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第8話「誕生日~3~」

【誕生日~3~】


バカなことをした。

後悔しても、もう遅いが俺はバカなことをしてしまった。


あれは、夏海が言ってきた一言から始まった。



「先輩、襲ってもいいですか?」


な、なに、言ってるんだ?!


「ダメ、ダメ」

「なんで?」

「な、なんでって・・・・」


なんでだろう?

俺は今更、理由を考え始めた。

なんで俺は、夏海を拒むんだろう。


そう思うとだんだん思考が変な方向へと行く。


確かに俺には夏海を拒むちゃんとした理由がない。

今までは、なんとなく拒んでいた感じだ。

だったら、別にいいのかな?

夏海は可愛いし、良い奴で、人なつっこい。

別に悪いところは無い。


「先輩?」


夏海が上目遣いで俺に聞いてくる。

もうダメだ。

俺の理性はいとも簡単に吹っ飛んだ。


「夏海、俺の部屋に来るか?」

「えっ!?」

「寮だけど一応、防音だし、うちの学校別にそういうの気にしないから・・・・」


俺は、夏海を誘っていた。


「いいですよ」


夏海は嬉しそうに俺についてくる。



寮に到着し、俺の部屋に入る。

この学校の寮はそこら辺のボロアパートより設備が整っており

独り暮らしには十分すぎるくらい立派な部屋だ。


俺の部屋に入り、嬉しそうに俺の横にぴったりとくっついてる夏海は可愛かった。


「先輩っ!!」


夏海がいきなり俺に抱きつき

俺は夏海の腕の中にスッポリとおさまった。


「先輩って、可愛い」


そう、呟いた夏海は俺に何かを訴えるように俺を見つめた。

俺はそんな夏海を見て、思わず夏海の頬にキスをした。


「先輩、私を滅茶苦茶にしてください」


夏海も少しMっ気がある。

やっぱり丈翔の妹だ。


「夏海、そう慌てるな」


俺は夏海をなだめる。


「もう、待てません!」


そう言い、夏海は俺のワイシャツのボタンを外し始めた。


「ちょ、夏海。何やってるの?」


そこには結香がいた。

結香の声で俺は理性を取り戻した。

結香は俺達の状況を見て顔を真っ赤にした。


「夏海、お兄ちゃんに色目使わないでよ!」


そう言う結香の口調はかなり怒っていた。


「先輩に誘われたんだもん!いいじゃん!」


はぁ~、この状況は絶対にやばいな。

理性がすぐに吹っ飛ぶ俺は情けなくなった。


「とりあえず、夏海。どいてくれないか?」

「う、うん」


俺に馬乗りになっていた夏海がどいて俺は

体を起こした。

結香になんて言おう?

今は何を言っても聞いてくれそうにない。


「夏海、今アンタが着てる服に、媚薬染み込ませてるでしょ?」

「えっ?!」


俺は、それを聞いてびっくりした。

どうりで理性がすぐに吹っ飛んだわけだ。


「バレちゃったか・・・・」


夏海は少し残念そうに言った。


「夏海、1回出ていってくれる?お兄ちゃんと二人で話したい事があるの」

「うん、わかった。それじゃぁ、私は帰るね」

「あぁ、じゃぁな」


夏海は俺の部屋を出た。

今は結香と二人だ。


話ってなんだろう?


「お兄ちゃん、夏海に何をしようとしてたの?」

「えっと・・・・・」


いきなりの質問に俺は戸惑う。

媚薬の性であったとしても、あの状況じゃぁ、俺は当然のように責められる。


「お兄ちゃんがなにをしようとしてたかは、大体わかるけどなんで夏海なの?」


なんで夏海かって聞かれたら俺は困った。


「お兄ちゃんは、自分っで自覚してないだけで、すっごく魅力的なの」

「は、はぁ~」

「だから、みんなお兄ちゃんのことを密かに狙っているの」

「そ、そうなの?俺いままで告白されたこと無いけど」

「そ、それは・・・・」


結香が俯いた。

結香は俯くとき大体後ろめたいことをしている。

今回もそうだろう。


「それは、なに?」


俺は先をうながした。


「それは、お兄ちゃんに告白しようとしている子を見つけて、私と夏海が一生懸命

 お兄ちゃんに告白できないようにしてるの・・・・」


始めて聞いた衝撃の事実。

俺に彼女ができないのはこいつらの性だったのか。


「お兄ちゃんは、もっと自分の魅力に気付いて!」

「そんなこと言われても・・・・」


はっきり言ってそんなの無理だ。

自分にはそんな魅力はまったくもって無い。


「だから、お兄ちゃんは自分を大事にして。

 お兄ちゃんが思ってるより沢山の人がお兄ちゃんのこと思ってるんだから

 今回みたいに、雰囲気に流されないようにしてね」

「はい」


その後も結香のお説教は続いた。


はぁ~、今年は大変な誕生になったもんだ・・・・







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