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50.息子side

 僕は両親に愛されなかった。

 理由は実に簡単だ。

 母の場合、僕に魔力が無かったせい。分かり易い。逆に父の場合は少し複雑だ。僕の存在のせいで父は最愛の恋人を永遠に失ってしまったからだ。


 父には学生時代からの恋人がいた。

 実家を出て、恋人と同棲していたと言うから驚きだ。

 こう言ってはなんだが父は生粋の貴族だ。

 料理や家事が一切できない。

 使用人を雇っていたのかと思えばそうでもない。

 父曰く「愛する恋人との愛の巣に赤の他人がいる状況は無理」とのこと。


 つまり、家事の全てを恋人が請け負っていたらしい。

 父に言わせれば恋人が自分のためだけに料理をして掃除をして洗濯をしている姿を見るのが最高だったそうだ。なんともコメントに困る話である。ともあれそんな感じで同棲生活を楽しんでいた二人だったがある日突然悲劇が起きた。

 今はない魔術学院の後輩でありサークル仲間の母と一夜を共にして僕ができた。

 僕を孕んだ経緯を考えると父だけでなく母もイカレている。

 すったもんだの末、僕は父に引き取られた。


 物心ついた頃には両親の関係がどうしようもないほど破綻していた。何より父が母を憎んでいる事も理解していた。憎い母の子である僕をよく引き取ろうと考えたものだ。義務とはいえ経済的に不自由なく育ててくれた。感謝しかない。まぁ、僕を育てたのは使用人たちだけどね。

 キング侯爵の父は多忙だった。

 侯爵家の当主と魔術師の二足わらじで日々忙しそうに仕事をしていたけどたまにしか屋敷にいなかった気がする。


 侯爵家の親戚にとって僕は透明人間だった。



 存在すら彼らの頭の中で抹消されているのではないだろうか?

 そう思う時すらあった。


 だから、母の親族が地方に暮らしていると聞いた時に「会ってみたい」とせがんだがあっさり却下された。その時の父の言葉は今でもよく覚えている。まるで呪いの様に何度も何度も僕の耳元で繰り返し囁かれた言葉だ。忘れようがない。

 

『いいかい、彼女達に会いたいなんて二度と言ってはいけない。ジュニアが思っている以上に溝は深いからね。それと、街にお忍びで遊びに行くのもダメだ。ん?何で知っているのかって?執事から聞いたよ。弁護士先生が心配するからやめなさい』


 当時は父の言っている意味が理解できなかった。




 



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