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ニア軍曹は全てに使われ絶望する〜人造兵器の適合者の末路〜(旧題:愚かな望みの終焉〜ニア軍曹は縋りたい〜)  作者: 朝倉 ねり


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16/20

16 失望

とても短いのでもう1話公開します。

 沈黙が病室に流れる。

 野戦病院の数カ所割れた窓から、戦場にいることを忘れてしまいそうなほど爽やかな風が吹き込む。


「…(わたくし)も、同じです。」

 気づけば、そう口にしていた。


「私はいつかそう思うことが怖くて、生きることが怖いのです。私はどこまで行っても籠の鳥だから。」


 籠を出てしまったから、もう戻って飼い殺しになる息苦しさを知ってしまったのだ、と。


 ジョーゼフ少尉は、私の言葉を困ったように眉を下げて聞いていた。

 彼が静かに口を開く時の、粘膜がくちゃりという音が、やけに大きく響いて、ジョーゼフ少尉は一言だけ呟いた。


「若いね。」



 そうして、彼はそのまま病室を去ってしまった。柔らかな風がカーテンを揺らす、5月の昼下がり。


 私は前線に戻った。



 今思うと、ジョーゼフ少尉は私に怒っていたのだ。

 彼は艱難辛苦(かんなんしんく)を味わってきたから、甘えたことを言った私に対して、「同じだ」なんて抜かした私に失望したのだ。


 それは、マイロも同じだったのだろう。

 彼に失望されるほど、彼に心が、そんな機能があるのかどうかは別として。

閲覧いただきありがとうございます。

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