9/12
次あったらぶん殴る
深夜の山は怖いです。
神様戻ってきません。
次あったらぶん殴ることに決めました。
神様待つこと12時間。
とっぷりと日は暮れ、あたりは街灯の一つもなく。
心もとない細さの月が唯一の光源。
サワサワと風がふいて草が揺れるたび、新しいクマが来るんじゃないかとびくびくしながら俺は、楽楽の腹を背もたれにして座っていた。
楽楽いなかったら俺こごえ死んでたかもしれない。
お供になってふわふわピカピカになった、楽楽の毛は臭いもなく、暖かい。
まじめに50年以上生きてきて、死因が山で遭難して凍死とか嫌すぎる。
とりあえず腹は減ったが、たくわえに蓄えた腹の肉があるから1日2日食わなくても死にゃしないだろうと、下腹をもんでみる。
うん。
神様まだ戻ってきません。
これちょっと待ってが年単位のやつや。
決めた、俺次神様と会ったらぶん殴るわ。