69 特別版ED
最終回だけ特別なEDを流す番組が時々あります。
最終回、物語が終わった後に、いつもと違うEDで余韻を深める、いいですよね。
鷹羽が知っている限りだと、一番古いのが「ときめきトゥナイト」だったでしょうか。
この番組のEDは、裸の上にマントを羽織っただけの蘭世が踊って、裸がチラチラ見えるという、当時としてはかなり刺激的な映像でした。
それが、最終回バージョンでは、歌詞が2番で、映像は主立ったキャラ全員が裸マントで次々現れて踊るという、別の意味で衝撃的なものでした。笑撃的かな?
蘭世の両親はまだしも、神谷パパまで裸マントとか、何のギャグかと。
次が「魔法の天使クリィミーマミ」です。
後期EDは「美衝撃」だったのですが、最終回は前期ED「パジャマのままで」で、画像は新規にメインキャラのその後を描きました。
マモルは転校し、みどりに彼女ができ、慎吾とめぐみが婚約発表し、俊夫と優に子供が2人生まれ…と、とても素敵なEDでした。
あと、印象深かったのが、「機甲界ガリアン」ですね。
王位を継いだらしいジョルディの隣に成長したチュルルが立っている姿は、なんだかホッとしました。
ヒルムカがウィンドウの頬にキスしていて、なんだかいい感じです。
ヒルムカは高度文明の星に戻らずアースト人のウィンドウと共に生きることを選んだということですから。
戦隊シリーズだと、「超新星フラッシュマン」の最終回は、いつもの曲でしたが、画像は地球を去るフラッシュマンと、回想シーンでした。
同じく「超獣戦隊ライブマン」では、本編から続いていつものED曲で、回想シーンでした。
こちらは、敵方のロボット:ガッシュの残骸から記憶映像が投射されているという体で、最後に残骸が地割れに飲まれて映像が終わる、というラストでした。
「鳥人戦隊ジェットマン」では、回想シーンの後で、崖に腰掛けたジェットマンが変身前の姿に戻って立ち上がり、肩を組むという絵が流れました。
この崖に腰掛けた絵は、アイキャッチとして使われていたもの(Aパートラストで変身前の5人、Bパート頭で変身後の5人)で、それを逆の順番で繋げ、更に新撮で立ち上がって肩を組むシーンを加えたものです。
座っている時は、不協和音ばかりだったジェットマン5人を表すように凱がそっぽを向いているのですが、これが立ち上がると、5人で肩を組んで同じ方向を見るのです。
この絵のために1年間の物語があったのだと思えるほどに感慨深かったです。
最終回でなくても、特別なEDはあります。
「宇宙刑事シャリバン」では、時折EDの歌詞が2番になっています。
これは、主人公:伊賀電の先祖の故郷であるイガ星絡みの話に特有のものでした。
でも、最終回は1番でした。
「ウルトラマンティガ」では、毎回、EDにはその回の映像を流していました。
これが49話「ウルトラの星」では、「ウルトラマン」の映像が流れました。
「ウルトラマンティガ」はウルトラマンシリーズ30周年記念番組で、この回が、ティガとウルトラマンが共演する特別編だったからです。
そして、ダイゴとレナの恋物語のラストを飾った50話「Take me higher! ~もっと高く~」では、ダイゴとレナが仲を深めていく過程の映像を積み重ねています。
こういう特別バージョンもいいですよね。
「ウルトラマンダイナ」でも、36話「滅びの微笑(後編)」では、「ティガ」のEDのインストゥルメンタルバージョンが流れました。
そして、最終回前話では、前期ED「君だけを守りたい」が流れました。
この回では、怪獣に捕まったリョウ隊員(この時はダイナの正体がアスカだと知っている)を救おうとするダイナがテレパシーでリョウに「俺は今、君だけを守りたい」と言っているからです。
リョウとアスカは恋人ではなかった(むしろ、当時役者同士が本当に付き合っていたせいかマイ隊員の方が恋人っぽかった)ため、正直、このセリフは唐突だったのですが、EDとしてはよかったです。
ちなみに、「ダイナ」は最終決戦において行方不明となったため、送り出したリョウは「お帰りなさい」を言えずじまいでした。
それから10年後、劇場版「超ウルトラ8兄弟」で、ようやくリョウがアスカに「お帰りなさい」と言えました。
ちょっと勘違いしてほしくないのですが、単にいつもと違えばいいってわけではないのです。
積み重ねてきたものがあって、それを体現するかたちで特別版があるからこそいいのです。
EDも物語の一部だと感じられるのっていいですよ。
「マミ」「ガリアン」での主人公達のその後とか、「ジェットマン」の5人が同じ方向を向いているとか、見続けてきたからこそ、という感慨って意外と大きいのです。
「呪術廻戦」の第1期旧OPや、「美少女戦士セーラームーン」の初期OPのように、物語の進み具合や主要キャラの増加に伴って絵が増えていくというのも、またいいものです。
これは、ちょっとした変化だからこそ、気付いたときに嬉しいのですよね。
戦隊シリーズでは、追加戦士や新ロボが登場すれば、逐一OPに追加されます。
それはそれでいいのですが、そういうことじゃないんですよ。
そっちは、ほぼ義務でやっていることですから。
おもちゃ会社がスポンサーで、新戦士や新ロボのおもちゃを売る以上、露出を求めるのは当たり前です。
もちろん、そういった新映像を見る楽しみもありますよ?
「戦闘メカ ザブングル」で、後半の主役メカ:ウォーカーギャリアが加わったOPでは、ラストにザブングルがアイアンギアーの前に降り立ったところで、ザブングルの更に前にギャリアが降り立つことで、新しい主役メカであることをアピールしていました。
ロボットアニメの番組途中で主役メカが変わるなんて前代未聞でしたから、それくらいアピールしていたわけです。
でも、そうではなく、例えば「不思議少女ナイルなトトメス」のOPのように、主人公が持っている手紙の宛名がその回の監督の名前だったりとか、そういうちょっとしたお遊びが楽しいのです。




