第2話「騒がしい教室」
いっきにキャラが増えた・・・・
【騒がしい教室】
低血圧な俺にはしんどいほどうるさい奴らが俺を待っていた。
「りゅうちゃん、おっはよぉぉ!!」
「・・・・・」
「流一、おはよ」
「おはよ」
「りゅう、おはよぅさん」
「あはょうさん」
「流一君、おはよう」
「おはよう」
「・・・ッッ!!!ウッ・・・ウッ・・・ウグッ」
((はぁー))
ここにいる奴らが全員めんどくさい顔をした。
「りゅうちゃぁぁぁん、なんで俺だけあいさつ返してくれないのぉぉー!!!」
「朝っぱらからギャーギャー五月蠅いなぁー、ったく」
「俺だけ扱いが酷くねっ!?」
この朝っぱらから異常にテンションの高いこいつは
松長丈翔だ。
こいつとは腐れ縁で幼稚園の時から今までずっと一緒だ。
顔はそこそこイケてるんだがこいつははっきり言ってモテない!!
なぜならこいつは『バカ』だからだッ!!!!
テストは赤点ばかりとっている。
正直言って悲しい頭の持ち主だ。
しかも、完璧なドMだしな。
酷い扱いを受けても喜びそうな勢いで話してくる。
まぁ、単純な話ただたんにこいつが超のつく変人っていうだけだなんだけどな。
クラスの中、いや学年の中で一番変な奴はと聞いても全員が丈翔だと言うだろう。
こいつは、それぐらい変人だ。
「丈翔、五月蠅い。」
「酷いよぉー、りゅうちゃん酷いよぉー」
はぁー
めんどくせっ。
ちょっと丈翔のことシメちゃおうか?
「わかったよ、わかったから少し黙れ」
「う、うん」
俺の黒い影に気付いたのか丈翔は大人しくなった。
「朝っぱらから元気だなぁ」
と、なかば呆れた様子でこちらを見ているのは
坂本幸平だ。
幸平とは中学の時に知り合った。
今では仲の良い友達だ。
成績も中、運動も中、顔も中。
何も取り柄のないある意味可哀想な奴だ。
モテないが、嫌われもしない。
そんなポジションにいるのが幸平だ。
ちなみに俺の周りにいる連中の中で唯一まともな奴だ。
「おぅ、おはよ幸平」
「おはよりゅう」
「こ、こうちゃん、おはよ・・・・ぅ」
「・・・・丈翔、またなにかしたのか?」
呆れてものも言えない幸平に俺は
今、一番気になっていることを聞いた。
「あのさぁー、幸平」
「ん、なんだりゅう?」
「美希はどうした?」
いつも幸平と一緒に登校してくる
佐々木美希の姿がない。
美希は学年のアイドル的存在だ。
幸平の幼なじみである。
「んー、美希はたぶん休みじゃねぇか?」
「風邪か?」
「たぶん・・・・」
「やっぱりゅうちゃんは、美希ちゃんのことがきになるんだ」
と、ニヤニヤしながら丈翔が言った。
「バカなこと言ってると丈翔のこと本当にシメちゃうよ?」
「ヒッ・・・・」
丈翔が俺の今日二度目の黒いオーラに短い悲鳴の様なものをこぼした。
(((丈翔、死ぬな)))
その場にいた全員がそう思った。
「りゅうちゃん、ストーップストーップ!!!」
「俺が待つとでも思ってんのか丈翔?」
「ごめんなさぁぁぁぁい!!!!!」
丈翔は俺に向かってジャンピング土下座をした。
「しかたない、丈翔には罰として昼飯一週間奢ってもらうからな」
「えっと、三日じゃダメ?」
「一ヶ月の方がいい?」
「いぇ、一週間分でいいッス」
((鬼だ・・・・))
またしてもその場にいた人たちは同じ事を思うのであった。
「ハロー、みんなっ!!!」
「「・・・・・・」」
「えっ、みんなどうしたの?」
「はぁー、お前もおちる所までおちたな」
「白川、酷ッ!」
この丈翔より高いテンションで教室に入って来たのは
自称No.1ホストこと
鈴木一平だった。
まぁ、モテるといえばモテるのだがこいつが好きな連中はみんなバカブスだ。
しかも、丈翔より空気が読めない学年No.1のKY男だ。
基本的には良い奴だが、KYすぎて一緒にいるとすっげぇ疲れる。
「今日も空気読めない度100だな」
「ちょ、流一そりゃどういう事だよ」
「いゃ、りゅうちゃんそれは違う」
「おっ、丈翔が今神様に見えてきた」
「一平は空気読めない度200だよ・・・・」
「前言撤回、丈翔ちょっとツラかせやぁぁぁ!!」
「えっ、ちょ、まっ、待って、待ってよぉぉぉぉ!!!」
「おりゃぁぁぁぁ!!!!!」
「グフッ・・・・・」
((こんどこそ死んだ・・・・))
またまたその場にいた人たちは同じ事を思うのであった。
「あっ、美琴おはよ」
「あっ、流一おはよ」
「美琴昨日遅くまで何してたんだよ?」
「べっ、別にあんたに関係ないじゃん」
「お前なぁ、夜中まで隣が電気付けっぱなしだと俺が寝れないんだよ」
「別にいいじゃん、バーカ」
「あっ、お前今バカって言ったな」
「言ったよ、それが何か?」
「このっ、オタンコナス」
「チビッ!!」
「まな板女!!」
「まぁまぁ、夫婦喧嘩はそのへんにしたら?」
と、幸平が俺と美琴のガキのような喧嘩を止めた。
「「誰が夫婦だっ!!!」」
杉山美琴は、
俺の幼なじみだ。
一応外見は可愛いから男子からの人気は高い。
勉強も運動もあるていどできる。
だが、たまに見せる失敗が男共を熱くさせるらしい・・・・
まったく、こんな女を好きになる奴らの気が知れん。
「「「おぃ、しらかわぁぁぁ!!!」」」
「なっ、なんだモテない野郎ども」
「「「俺らの杉山さんに失礼なことばっか言いやがってぇぇぇぇ」」」
モテない野郎どもって言ったのは気にしないんだ・・・・・
「「「許さんっっっ!!!」」」
「お、おぃ、落ち着けよお前ら」
「「「殺すっっっ!!!」」」
「助けてぇぇぇぇ!!!」
「「「待てぇぇぇ!!!!」」」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
ドタドタドタ・・・・・・・
「なぁ、丈翔」
「なに?」
「今日もこの教室だけ騒がしいな」
「そだね、幸平」
こんな奴らがいたら楽しそうだけど
なんか、疲れそう・・・・