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注文の多いTSデカパイロリエルフ料理店

作者: あきね
掲載日:2025/08/29

 二人の若い紳士が、だいぶ山奥の、木の葉のカサカサしたとこを、こんなことをいながら、あるいておりました。鉄砲をかついでおり、猟をするつもりだったのです。

「ぜんたい、この山はけしからんね。鳥や獣もみんな乳がデカい」

「乳はまずいから、いかんな」

 ところがどうも、あしもとがしだいにぬかるんできて、霧もやけに白く重たくなりました。

「これはどうにも歩きにくい」

「なにか、建物でもあれば助かるんだが」

 その時、ふとうしろを見ますと、立派な一軒の西洋造りの家がありました。

 そして玄関には

西洋料理店《RESTAURANT》

性転換巨乳幼女長耳軒《TS DEKAPAI LOLI ERUF HOUSE》

 という札が出ておりました。

「君、ちょうどいい。入ろうじゃないか」

「実に結構な店名だ。性転換巨乳幼女長耳軒とな」

「性転換巨乳幼女長耳軒とはいうものの、とにかく何か食事ができるんだろう」

 二人は玄関に立ちました。

 硝子がらすの開き戸がたって、そこに金文字でこう書いてありました。

『どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません』

 二人はそこで、ひどくよろこんで言いました。

「こいつはどうだ、今日は獲物もとれず難儀したけれど、今度はこんないいこともある」

 戸を押して中に入りました。そこはすぐ廊下になっていました。その硝子戸の裏側には、金文字でこうなっていました。

『ことに男性幼馴染関係の方は、大歓迎いたします』

 二人は大歓迎というので、もう大よろこびです。

「君、僕らは大歓迎にあたっているのだ」

 ずんずん廊下を進んでいきますと、そこにまた水色のペンキ塗りの扉に、こう書かれていました。

『当店は注文の多い店でございますからどうかそこはご承知ください』

「これはぜんたいどういうんだ?」

「うん、これはきっと注文があまりに多くて支度が手間取るけどもごめんくださいということだ」

「そうだろう、早く座りたいもんだな」

 ところがどうもうるさいことは、また扉に文字が書かれています。

『お客さまがた、ここで髪をきちんとして、それから履き物の泥を落としてください』

「これは尤もだ。山を歩いて泥だらけだ」

 二人は置いてあるブラシをつかって泥を落とし髪をけずりました。そしたら、どうです。ブラシがすんで無くなって、風がどうっと室の中に入ってきました。

 二人はびっくりして、たがいによりそって、扉をがたんと開けて、次の室へ入って行きました。

 扉の内側に、また変なことが書いてありました。

『ここには服が一そろいございます。どうかお召し替えください』

 二人は顔を見合わせました。

「どうして一人分しかないのだ」

 見ると、棚の上に白い絹のような布がすらりと掛けられていました。

「君、これはどう見ても……少女の服じゃないか」

「それでも扉にはそう書いてある。君が着るべきだ」

「いやだよ」

「僕だっていやさ」

 結局、じゃんけんで負けた方が着ることになりました。

「うう、なんで僕が……」

 そういって一人が服を羽織りました。

 彼は股間にぞわりと冷たいものを感じました。

「おい、なんだか変だぞ」

 思わず押さえましたが、そこにはもう何もありませんでした。

「どうした?」

「チ〇ポがない」

「そんなわけがあるか」

 次の扉が開きました。

 扉の内側には、また変なことが書いてありました。

『胸に手を添えて、柔らかい起伏をおたしかめください』

 その瞬間、室の奥からふわりと風が吹きました。

「う、苦しい」

「どうしたんだ」

「胸が……」

 見てみると、彼の乳房が大きく膨らんでいました。

「なかなかこれは……触ってもいいか?」

「いいわけないだろう」

「ごめん」

 次の扉を開きますと、そこにもまた文字がありました。

『お客さまをよりかわいらしく召しあがるために、背丈をすこし縮めてください』

「縮めるだと?」

 そう言ったとたん、彼の視界はふっと高くなりました。

「おい、君、小さくなっているぞ」

「なんだこれは……」

 声までいくらか甲高くなっていました。

「ずいぶんとかわいらしくなったな」

「なんで僕がこんな目に」

 さらに、次の扉にはこうありました。

『耳を長くして、とがらせてくださいませ』

 気が付くと、彼女の耳の先が細くとがっていきました。彼は思わず触ってみると、ぴくんと震え真っ赤に染まりました。

「ひゃう! か、勝手に触るな!」

「わ、わるい」

 また、次の扉にはこうあります。

『どうぞお二人、互いの顔をよくご覧ください』

「互いの顔をだと……」

「い、今更見たってどうにもなんないぞ」

「ずいぶんとかわいらしくなったな」

「何を……!」

 とがった耳をぴんと立てた彼女は、つい視線をそらしました。

 けれども相棒の男は、不思議とどきどきしてたまりませんでした。


 二人は知りませんでしたが、背後にはすでに客がずらりと並んでみていました。

 こうして、二人のおかげでTSデカパイロリエルフ料理は完成しました。本当にありがたい事でございました。

カクヨムにて異世界にも陰謀論はあります! という小説を連載しています。

閲覧していただけたら幸いです。

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