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約束するなら日時を決めましょうよ神様ァ!

三枚のお札を使うと魔法が使えるよ

異世界らしいけど木と草と空しか見えないよ

神様は大事なものを忘れてきたようです

 突然目の前の景色が変わった。

 今までも山のお寺だったから周りは自然に囲まれていたけれど、今いる場所は木と草と、空しかなかった。

「おおおおおお!おおおお?」

 瞬間移動という奴だろうか。

 相手は神様だこれぐらい出来るのは当たり前なのかもしれない。

 本当に神様なんだという事を実感した。

 周りを見渡しても木々以外は所々石や土が見えるくらいで、人工的なものは何もみあたらなかった。

「ここでよかろう」

 神様は懐から何かを取り出す。

「我が国を剣と魔法の世界にするには、ちと大変だったのだ。

 理を色々いじらねばならぬからな。

 そこでな、何もない所から魔法を生み出すのは難しいのならば

 私の力を込めた道具で同じことが出来ればよかろうと思ったのだ。

 それがこれだ」

 手渡されたのは何かが書かれた3枚の和紙。

 そこそこ厚みがあって丈夫そうなものだ。

「この札で今、3つの私の力が使えるようにしてある。

 1枚目は炎だな

 2枚目は癒し

 3枚目は空だ。

 旅を続けるうちに色んな神社で、新しい力が使えるようになるぞ」

 3枚の内の1枚を俺の手から引き抜いて神様は札を正面に向ける

「燃えよ!」

 言い終わると同時に握りこぶし大の火球が札より飛び出し数m先で燃え上がった。

「この火球は火災の事も考えて燃え広がらぬようにしてあるから安心して使うがよい」

 2枚目の札を俺の手から抜き取ると、今度は俺に札を向ける。

「健やかなれ」

 ふわりと体が暖かくなり、肩が軽くなる。

 もしかしたら腰痛も…なくなった?

「おおおおおおおお!すげぇええええ!神様、神様は本当に神様だったんですね!」

 ぴょんぴょんと飛び上がる。

 今まであれほど痛かった肩も、頭の上で握ることができ、飛び跳ねても腰にしびれる感じが全くない。

 初めて神様のご利益を受けた感じだ。

「ほんに我が子はブサかわいいのぅ。喜んでもらえて何よりだ」

「ん?」

 神様は札の上を指さし俺が持っている空の札と見比べるよう指をさす。

「先ほど札の上に5つの点があっただろう?その点がすべてそろえばまた使えるようになる」

見ると、5つだった点が3つになっていた。

「空の札は、使わずにとっておいても良いし、どちらかの札の図を書き写して使っても良い」

 試し打ちした札が俺の元に戻ってくる。

 その手の上に巻物と筆をのせる。

「これは?」

「すてーたす?とかいう身体能力を数字でみられるようにした巻物だな。

 他にも行ったところの地図が増えたり、お伴が増えたらお伴の能力もみられるようになっておる。

 そっちは筆の付喪神でな、墨がなくても書ける便利な筆でな、巻物の情報の更新や、札の書き込みに使える。

 そしてこれ」

 印籠のようなものと、巾着だった。

「その小箱は柄を入れたいものに向けて、名前を呼べばそのものを入れられる。荷物入れだな。

1種類につき9個まで、9種類入れられるぞ。

これも位が上がり、我が神社をめぐれば増える。

そした……あっ!!」

 神様は自身の腰回りを探って、大きく口を開けた。

「あ~、最初に渡す剣を忘れてもうたわ!!一番大事なものを忘れるとは!!」

 剣と魔法の世界で剣を忘れるかぁ? と心で思っても口には出さない。

 俺、大人だから。

「我が子よ!しばし待て、この冒険には剣がなくてははじまらぬ!

取ってまいる!」

 神様はこちらの言葉を待たぬうちに一方的に待てと言ってその場から消えた。

 そして5時間経過。

 午前中に無理やり連れてこられてスマートホンの時間は午後3時を示している。

 考えないようにしていたんだが。

 あの神様、時間の感覚が人間と違うよな。

 あの神様のいう「しばし」って……

 もしかして年単位とかじゃねーだろうな!!

 神様ぁ、待てというなら細かくどのくらいの時間か行って行って行きやがれぇ!!


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