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第5話「幼なじみ」

いいねぇ~、幼なじみって・・・・

【幼なじみ】


今は、学校の帰り道。

美咲から貰ったお茶代ぐらいは返さないといけないと思いながら

どうすればいいか迷っていると後ろから誰かが抱きついてきた。


「おにいちゃーん!!」

「結香?」

「うんっ!!」


どうやら、声の主は結香だったらしい。

友達と一緒にいたっぽいがいいのかな?

俺は少し気になった。


「どうした?友達と一緒だったじゃないか」

「うん、もう別れ道だから今は一人なの。ねぇ、一緒に帰らない?」


いつもなら一緒に帰るのだが、今日はお茶代のことがあるので

断ろうと思った。


意外と情報屋の丈翔にでも美咲の家の場所を聞いて、

お金を渡そうと思っていたからだ。


「ごめん、今日は用事があるから一人で帰ってくれないか?」

「えぇぇぇぇっ!!!!」

「そんなに驚くことか?」

「だって、だって、今までお兄ちゃん誘って断られたことなんか無かったのに・・・・」


そうだっけ?

何回か断った気がするけど

まぁ、この際どうでもいいか。


「また、今度一緒に帰ろぅ。それでいいだろ?」


俺はなんとか妹の機嫌をとろうと頑張った。

俺なりにだけど・・・・


うん、自分で言うのもなんだけどはっきりいってあんまり効果が無いと思う。

頼りないものだよ本当に・・・・・


「いいけど・・・・・」

「けど、なんだ?」


結香の言葉が濁ったのがきになったので俺は興味ほんいで聞いてみた事を

後悔するはめになった。


「うーん、お兄ちゃんに好きな人でもだきたのかなーと思って」


な、なにを言い出すんだこいつは。

俺に好きな人ができただと?

そんなことあるわけない。


「なにバカなこと言ってんだ。そんなことよりもうそろそろ離れろ」

「えぇー、なんで?」

「なんでじゃないだろ。今日は一緒に帰れないんだから」

「いいじゃん」

「なにがいいんだよ。俺はもう行くから離れろ」

「もう、仕方ないなぁ~。また、今度一緒に帰ろうね」

「あぁ、わかった。また今度な」

「うんっ!!」


嬉しそうに帰った結香を見送ったあと

俺は、丈翔に電話をかけた。

丈翔はバドミントン部で、今は部活中だ。

電話に出るかどうかはわからないけどとりあえず試してみた。


「もしもし」


丈翔の声がした。

運良く今は休憩中らしい。


「丈翔、美咲の家の場所わかるか?」

「えっ?みせちゃんの家?」

「そうだ、知ってるか?」

「もちろんっ!!」


それは自信をもって言えることなのか?

俺は少し疑問をもったが気にしていたらしかたないので

とりあえず話の続きを聞くことにした。


「えーと、確かりゅうちゃんの家の近くだよ。」

「そうなのかっ!!!?」


知らなかった。

俺は美咲を見たことがないのにどうして丈翔は知っているんだ?


「りゅうちゃんの家のちょうど裏にある家の向かいがみさちゃんの家だよ」

「そうか、ありがとな丈翔」


俺の家って学校から結構距離がある。

だからこそ俺は寮生活をしている。


「うん、それよりやっぱバドやらないの?」

「しつこいぞ、丈翔。俺はもうバドはやらない」


俺も昔はバドをやっていた。

ある程度は出来たが、あることをきっかけに俺はバドをやめた。


「そっか、まぁ、気をつけて行ってらしゃい」

「おぅっ!!」



俺はとりあえず丈翔に聞いた所に行ってみるか。

そう、思い俺は丈翔から聞いた場所に行った。


「なんだ、アパートじゃないか」


俺は丈翔の話し方からてっきり一軒家だと思っていたけど違った。

実際は、ボロアパートだった。

ここよりまだ寮の方が綺麗だと俺は思う。


「どこの部屋かわかんねぇよ・・・・」


俺は一軒家だと思っていたのでこんなところで困るとは思わなかった。

どうしようか?

俺は途方に暮れてしまった。


「流一?」

「へっ!!?」


後ろから突然俺の名前が呼ばれビックリした。


「美咲っ!!」


なんとこんなところで会えるとは思わなかった。

まぁ、美咲の家の前にいるんだから別に会ってもおかしくはないが

さすが今は、ビックリした。


「なにしてるの?」


美咲がもっともな質問をしてきた。

人の家の前でずっと立っているのは変質者のすることだ。

俺は変質者ではないっ!!!


※十分変だよ・・・・ by作者


五月蠅いっ!!

前回からなんか出て来る回数多いぞっ!!

自分を主張するな!



ちゃんと訳を話さなければ誤解をうける。

そんなことは絶対にダメっ!!!


「いゃ~、今日の昼に貰ったお茶の金渡そうと思って」

「マジッ!!!」


そ、そこまで驚きますか?


※驚くよフツー by作者


お前は黙ってろ!!


でも、確かにあれだよお茶代なんてって思うかもしれないよ

でもよく考えてみろよ。

これで美咲の家に上がれるかもしれないっていうチャンスがあるじゃないか。

お茶代なんてって思ったら美咲の家の場所なんて知るはずなかっただろ?


俺ナイスッ!!

今更だけど俺って結構いいことしてんじゃん!


※下心・・・・ by作者


黙れっ!!


「おぅ、本気だ!」


本気とかいてマジと読むww


「まぁ、いいや。アタシも流一に聞きたかったことあるし・・・・」


えっ!!

今の言葉はもしや

俺のことを知りたいみたいな感じですか?

だったら俺素直に喜んじゃうよ?

いいの?こんな展開で?

俺はなんてラッキーな奴なんだ。


「聞きたいことって?」

「立ち話もなんだしとりあえず中に入らない?」


俺はラッキーだー!!

美咲の家にお邪魔できるなんて

今日の俺はついてるっ!!


「おぅ」


ガチャッ


美咲が玄関のドアを開け俺を中に通してくれた。

部屋は1LDKの独り暮らしにはちょうどいい広さだ。

ということは美咲は独り暮らしのようだ。


なんで寮じゃないんだ?


俺はいくら考えてもわからなかった。

部屋の様子はリビングの真ん中にテーブルがあり

その側にソファー、向かいにはテレビという感じだ。

キッチンの近くには勉強机があり参考書などが置いてあった。


結構中は綺麗だった。

ちゃんと整理もされていた。


「まぁ、適当に座ってよ」

「あぁ」


そう言われて俺はソファーに腰を下ろした。

そして、美咲は俺の隣に座った。


他に座る所がないからしかたない事だけれども

やっぱり緊張する。

横を見たら美咲の顔がはっきりと見える。

こうしてみるとやっぱり美咲は綺麗だと思う。


「なに、ジロジロ見てるの?」

「い、いゃ、別に。それより聞きたい事ってなに?」


俺はなんとか誤魔化し、美咲の言ってたことを聞いた。


「その、流一って昼はいつもあんなことになるのか?」


へっ!?

俺は思いもよらない質問に驚いた。


「そうだけど、なんで?」

「いゃ、流一ってモテるなぁと思って」


なんだってぇぇぇ!!


俺がモテる?

そんなことあるはずない。


「あれって誠の事を詳しく聞きたいから俺と一緒に昼飯食べたがるんじゃないのか?」


俺はずっとそう思っていた。

夏海や美琴それに結香がそんな事を言っていた気がする。


「そうなのか?」

えっ!?

なんで美咲は不思議そうな顔するの?

てか、そうなんじゃないの?


「だって、俺がモテると思うか?」

「うん、思う」


なっ!!

なんて嬉しいことを言ってくれるんだ。

美咲はやっぱり天使だ。


「なんでモテると思うの?」


俺は興味津々で聞いた。


「なんでってやっぱり・・・・・」

「やっぱり?」

「やっぱり、顔が良いし、面白いし、優しいし・・・・」


!!!!!

顔が良い?

フェイス?今俺はフェイスをほめられたのかっ!!

やばい、超嬉しい。


「それに、いつもはカワイイのに、たまにカッコイイ時があって・・・・」


美咲の顔がだんだん赤くなっていく。

たぶん、俺の顔も赤くなっているだろう。


「あって?」


俺は緊張しながら美咲に聞いた。


「・・・・昔と変わらない性格と大人っぽくなった性格があるけど

全体的に幼い感じがして人を安心させる人なつっこくて優しい笑顔が好き」


・・・・告白なのかな?


俺は一瞬そう思ったがそんなことはないと

すぐにそんな考えを消した。


てか、俺の過去をなんで美咲が知っているんだ?


「なんで、美咲が俺の小さい頃のことを知っているんだ?」

「幼なじみだったから」



俺は昔の記憶がよみがえってきた。

俺はいつもある女の子と遊んでいた。

たぶんそのころの俺はその女の子が好きだった。

小さいながらも俺は恋心をいだいていた。


その子は俺のことをりゅうちゃんと呼んでいた。

丈翔もそのこの影響で俺のことをりゅうちゃんと呼ぶようになった。


俺はその子のことをみさちゃんと呼んでいた。

もしかしたら丈翔は気付いていたのかもしれない。

だから、「みさちゃん」なんて呼ぶようになったんだと俺は思った。


「もしかして、みさちゃん?」


俺は戸惑いながらも聞いた。


「うん、そうだよりゅうちゃん」


美咲は嬉しそうに返してくれた。


確かに面影は残っている。

気付かなかった俺はどうかしていた。

なんでわからなかったんだろう?

不思議とそう思えてきた。

今俺と美咲は友達ではなく幼なじみだった。


可愛い幼なじみか・・・・

羨ましいっ!!

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