第15話「腕相撲大会」
【腕相撲大会】
暇だ・・・・
今は、夜。
寮での長い一時だ。
だが、やることがないとすごく暇な時間になってしまう。
そして、今の俺がそんな状態だ。
でも、なんか忘れてる気がするんだよな・・・・
俺は何かを忘れている気がしてならない。
まぁ、いっか。
どうせ、思い出せないならそんなたいした用事じゃないだろ。
俺はそう思いテレビをつけた。
「おもしろいドラマとかやってねぇかなぁ~」
俺が部屋でくつろいでいると
外が騒がしいのに気付いた。
「なんだ?」
俺は気になって廊下に出た。
そこにはありえない光景が広がっていた。
男共が集まって、何かをやっている。
「チッ、見えねぇ」
俺の背の高さでは何をやっているか確認することはできなかった。
「はぁ~、チビはつらいよ・・・・」
俺は、思いっきりジャンプして何をやっているか確認しようとした。
運動神経だけいい俺は、ジャンプ力もすごく
何をやっているかすぐにわかった。
むさ苦しい男共が集まって腕相撲をやっていた。
暑苦しいってりゃあやしない・・・・
「おぃ、丈翔」
俺は側にいた丈翔に声を掛けた。
「なに?」
「今、なにやってんの?
「見てわからないの?腕相撲大会だよ」
「腕相撲やってるのわかってんだよ。
なんで男共が集まってやってるかを聞いてんだっ!!」
「腕相撲で一番強い人がみんなに一つずつ命令できるっていうルールでやってたら
いつのまにかこんなに拡大化したんだよ」
なんてくだらないことをやってるんだ。
小学生かぁ、お前ら。
まぁ、俺達はたまに丈翔の思いついたくだらないことを
優勝賞品目当てでやるからな・・・・・
その時、俺の頭に電球が光った。
「あっ!!」
俺は今まで忘れていた事を思いだした。
それは、今日一日、美琴の言うことをきくということだ。
あぁー、思い出さない方がよかったぁー。
しかたい、思い出してしまったからには
とことん言うこと聞いてやろうじゃねぇの。
「丈翔、男共のくだらないバカ騒ぎもほどほどにしとけよ」
「「くだらないだとっ!!」」
聞こえたのかよっ!!!
バカバカしいことを
思いっきりやってみたいっ!!!