第27話「下校までの戦い」
【下校までの戦い】
今は始業式っ!!
めちゃくちゃ眠いッス・・・・
校長の話は無駄に長いし
なんか嫌になる
「(りゅうちゃん)」
「(ん、丈翔か)」
校長が話している最中に俺に話しかけてくる
とは丈翔も勇気があるな
「(校長が話してる時に何回『あー』とか『えー』みたいなこと言うか数えない?)」
ハァ~、お前は小学生が考えるようなことしか
思いつかないのか?
「しかたない、やるかっ!」
※結局お前もノリノリじゃんっ!
俺も暇なんだよっ!!
こんぐらいしても許されると思う!
「よしっ!俺はやるぞ」
「なっ!幸平」
おぉー、幸平もやるのか
ん、今、一回言ったな
二回目、三回目、四回目――
始業式が終わったゾーっ!!
いや~、丈翔の考えたやつのおかげで
校長の話がそんなに苦痛じゃなかったぜ
「なぁ~、丈翔、何回だった?」
「ん~、21回言った。りゅうちゃんは?」
「俺も21回だった。幸平は?」
「俺も同じ」
フム、これで確実に21回言った事になるな
いや~、なんでこんなに言うんだろうね
不思議に思えてきたよ
「白川」
「なに?工藤」
「さっさと教室行くぞ」
「へーい」
学校の時は殆ど工藤と一緒に移動している
一番仲の良い友達ですからね
俺は丈翔たちと別れて工藤と一緒に教室へ行った
「学級委員長は誰にする?」
工藤が俺に聞いてきた
「まぁ、妥当なところで誠にするかな」
学級委員長はクラスの中で投票をして決める
だから俺は、今まで何回か学級委員長をしている誠に一票
「やっぱ、白川もか」
「ん、なんだ?その言い方」
「いや、クラスの中で誠派と幸平派に分かれてるんだよ」
マジかっ!!
そんな話は聞いたことないぞ
まさか、あの幸平が学級委員長になるなんて・・・・
「工藤はどっちにするんだ?」
「俺は誠にするけど」
やっぱりそうですよねぇ~
なんか幸平にしたら
みんなが好き勝手なことばっかり言って
まとまらない感じするもん
「よっ!お二人さん」
「あっ、美希じゃん」
「どうした?」
「いや~、お二人とも仲が良いようで」
なんだその言い方は?
なんか意味深だな
「仲は良いけど、それがどうした?」
「それがね、アンタと工藤君が付き合ってるっていう噂があるんだよ」
「「はぁ~っ!!?」」
なに言ってんだ?こいつはっ!!
俺と工藤が付き合ってるって
危なすぎるだろっ!!
「やっぱ、『りゅうが受けでしょ』って感じだよ」
「いやいや、無い無い、絶対無いっ!!!」
「しかも俺には彼女いるし」
そうだ!工藤には小澤という彼女がいるんだ
なのにどうして俺と工藤が?
この噂を流した奴を捕まえてシバくか
俺は目で工藤に合図をしたら
工藤はすぐに俺の真意を読み取って合図を返してくれた
「んじゃ、工藤行きますか」
「そうだな、早めに終われせないとHRに間に合わないからな」
俺達はいっきに駆けだして丈翔を捜し情報を聞いて
犯人を確認する
「犯人が誠だったとはな・・・・」
「よしっ!思う存分殴るぞ、工藤」
「もちろんっ!!」
犯人が誠だとわかったので誠を捜した
まぁ、教室に行っただけなんだけどね・・・・
ガラガラッ
「「おぃ、誠!!」」
「なんだよ二人して」
ここでようやく犯人のご登場だ
顔がおにぎりになるくらいまで殴ってやる
「「殴らせろ」」
「ちょ、二人とも落ち着こうよ。まずは状況を説明してよ」
「「歯ぁ食いしばれぇぇぇぇっ!!」」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
フゥ~、流石に疲れたぜ
誠の顔もちゃんとおにぎりになってるし
女子も誠の顔みて引いてるし
怒りは静まったな
「んじゃLHRやるぞー」
「ちょ、せ、先生、お、俺の事、は、無、視?」
バタッ
あっ、誠がダウンした
ってか、しげちゃんってだいぶ前から教室にいたよね
生徒の乱闘を止めようとしなかったよ
この人本当に教師?
「はい、席につけー。俺はさっさとLHR終わらせて帰りたいんだよ」
あっ、本音がでた
いいの?それで教師としてやっていけるの?
「ったく、白川。早く座んねぇとぶん殴るぞっ!!」
目がマジだ
この教師生徒をマジでぶん殴る気だ
ハハッ、俺は素直に座りますよ
「よしっ、座ったな。んじゃ始めるか」
「はいっ、終わり」
やっとLHRが終わった・・・・
結局誠はあのまま床に転がってたけど
しげちゃんはずっと無視し続けた
これで帰れるぞー!!
「りゅう、一緒に帰ろ」
おっ、美希からのお誘いだ
なんか今まで全然登場してこなかったと思ったら
いきなりバンバンでてきやがったな
まっ、俺としては有難いけどね
「いいよ」
「んじゃ、帰ろっか」
「あぁ」
俺が美希と二人で帰ろうとしたその時
『『白川、貴様ぁぁぁぁ』』
ん?なんか怨念のこもった男子の声が聞こえてくる
これは幻聴かな?
『『裏切り者ぉぉぉ』』
またまた、聞こえてきたよ
『『裏切り者には罰をっ!!』』
ダダダダダ・・・・・
なんか怖い顔をした男子たちが俺に向かって走ってきているぞ
ここは逃げるっ!!!
「美希、校門か下駄箱のところで待ってて!ちょ、お前ら落ち着けぇぇぇぇぇ!!!」
『『待てぇぇぇぇ!!』』
「待てと言われて待つようなバカはいないよっ!!」
「りゅう、じゃぁ、校門で待っとくね」
「わかった、すぐに行くから」
とりあえず男子たちから逃げなければ
俺は空き教室に入り本棚の陰に隠れる
男子達はグループにわかれたようだ
少人数の足音がする
男子達が俺と反対側にきた時俺はダッシュで教室から出て
ほうきでドアを塞ぎ何人かを教室に閉じこめた
これで時間稼ぎにはなるだろう
まぁ、ほうきがどれぐらいもつかは知らないけど・・・・
俺が二階に下りたら踊り場に男子が待ち伏せをしていた
『『白川、覚悟ぉぉぉぉ!!』』
「どけぇぇぇぇぇ!!!」
俺は階段を少し上ってみんなより高い位置になり
いっきにジャンプをして
一番安定してそうなやつ(デブ)を見つけ
そいつの上に着地した
俺はそのまま筏流しのように人の上を走って
階段を下り一階に到着した
くっ!まだ追いかけてきてくる
でも、踊り場にいたやつらは結構デブが多かったのがラッキーだった
向こうはデブがお肉の壁になってなかなか通れないようにするのが作戦だったようだ
おかげで俺の後を追いかけようとしてもデブが一度に階段を下りようとするから
自分たちのお肉が邪魔になって全然下りられないみたいだ
俺は急いで一階に下りた
一階には何故か丈翔に幸平、誠、一平がいた
俺は容赦なく誠を殴った
喧嘩ではこいつらに負けたことは一度もない
意外と俺って喧嘩強いんだよ(^^)v
「グフゥ・・・・・」
よしっ!誠はさっきボコボコにしたおかけで
一発でダウンした
後は三人か・・・・
「お前ら三人俺が本気をだしてフルボッコにされるかここを素直に通すかどっちか選べ」
ぶっちゃけ、俺もフルボッコにするのめんどくさいんだよね
「「「殴りたければ殴れ!!」」」
「ハァ~、めんどくせぇ・・・・」
俺はいっきに駆け出し丈翔に向かって殴り
丈翔が倒れるように丈翔の顔面に頭突きをし
頭突きをくらった丈翔が一平を巻きこんで倒れた
これで二人はダウンするだろう
残る一人は幸平だ
俺は幸平に向かって回し蹴りをして幸平がそれを避けた
幸平はこの三人の中では手強い
「これって俺が逃げ切ればいいだけじゃん」
「そ、そんなことはさせんっ!!」
今更ながら俺は逃げ切ろうと思った
幸平は幸平で殴りかかってきたりして
俺が逃げないようにしているのかもしれないが
俺は攻撃を難なくかわし
美希が待っている校門を目指した
そんな時、後ろから男子たちの唸り声が聞こえてきた
もう、ここまで来たようだ
なんとかしないと美希が帰ってしまう
ん、あそこにいるのは・・・・おぉー、やっぱり、そうか!!
今から帰ろうとしている工藤と小澤の姿を発見っ!!
ここは工藤に頼もう
そうすれば男子達も俺を追いかけるのは止めるだろう
「工藤、ちょっと頼みがあるんだけど」
「白川、どうした?」
「小澤にも手伝って欲しいんだけど」
「いいよっ!」
おぉ、小澤は快くOKしてくれた
なんか天使に見えてきたよ
「工藤はいい?」
「まぁ、いいが、お前の後から来る男子の群れはなんだ?」
「それなんだけど、あいつらを止めて欲しい」
「なるほどね。お前が可愛い女子と仲良く帰ろうとして追いかけられてるのか?」
「そのとうりっ!さすが工藤」
「お前も大変だな」
「まぁね、んじゃ頼んだよ」
「おぅ」
俺は工藤達に後を頼んで校門へダッシュした
「美希、お待たせ」
まだ、美希は待っていた
「りゅう、結構遅かったね」
「今回は男子の数が多かったんだよ」
「まっ、お疲れさんっ!」
俺がこうして追いかけられるのは一回や二回なんてもんじゃない
だから、こうやって逃げ回っているうちに鬼ごっこは得意になり
足もだいぶ速くなって体力もついたが
全然、嬉しくないっ!!!
この後はなにもなく美希と帰ることができた
あぁー、疲れた・・・・・