プロローグ。
処女作です。どうか温かい目で見守ってください。
少年は悪だった。
窃盗、詐欺、拷問、恐喝、殺人、鏖殺、虐殺。
彼は、目的の為に、生きるために、守るために、矜持のために、人を殺してきた。
悪らしい悪である。自分の為に、他人を容赦なく犠牲にするのだから。
そして、彼にもその自覚があった。悪という、自覚が。
そして、だからこそ彼は強かった。彼は、大切なもののためならあらゆる手段を行使する。
…そんな彼だからこそ、忘れ去られてしまったのかもしれない。
今、この瞬間、彼は幻想となった。
…少女は、英雄だった。
彼女は、常に正義であり続けた。
常に純粋であり続けた。
常に強くあり続けた。
皆、口を揃えて叫ぶ、彼女が英雄だと。
差別をせず、皆に与え、導いてきた。
彼女は正義を持つ自分に矜持を持ち、掲げ続けた。
…そんな彼女だからこそ、彼女は弱かった。彼女は、全てを手に入れようとする。
…否、捨てられないのである。
そして、全てを失った彼女は、今、この瞬間に、幻想となった。
短いのはプロローグだからです。
次からは300〜400から五千文字以上に上げます。
だから、だからブラウザバックしないでぇ!