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13.姉side

 コンコン。

 ノック音が聞こえたので入室を許可すると、父が入って来た。


「揃っているな」


「父さん、遅いわよ」


「すまんすまん。調べものがあったんでな」


「調べもの?」


「ああ、実に愉快な情報を入手したぞ。諸悪の根源はエラ・ダズリン男爵令嬢だ」


「…………それ皆しっているけど?」


「すまん、言い方が悪かったな。エラ・ダズリン男爵令嬢の妊娠には()があるぞ」


「裏?どういうこと?」


「ただの一夜関係で出来た子供とは言い難くなってきた。ライアンを酔い潰して関係をもったことは確かだが、問題はその過程だ。どうやら怪しい媚薬らをライアンに投与した可能性が高い。それと、確実に妊娠するためにありとあらゆる手を用いた節がある」

 

「つまり避妊に失敗したのではなく、意図的に仕組んだということ?」

 

「そういうことだ。これは私の憶測にすぎないがライアンの精子を手に入れてそこで何らかの細工を施したと思われる。それも合法ではなく()()()()()()()でな」

 

「父さん……それって……」

 

「ダズリン男爵令嬢は魔術学院の卒業生だ。しかも今年卒業したばかりのな。後輩がまだ学院にいる。学院での研究なら表に出てくる心配もない。知識と腕さえあればどうにでもできる状況だ。運が良い事に彼女は魔法医師でもあるからな。そちらは専門だろう」

 

「ちょっと待ってよ!まさか!!」

 

「まだ確定情報ではないが可能性としては十分ありえる」

 

「証拠は?」

 

「それが残念ながら無い。あくまで私の推測の域を出ない。非常に歯痒い事にな」

 

 予想。

 でも筋は通っている。

 父さんの見立てで間違いないだろうけど証拠は処分しているはず。万が一残っていたとしても立証できるかも怪しいところか。

 

 計画的犯行――


 これは昨日今日考え付いたものじゃない。

 きっと何年もかけて計画し、実行する機会を伺っていたに違いない。

 

「だが、彼女を手助けした者が学生内にいることは間違いないだろう。ダズリン男爵令嬢は男子生徒に大変人気者らしいからな」

 

 にやりと笑う父には共犯者に心当たりがあるらしい。

 

「あらあら、それなら学院側はあなたにお任せしようかしら?私とミラは外の方から攻めてみようと思うわ」

 

 ふふっと笑いながら母はそう告げると立ち上がった。

 

「そうだな、母さんの言う通りだ。まずはこの一件に関わった人間全てを洗い出すところから始めるか。まぁ私達が動けばすぐに見つかるさ!」


 楽しげに笑みを浮かべている父と母の顔を交互に見る。

 二人とも目がマジだわ。

 こうなった二人は本当に止まらないのよね。

 ノアの事を思うと同情なんてできないけど――まぁ自業自得だし諦めて貰おうかしら。

 私はそっと紅茶を飲んでこれからの事を考えた。


 うちの弟を悲しませた罪はキッチリとつけさせて貰おうじゃない!!





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