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35.判決結果

 

 判決が、下された。裁判の判決だ。


「ライアン・キングの勝訴だ」


 そうか、彼は勝ったのか。

 僕にライアンの裁判結果を教えてくれたのはルーカスだった。ちょっと不機嫌そうに淡々と報告する彼に笑いそうになったのは秘密だ。夫になったルーカスは意外と嫉妬深かった。元カレのライアンの事だって話題に出したくないのに律儀に結果報告をしてくる処が可愛い。


 一年近くにも及ぶ裁判は漸く終わりを告げた。

 ライアンの結婚義務なしとの判決が下り、エラ・ダズリンに賠償金の支払い義務がなくなったのを聞いた時は、ライアン側の弁護士が交渉した結果だろうと思った。彼女を罪に問わない代わりに何らかの取引をしたのは明らかだ。それが何なのかは分からないし興味もなかった。

 

 裁判中に生まれたライアンの子供は息子だったらしい。


 噂では彼によく似たアッシュグレーの髪に青い目を持つ可愛らしい男の子だ。

 ライアンの裁判は終わったけど、僕はこれから先が大変だと思っている。寧ろ、裁判後が本番ではないだろうか。ライアン自身が子供はいらないと明言している。親権は母親であるダズリン男爵令嬢が持っているけど、キング侯爵家の直系男子であることからお家騒動が起こることは間違いないだろうと思う。まぁ、僕の知らないところで起こるならどうでもいいやと思ってる。ただ、面倒なことにならないように祈るだけだ。



「まぁ、なんにしろこれで一区切りついたようなものだ。良かったな」

 

「よかったのかな?」

 

「ああ、俺達の結婚式の前に縁起の悪い裁判が終わって良かったじゃないか」


「そうかな?まあ、うん、確かにそうかもね」



 僕達は来週結婚式を挙げる。今日も明日の準備で大忙しだ。国王の婚礼式ってことで盛大に行うつもりみたいだから、今から気が重い。そんなことを言っても仕方がないんだけどね。もうすぐ始まるであろう婚姻の儀に備えて、僕はそっとため息をつく。幸せだけど色々あって疲れるよ。


「これからは大手を振って歩ける」


 上機嫌のルーカスは僕の手を取り指輪へとキスを落とした。

 何はともあれ、僕は今日も幸せに過ごしている。



 さようなら、ライアン。

 もう会うことはないだろうけれど、君の人生が幸多いものになることを願うよ。

 そして……ありがとう。僕を受け入れてくれて。愛してくれて本当に嬉しかった。



 もう過去は振り返らない。

 新しい未来だけを見つめよう。

 僕はもう大丈夫。

 ルーカスとオリバーの二人と生きていくから。この幸せな人生を歩むために、前を向いて歩いていくんだ――





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