65 笑撃の最終回!?(宇宙戦士バルディオス)
世の中には、あっと驚く最終回が結構あります。
それはもう、悪い意味でも良くない意味でも。
「仮面ライダーディケイド」の最終回では、平成ライダー達が大挙して主人公ディケイドを襲ってくるというエンディングを迎えました。
割と味方っぽかったディエンドがディケイドの頭に銃を突き付けたところで終了。こんなのは、普通は「次回に続く」というシーンだから、テレビ局に苦情が殺到したらしいですね。“露骨な劇場版への誘導だ”って。
放送倫理協会からも、問題とされました。
実際には、劇場版に繋がってすらいなくて、本当にあれで終わりだったりします。
打ち切られたわけでもないのに、あんな終わり方ってあっていいんでしょうかね?
いやね、打切ならわかるんですよ。まぁ、しゃーない。
「蒼き流星SPTレイズナー」は、ある日突然打切がスタッフに通知され、話数的にその時制作中だった話の次で終わりとなりました。
そのため、制作中の話はそのまま終わらせ、単発で最終回を作ることに。
おかげで、レイズナーが敵SPTザカールにボロボロにされたところで終わった話の次が、いきなり半年後で強化改造されたレイズナーが飛び回っているところから始まります。
本来は、ザカールがオーバーヒートした隙にレイズナーがなんとか脱出し、新型にコンピュータシステムを載せ替えるという展開があったのです。
これはもう、どうしようもなかったので開き直った結末と言えましょう。
でも、予定どおりの放映話数でやれたなら、最終決戦省略しちゃダメです。
「仮面ライダー響鬼」も、最終回前話のラストシーンで、最強の敵を迎え撃つってやってたのに、最終回は、その戦いが終わった後の話になっています。
「仮面ライダー龍騎」最終回では、オーディンが「ファイナルベント!」と必殺技に入るために宙に浮いたところでAパートが終わり、Bパート頭では必殺技を食らった後の、吹っ飛ぶナイトのシーンから始まります。
全編通してここでしか使われていないオーディンの必殺技は、遂に見ることができませんでした。どういう演出意図だったら、こんなことできるんでしょうね?
打切ではありますが、「超人機メタルダー」最終回では、メタルダーの超重力エネルギー発生装置に傷が付いたことで、放っておくと地球ごと爆発するとか言い出します。
防ぐためには装置を完全に破壊するしかない。そうするとメタルダーは流星の姿にはなれなくなるとか。
意味がわかりません。
え、ネロス帝国って、下手に傷つけたら地球ごと爆発するような危険な奴を破壊しようとしてたわけ!?
「時空戦士スピルバン」の最終回もとんでもなかった。
母艦グランナスカは全エネルギーを使い果たして墜落、ワーラーの正体はパンドラ…いや、パンドラの正体がワーラーの操り人形だった、かな?
んで、戦いが終わってみると、クリン星は遥か未来の地球でしたとか、もう何が何やら。
え、スピルバンもワーラーも、普通に宇宙を旅してただけで、数千年も過去にタイムスリップしちゃったの!?
打ち切り作品だと、そりゃもうしっちゃかめっちゃかな最終回になることが多いわけですが、その中でも結構伝説的なのが「宇宙戦士バルディオス」でしょう。
放射能汚染により滅亡寸前のS-1星を捨てて移民船を率いて宇宙に乗り出したガットラー総統は、ガットラーの配下に父を殺されたマリンと戦闘になり、亜空間転移に失敗して、どことも知れない太陽系に到達した。
幸運にも、その太陽系には、S-1星人の生存に適した惑星:地球があり、ガットラーは地球人を排除して自分達が住もうと侵略を始める。
一方、地球に不時着したマリンを発見した地球軍の一部隊:ブルーフィクサーは、マリンを受け入れ、マリンの戦闘機を核として合体する亜空間戦闘も可能な巨大ロボ:バルディオスを作り上げ、S-1星軍を迎え撃つ。
という内容。
S-1星人であるマリンは、地球人との軋轢とか色々ありつつも、父の仇という点でガットラーへの怒りが勝っているわけで。
S-1星側は、完全に消耗戦なんだけど、それだけに地球を得なければ後がないわけだから、もう必死。
貴重な兵を消耗し、先細りになっていくS-1星側は、なりふり構わなくなっていって、攻撃が苛烈さを増していきます。
そんな中で迎えた最終回。
タイトルは「破滅への序曲(前編)」。
え!? 前編!?
ストーリーは、S-1星側が南北両極点にミサイルを撃ち込み、ブルーフィクサーの対応が遅かったために南極北極の氷が溶け出して世界中が洪水に見舞われるというもの。
大都市を飲み込む洪水のシーンで物語は終わります。
え、これ、最終回だよね? というのが、当時の素直な感想でした。
最終回なのに、「序曲」で「前編」なの?
これは、ロボットアニメ史上でも有数の打切最終回として伝説になっています。
鷹羽と同じように衝撃を受けた人が相当いたんでしょうね。
「バルディオス」、結構好きだったし、あの独特の閉塞感も重くて好きでした。
あの最終回を見て、なお嫌いになれないほど。
後で知ったんですが、「バルディオス」の打切は本当に突然決まって、「レイズナー」みたいな“とりあえず最終回”を作る余裕すらなかったらしいです。
全39話予定のうち、34話まで制作済みで、31話で終了が決定。
なんとかラストっぽく見えるのが、32話で放映予定の「破滅への序曲(前編)」だったので、31話になるはずだった「失われた惑星」を外して繰り上げた、と。
スカパーの放送では、実際に完成した34話まで全部流れるから、それは見たし、小説版も読んだしストーリーの構想とかも読みました。
いくら鷹羽が作品の中からの情報だけで判断したいタイプとは言っても、見終わった後で情報を集めることまで忌避はしない。
結局のところ、“S-1星は未来の地球だった”っていうのが結論になります。
S-1…つまり、太陽系第1惑星。
マリンとガットラーは、最初の亜空間飛行時の事故で、“知らないところ”に吹っ飛ばされたんじゃなくて、“過去”に飛ばされていたってわけです。
放映されなかった「失われた惑星」では、水星と金星が失われ、地球が第1惑星になってしまい、「破滅への序曲(前後編)」では、大洪水で陸地の面積や形も変わって。
実際、放映されなかった話の中で、S-1星=地球という推論が語られていたりもします。
だからこそ、本放送当時は、前編で終わらざるを得なかったようで。
そんなわけで、とんでもない終わり方でしたが、鷹羽は「バルディオス」が好きです。
あんな強烈な終わり方でも嫌いになってないのは、多分、作り手が真面目にやってたからじゃないかと思います。
29話「地球氷河期作戦」で、敵作戦基地を破壊するために爆弾抱えた戦闘機で体当たりすることになったデビッドは、最後の思い出にクインシュタイン博士との夜を求めます。
「鍵は開けておく」と言ったクインシュタインの私室の鍵が本当に開いていたことを確認したデビッドは、部屋には入らず、「地球のためには死ねない。だが、あなたのためになら死ねる」とつぶやいて出撃し、自爆して敵基地を破壊します。
なんか大人な展開ですね。当時小学生だった鷹羽は、クインシュタインがシャワーを浴びて待っていた理由がわかっていました。不思議だなぁ。
世の中には、「ドン・ドラキュラ」とか「小さなスーパーマン ガンバロン」みたいに、最終回らしきものすらなく終わっちゃったものもあるんですから、「バルディオス」はまだマシですね。
「忍者キャプター」では、突然打切が決まったために、たまたま敵のボスが出てきて小競り合いして帰るって話があったからそこで倒しちゃった、なんて超展開になっています。
「ガンバロン」では、「次回をお楽しみに」的なことを言って終わるけど、次回がありません。
うん、マシだ。
でも、「バルディオス」をラストまで見たいですねぇ。




