58 人の命は尽きるとも(水木一郎)
12月6日、水木一郎さんが亡くなりました。
「アニソンの帝王」とか「四天王」とか呼ばれる大物です。
代表作として挙げられるのは「マジンガーZ」で、50年前の歌ですが、ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズの影響もあって、若い世代でも知名度は高いようです。
鷹羽は「マジンガーZ」リアル世代ですので、それこそ水木ソングを聴きながら育ってきました。
あの独特の太さのある声が魅力です。
大学時代、バイト先のイベント屋さんの事務所に水木さんのLPアルバム(まだCDすらそんなに普及していなかった)があって、そのライナーノーツを読んだことがありました。
「マジンガーZ」の挿入歌「Zのテーマ」についての解説が印象的でした。
「Zのテーマ」は、鷹羽も大好きだった歌です。鷹羽にとっては、ED曲「ぼくらのマジンガーZ」よりも好きな歌でした。
「人の命は尽きるとも 不滅の力 マジンガーZ」という歌詞がカッコいいのですが、この歌詞についての逸話でした。
当時、水木さんに届いたファンレターの中に、難病の息子を持っていたお母さんからのものがあったそうです。
苦しい闘病生活の中、息子さんは「人の命は尽きるとも 不滅の力」という歌詞に力づけられ、レコードがすり切れるほど繰り返し聴いていた、と。
天に召されてはしまいましたが、最期まで病と闘い続けることができたのはこの歌のお陰だった、というお話でした。
自分の歌が誰かの支えになったなんて、とても嬉しいことだったのだろうと思います。
もう一つ印象深い解説があって、それは「バビル2世」のことでした。
主題歌「バビル2世」収録の日、喉の調子が悪くて声が出ず、急遽コーラスを入れることになって悔しかったそうです。
OP曲「バビル2世」を聴いてもらえば、むしろコーラスが主体になっていることがわかります。
アルバムには、ノンコーラスバージョンのOPも収録されていましたが、実際、声がだいぶ細かったです。
わかった上で聴くと、ノーマルバージョンのOPでも、コーラスに埋もれていることがわかります。
このアルバム、ノンコーラスバージョンの「バビル2世」のほか、「戦え! 仮面ライダーV3」も収録されていました。
実は、水木さんはテレビシリーズのウルトラマンの主題歌は1つも歌っていませんし、スーパー戦隊のOPも、富野アニメの主題歌も歌っていません。
仮面ライダーシリーズも、OPを歌っているのは「仮面ライダーX」「仮面ライダーストロンガー」「(新)仮面ライダー」だけです。
ですが、「V3」のOPには水木バージョンがあったのです。
「戦え! 仮面ライダーV3」には、水木一郎バージョンと子門真人バージョンが存在します。
実際にOPとして使われたのは主役を演じる宮内洋さんが歌っているバージョンですが、その収録前に水木さんが収録したり、歌唱指導したりしていたそうです。
ED「少年仮面ライダー隊の歌」は水木さんが歌っていますから、その辺も絡んでいるかもしれません。
宮内さんは、当初は水木さんにかなり反発したらしいのですが、その後、意気投合して飲み友達になったそうです。
ちなみに、水木版は「X」の劇場版「五人ライダー対キングダーク」で、子門版は「ストロンガー」最終回で流れています。
水木さんは、1986年放映の「時空戦士スピルバン」では、スピルバンの父ベン博士を演じました。
ベンは敵によってドクターバイオに改造されたため、主に回想シーンでの登場となり、出番自体は少なかったです。
イベントで「俺はスピルバン♪」と歌ったら、見に来ていた子供に「スピルバンのお父さんでしょ」と突っ込まれた、なんて話もありましたっけ。
水木さんは、主題歌を歌った作品に俳優・声優として出演することもあります。
前述の「スピルバン」のほか、「超人バロム・1」では、木戸松五郎を演じた砂川啓介さんが出演できなくなったことから、穴埋めとして新人新聞記者海野として出演しました。が、松五郎復活に伴い殺されて退場となりました。後に、水木さんがどこかでぼやいている記事を見た記憶があります。
OVA「破邪大星ダンガイオー」では、敵キャラのヨルド役で出演していました。
水木さんを語る上で外せないのが、1999年放映の「快進撃TVうたえモン」です。
毎週、子供世代と親世代それぞれの主題歌ランキングを放送しており、実際の歌手がステージで歌うという番組でした。
「おジャ魔女どれみ」のMAHO堂も出演していましたね。
この番組で、水木さんがランキング入りしたご自分の歌を歌う、という回が何回もあったのです。
この番組の中で「アニキ」という称号が生まれたはず。
また、「ゼ~~~~ッ!」と語尾を延ばすようになったのもこの番組からだったと思います。
元々は、かつての声が出なくなったため、「マジンガーZ」のラストを「ゼ~~~~ッ!」とやってごまかしたのを、しゃべりの時も語尾を延ばすことで統一したんじゃないかと思います。
この番組からの派生で、「24時間1000曲ライブ」などという恐ろしいイベントも行いました。
「マジンガーZ」で始まって「マジンガーZ」で終わるという狂気のイベントを、マッサージやら点滴やら受けながらやりきったのです。
1000曲の中には、「ちょんまげマーチ」という「おかあさんといっしょ」の曲なんかもありました。2代目うたのお兄さんですからね。まぁ、鷹羽は初代の田中星児さんの世代ですが。
水木さんの持ち歌には、その声も相俟って、心に沁みる歌詞が多いです。
「友よ 明日のない星と知っても やはり守って戦うのだ」(宇宙海賊キャプテンハーロック)
「立て!要塞ワンセブン 救える者はほかになし」(大鉄人ワンセブン)
「行く道ひとつ ただひとつ これが我らの生きる道」(アクマイザー3)
ひとつの時代を作った偉大なる歌い手のご冥福をお祈りします。
歌い手の命は尽きるとも 不滅の魅力…
ちなみに、「快進撃TVうたえモン」の司会だった今田耕司さんは、この番組で「ウルトラマンガイア」が何度も登場した縁で、「ガイア」46話に、新興宗教の教祖役でゲスト出演しています。
また、この番組で原典の歌手が出られない時に歌うZ-1というユニットも、1カットだけ「ガイア」に出ました。
教祖が吹き飛ばされた時に、「教祖様~~~!」と叫ぶだけの役でしたが、Z-1のメンバーには、若き日の上戸彩さんがいたりするのです。




