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第7話「誕生日~2~」

ちょっと真面目に・・・・

【誕生日~2~】


ガチャッ


俺と美咲は、すっかり暗くなったころ

ようやく家に着いた。


「ちょっと二人ともどこ行ってたんだよ?」

「悪い、幸平」

「ごめんなさい・・・・」


俺と美咲はとりあえず謝った。

別に謝らないといけないような事はしていない。

ただ、心配をかけてしまったことに謝った。


「二人とも帰ってくるのが遅いっ!!

 みんなで、夕ご飯食べに行こうっていうことになってるよ」

「それ本当か丈翔?」

「うん、みんなご飯は二人に奢って貰うって騒いでるよ」


やばい。


俺は直感でそう感じた。

美咲も俺と同じことを思ったのだろう。

少し顔が強張っていた。


「(どうする美咲?)」

「(どうするもこうするも、アタシお金持ってないよ)」


そんな頼みの綱だった美咲まで俺と同じように金欠だったなんて・・・・


「(はぁ~、実は俺もあんまり金持ってない)」

「(どうする?)」


俺達は、困り果てた。


「そこのお二人さん、とりあえず中に入りなよ」


俺達はずっと玄関で話しているのにようやく気がついた。



家の中に入るとそこには、結香と夏海が怒ったような顔で俺の方を睨む。


「お兄ちゃんは、、こんな時間までどこに行ってたの?」

「女の子連れて、変なことしてたんじゃないの先輩?」

「いやいや、そんなことはしてないから」

「「本当に?」」


二人で同時に俺に詰め寄ってくる。

正直言って、二人の尋問は超怖いッス。


今、俺泣きそうだわ・・・・


※自業自得だな・・・・ by作者


五月蠅いっ!!

そんなこと言われんでもわかってるよっ!!


「ちょっと、お兄ちゃん?」

「先輩?」


なんだ二人とも。

いきなり困ったような顔してどうしたんだ?


「もう、そんな顔されたらお兄ちゃんのこともっと好きになるよ?」


へっ?

いきなり何を言い出すんだ?

そんな顔ってどんな顔だ?


「夏海、もう我慢できません。先輩、私先輩のこと好きですっ!!」


おいおい、夏海まで何言い出すんだよ。


「ダメ、お兄ちゃんは私のものなんだから!」


なに、勝手なこと言ってるんだ?


「違うもん!先輩は夏海のものだもん!!」


そう言って夏海は俺に抱きついてきた。


「ちょ、夏海。なにやってんだ」

「先輩、好きです」


上目遣いで俺に言い寄ってくる夏海は、正直言って可愛かった。

一瞬、思考が停止して、理性が吹っ飛びそうになるのをなんとか堪えた。


「夏海は、こんなに先輩のこと思ってるのにどうして

 振り向いてくれないんですか?」


やばい。理性が吹っ飛ぶ。

なんとか堪えているが、もうそろそろ限界が近づいて来ている。


「どうして?」


夏海はそう言い、俺をじっと見つめる。


「夏海!お兄ちゃんは私のものだよっ!!」


俺は結香の叫び声で我に返る。

はっきり言って後数秒遅かったらやばかったな・・・・


夏海になにかしていたかもしれない。

そう思うと俺は自分が情けなくなってきた。


「俺、外出て来る」

「先輩!」


夏海がついてくる。


はぁ~、俺って情けないな。

今日、改めてそれがわかった。


「先輩、夏海は先輩に彼女ができても先輩のことが好きです」

「そんな、バカなこと言ってないでもっとまともな男見つけろよ」


俺はそう言って夏海を見た。

すると夏海は泣いていた。


俺より夏海の方が背が高いので、夏海の流している涙が俺の頬をつたう。


「ごめん」


俺はそう言うしかなかった。


ここに居づらくなった俺は、中に入ろうと夏海に背を向けた。


ギュッ


夏海が後ろから俺を抱いた。

まだ、泣いているようで首筋に冷たいものが流れる。


次回もこんな感じでいきます

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