「…………良い匂い」



 突如、隣の窓が開く。



未来「よいせ、っと……こういちー」

未来「こういちー、いないのー?」

未来「まあいっか。このまま待ってよ」

真希子「………………」



 真希子、鞄の中から一体のぬいぐるみを取り出す。



真希子「……っ」



 地面に思いきりぬいぐるみを叩きつけたあと、 狂ったように踏み続ける真希子。



真希子「…………」



 暗転。

 教室。休み時間で騒がしい。

 みゆきと未来がなにかコソコソと話している。



みゆき「で、どうなったの? 最近は」

未来「最近もなにも、ないって」

みゆき「本当に?」

真希子「どうしたの?」

未来「ううん、何でも――」

みゆき「無くないでしょ?」

未来「ええ……と」

みゆき「彼氏のはなし」

真希子「うそ!」


未来「そんなんじゃないって!」

真希子「誰?」

みゆき「またまた。言わなくてもわかるでしょ」

真希子「え?」

みゆき「森岡くん」

真希子「え?」

未来「だから違うって!」

みゆき「でも、気になってるんでしょ?」

未来「気になって……なくははい、けど」

みゆき「ほらやっぱり。なんか無かったの、イベントみたいな」

未来「イベントって……。あ、でもこの前ね、褒められた」

みゆき「何て?」

未来「本人のいないところで本人を褒められるところが……その、すごく偉い。……って」

みゆき「うわっ 青春。いいなあ」

未来「えへへ」

真希子「ねえ、どういう所が好きなの」

未来「浩一?」

真希子「うん」

みゆき「そうだね、大人しいし、悪く言えばヘタレ、だし」

未来「それはそうだけど……でも、そういう風に大人しくて、素直なところとか、意外と冷静で、ここぞ   っていう時はしっかり仕切れたりするところとかは、すき、かも。うん」

みゆき「……うわっ今の録音したい!」

未来「やめてよ、ハズい!」 

みゆき「いいなあ、青春。春原、頑張ってよね! 私のかわりに青春を楽しんで!」

未来「そんな諦めないで!」

みゆき「(笑いながら)マヤミキ?」

未来「マヤミキ!」



 談笑は続く。

 照明フェードアウト。



真希子「……………」



 明転。

 誰もいない教室。どことなく雰囲気が暗い。

 浩一と真希子がいる。



浩一「どうしたの? 俺、なんか悪いこと、しちゃったかな」

真希子「違うよ。なんで?」

浩一「なんでって。いきなり、呼び出したりするから。だから何か悪いことしちゃったのかなって」

真希子「……ううん。違うの」



 真希子、鞄から写真を取り出す。



浩一「写真? 未来の? どうして……」

真希子「うん。もしかしたら、いるかなって」



 一拍置いて。



真希子「浩一くん、未来ちゃんのこと、好きだから」



 浩一、固まる。



浩一「………………えっと、うん」

真希子「でしょ? だからあげる」

浩一「……でも、……なんだろう、嫌じゃないかな」

真希子「何が?」

浩一「未来が。俺がアイツの写真持ってるなんて、気持ち悪くないかな」

真希子「幼馴染なんでしょ? 一枚くらい持ってても……」

浩一「だって、俺映ってないし」

真希子「それはそうだけど」



 二人、笑いあう。そのままの会話の延長で、



真希子「ねえ、どういう所が好きなの?」

浩一「未来?」

真希子「うん」

浩一「…………」

真希子「答えられないの?」

浩一「違うって! えっと、どこから話していいやら……」

真希子「お熱いね」

浩一「やめてって、そういうの。そうだな、ありきたりだけど、やっぱり、優しいところが、一番、か    な」

真希子「うん」

浩一「アイツさ、人の悪口絶対に言わないんだよ。面と向かって注意することはあっても、陰で何かコソ   コソ言うような真似はしなんだ。前に一回ストレス溜まらないのかって聞いてみたらさ、」

真希子「『全く何も感じないってわけじゃない。でも、そんな人の悪口いってグズグズしてるより、良い   所を見つけて、褒める方が私は好き。それだけだよ』」

浩一「(少し笑って)聞いたんだ、未来から」

真希子「あの子は自分のこと、謙遜するけど。人の嫌な部分も、たまに言われる、自分に対する悪口も全   部受け入れられるって、すごく凄い事だと思う」

浩一「うん、俺もそう思う」

真希子「(遮って)でもね、それくらい、私にもできるよ」

浩一「……え?」

真希子「未来ちゃんはいい子。すっごくいい子。誰に対しても優しい、明るい子」

真希子「でもね、それくらい、私にもできるよ」



 真希子、ゆっくりと浩一に近づいていく。

 真希子、写真を浩一の目の前に掲げ、ゆっくりと細かく千切っていく。



浩一「なに、やってるの」

真希子「未来ちゃんはいい子。まるで天使みたい。でもね浩一君、天使は一人じゃないの。いいこは一人   じゃないの」

真希子「未来ちゃんは浩一君が大事。浩一君も未来ちゃんが大事。でも私は浩一君が好き。未来ちゃんに   酷いこともきっと、できるくらい」

浩一「それは……!」

真希子「だからねえ、浩一君。浩一君が未来ちゃんを守るには、どうしたらいいかもう分かるよね?」



 真希子、細かく千切った写真をばらまく。

 しばしの間。



真希子「ねえ、浩一君。キス、してよ」



 暗転。


 照明、フェードイン。

 舞台、真希子と浩一が隣り合っている。少し離れた所に未来が客席に背中を向けて立っている。

 浩一と未来は携帯電話で会話をしているようだ。未来は何も言わずに、ただ相槌だけを打っている。



浩一「うん、そう……だから、もう一緒には帰れない」

浩一「本当、ごめん」

浩一「え?……ううん、未来の、知らない人」

浩一「そうだね、いつか、紹介するね。……うん、ありがとう、ごめんね。それじゃあ、切るよ」



 照明、ゆっくりとフェードアウト。

 舞台、住宅街。真希子と浩一が家の前で話している。



浩一「……それで?」

真希子「それがさ、その人あそこで盛大に転んじゃってね。もう皆大爆笑! しばらくツボに入って笑い   がおさまらなかったよ。……あ、それとね、また三人でプリ撮ったの。見る?」

浩一「三人って、朝野と未来?」

真希子「…………」

浩一「ごめん。朝野と、春原さん?」

真希子「あと私。すっごい楽しかった」

浩一「へえ。少し羨ましいな」

真希子「二人ともすっごく大好きなの。みゆきちゃんはおっとりしてて一緒にいると安心するし、未来ち    ゃんは人を褒めるのが滅茶苦茶上手! なんか、そういうのってすごくいいよね。ギスギスして    ない、っていうか」

浩一「…………すごいな」

真希子「……何が? 私? 喋りすぎた?」

浩一「違うって」


 少し間を取って。 

 段々と言葉がフェードアウトしていく。



浩一「…………そういう風に、本人のいないところで、本人の良いところを言えるのって。俺、そうい   う…………」



 真希子、浩一、はける。

 少しの間の後。



未来「…………」



 住宅街が教室に戻っていく。

 放課後。未来と真希子、浩一がいる。



未来「……どういうこと」

真希子「なにが?」

未来「私の知らない人って、言った」

浩一「それは俺が!」

真希子「うるさい!!」


 間。


真希子「『恋しい人はわたしのもの。わたしは恋しいあの人のもの。百合のなかで群れを飼っている人の   もの。』」

浩一「……真希子?」

真希子「『新しいぶどう酒を古い革袋に入れたら、革袋は破れてぶどう酒は流れだし、革袋もだめにな    る。新しいぶどう酒を新しい革袋に入れれば、両方が長持ちする。』」

真希子「『人がその友のために命を捨てること、これよりも大きな愛はない。自分を愛するようにあなた   の隣人を愛せよ。』」

未来「何……」

真希子「つまりは、そういうこと」

浩一「未来。……ごめんね」

真希子「未来ちゃんは浩一君がすき。浩一君も未来ちゃんがすき。でもね、だからと言って浩一君が未来   ちゃんが付き合うとは限らないよ。 あなたの色恋沙汰を応援する友達が、私の代わりが存在して   いるように。未来ちゃん、あなたの代わりに浩一君と付き合う子もいるんだよ」

未来「……じゃあ、マキが私を応援してくれたのは、嘘だったの」

真希子「嘘も何も、初めから応援なんてしてないよ」

未来「……」



 重い沈黙。



真希子「大丈夫。安心して。浩一君も私も、幸せになるから。私の代わりだっているんだよ。ねえ、ほ    ら、そっちを見てよ。未来ちゃんを慰めてくれる、私の代わりの友達を!」

   みゆき「春原!」



 照明、明るくなる。真希子、浩一、ストップモーション。



未来「みゆき。どうしよう、どうしよう、私」

みゆき「どうしたの?何があったの。酷い顔だよ」

未来「何を言ったら良いのか、わからない」

みゆき「無理にしゃべらなくていいよ。話したく無いこととかも、あるでしょ」

未来「……みゆきは、私のこと、嫌いになる?」

みゆき「嫌いな人の鼻水なんか拭かないでしょ。ほら」



みゆき、諭すように語りかける。



みゆき「春原が好きになった森岡君は、何の理由もなしに未来を遠ざけるような人じゃないでしょ?」

未来「……うん」

みゆき「大丈夫。ご飯食べて、お風呂入って寝て、落ち着いたら森岡君と話してみようよ。きっと何か訳   があるって」

未来「……うん。…………みゆき」

みゆき「どうしたの?」

未来「…………ありがとう」



 照明、変化。未来、浩一、みゆきがストップモーションになる中、真希子だけゆっくりとサスの中に入っていく。

 長い間を取って、



真希子「つまりは、そういうこと」



 舞台、時を巻き戻すかのように転換していく。

 チャイムが鳴り響き、新学期初期。自己紹介をするみゆき。



みゆき「初めまして、第三中学校から来ました、朝野みゆきです。趣味は音楽鑑賞と……」



 走馬灯のように舞台が流れていく。



浩一「あ、ごめん」

みゆき「あ、うん、こちらこそ。ごめんなさい」

浩一「じゃあね、バイバイ」

みゆき「あ、うん、ばいばい」


未来「本人のいないところで本人を褒められるところが……その、すごく偉い。……って」


浩一「どうしたの? 俺、なんか悪いこと、しちゃったかな」


みゆき「春原は森岡君が大事。森岡君も春原が大事。でも私は森岡君が好き。春原に酷いこともきっと、   できるくらい」



 少しの間。



みゆき「春原は森岡君がすき。森岡君も春原がすき。でもね、だからと言って森岡君が春原と付き合うと   は限らないでしょ? 春原、あんたの代わりに森岡君と付き合う子もいるんだよ。大丈夫。安心し   て。森岡君も私も、幸せになるから。あんたを慰めてくれるような、私の代わりはいないみたいだ   けど!!」



 照明変化。

 真希子のいるサスだけが舞台を照らしている。



真希子「『(朗読をするかのように)時は満ちた。神の国は近付いた。改心して福音を信じなさい。心を   つくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ。』」



 真希子、舞台中央に移動する。

 照明が真希子の台詞に合わせて徐々に明るくなっていく。



真希子「『……あなたの神を愛せよ。』」



 長い間。照明、最高に明るくなる。



真希子「ジーザス。私を、天国に」



 暗転。

 BGMが流れ、舞台が終わる。

感想などお気軽にいただければ幸いです。

また、下記サイトにて同じ物を掲載しております。

→http://www.haritora.net/

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