浄化されると姿形が変わるとは言うものの
喉を直接攻撃して息も絶え絶えのクマさん
団子を食べて僕の仲間になってよ
クマが一部白化するとクマは大きな猫になる。
だがしかし、そこに転がるのは喉を焼かれた手負いのケモノ。
どう考えても団子を食うとは思えない。
回復の札で回復させたところで団子を食ってくれるとは限らない。
ただ、さっきの攻撃に恐れをなして去ってくれる可能性はある。
危害を加えず逃げてくれれば充分儲けものだ。
そこで俺は気が付いた。
隙間から見えるクマの動きが鈍くなっている事に。
コレもしかして死にかけてる?
「筆さんや、敵の体力とか分かるか?」
ふわりと動き始めさらさらと新しく書き始める
【 2/500 】
ちなみに俺の体力はは30/50らしい。
十倍!
クマ強ッ!
ぐったりしたクマは舌をだらりとして倒れている。
俺は震える足をたたきながら隙間から体を出した。
枯れた近くのツルを引きちぎりちょっと離れた所から、クマをつつく。
動く気配はない。
俺は腰の巾着から団子を取り出し口の中に放り込む。
もう一枚の札をクマに向ける。
「健やかなれ」
カッと見開かれたクマの目にちびりそうになりながら裂け目に体を引っ込める。
隙間から見えるクマはなんだか神々しい光をまとっていた。
ほんの1分ほどだったろうか。
光が収まった。
「クマクマ(ご主人様)」
クマの鳴き声と同時に意味が分かっりびくっと体が震える。
「クマックマッ(もう危害は加えません。これから誠心誠意お仕えいたしますので安心してお出でください)」
とても丁寧な口調に脳内変換されたクマの言葉が聞こえる。
この世界のクマはクマって鳴くのかよ!
「お筆さん、大丈夫かな?」
【お供は決して主人に危害は加えません。忠実なシモベです】
「なんか賢くなってない?いやきび団子食べた桃太郎のお供も賢そうだったけど」
するとまた筆がさらさらと文字を紡ぐ。
【きび団子ではありません。リンゴ団子です】
袋の中に手を突っ込んで、一つつかんでみる。
これ団子じゃないよね、大福?リンゴ大福?
知恵の実だけに知恵がついったってか?
和洋折衷かよ!!
「クマ、クマ~(ご主人様まだお怒りでしょうか?)」
「いや、怒ってないすぐ出る!」
今だ笑っている足を手で押しながら強制的に前に進む。
そうやって隙間から顔を出した俺の前にいたのは。
とってもかわいい
パンダでした。
【体の一部が白化します】
クマの一部が白くなるとそーなるわな!!