表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/21

第四話

 --今朝の教室は、なんだか騒がしい。 


 雷樹が一年の廊下に到着したとき、なぜか、彼の教室の前に人がたかっていた。

 押し合いへし合いしている野次馬をかき分け、何とか教室に入ると、そこには、とてつもなく異様な光景が広がっていた。



 教室中央に、なぜか泉水。

 彼の正面に、なぜか違うクラスの女の子。


 

「おはよう雷樹。とんでもないところにやってきたな」

 いち早く雷樹に気付いた桜満が近寄ってきた。

「よう。とんでもないところにやってきた俺に、事情を説明してくれ」

 桜満にだけ聞こえるような声で、話しかける。


「え~~っとな、俺が来たときまでは普通だったんだ。でもなんか突然あの――え――そうだ、一ノ瀬とかいうやつが飛び込んできて、泉水に『好きです!』って告った。それで今回答え待ち。」


 なんだそりゃ。何時のドラマの学園版だ。

 くだらないというかありえないというか、非現実的な現状に雷樹は戸惑う。


 どうやら二人とも、それ以上何も言わないらしい。

 泉水は驚いているようで(当たり前だ)、全ての動きが止まっている。一ノ瀬とかいうのも、止まっている。周りも、止まっている。


 誰も、何も発しない。


 動きもしない。



 沈黙だけが、教室を満たす。




「ごめん」

 いきなり、泉水が言葉を発した。

 教室に、廊下に緊張が走る。

 静かな空間が苦手な雷樹としては、沈黙が破れたことが嬉しかった。


 だがその喜びは、すぐに崩れる。



「嬉しいんだけど、さ。

 僕、その気持ちは受け取れない。

 僕には好きな人がいる。


 

 僕は坂本さんが、ふーりんが好きだから」



 泉水の発した言葉は、ざわめきを呼んだ。


 ただ雷樹の周りの空気だけは、固まったままだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ