55 ルパン。俺はそろそろずらかるぜ。あばよ。(小林清志さん追悼)
「ルパン三世」次元大介役だった小林清志さんが亡くなりました。
去年、次元役を大塚明夫さんに交代したばかりでした。
交代についてのインタビューで、「なんとかかじりついていたかったが無理だった」と仰っていましたが、その言葉どおり、交代して1年経たないうちに鬼籍に入るとは、本当にギリギリまでやってらしたんだなぁと思わずにいられません。
小林さんのお仕事は、ここ2年くらいだと、次元の他は「ポツンと一軒家」「警察24時」くらいしか思いつきませんが、それらも交代されてましたよね。
実際、滑舌も声量も、見る影もないという表現がぴったりなほど衰えて、聞いていて痛々しいほどでしたから、「もう限界」という気持ちが理解できました。
すっごくメジャーな方なのに、「何の役をやってた人?」と訊かれると答えに詰まる人が多いのではないでしょうか。
なにしろ、次元が大きすぎますから。
鷹羽がパッと思いつくところだと
「妖怪人間ベム」 ベム
「機動戦士ガンダム0083」 エギーユ・デラーズ
「スペクトルマン」 宇宙猿人ゴリ
「勇者王ガオガイガー」 ナレーション
くらいでしょうか。
あと、顔出しで、「超人バロム・1」の木戸猛の父くらい?
あ、「装甲騎兵ボトムズ」のOVAで、「見てのとおりです。キリコは死にません!」って言ってたのは、小林さんでした。
きっと、もっともっとやってるはずなのに、パッと出てきません。
うん、ナレーション系も多かったんだろうな。
落ち着いた大人の役が多かったという印象ですね。
パッと出ませんけど。
「ルパン三世」のレギュラーメンバーの中で、最後まで残っていたオリジナルメンバーが、次元=小林さんでした。
1人、また1人と交代していく中で、ただ1人残っていましたが、やっぱり晩年は衰えが目立ってきていて。
時の流れの残酷さを感じずにはいられませんでした。
元々、鷹羽は、ルパンシリーズは1977年の「新ルパン三世」から見たクチで、「ルパン三世」といえばドタバタコメディという印象で見ていました。
次元は、時にコメディチックな行動もあったものの、概してハードボイルドでシリアスなキャラという印象でした。
小林さんが最後に次元を演じたのは、2021年10月放映開始の「ルパン三世パート6」の第0話。
勇退の花道として、次元主役の回でした。
最近はウイスキーの味もわからない若造が多いと嘆き、射線を予測して避けるAIを跳弾で翻弄するという渋いおじさんでやってくれました。
また名優が1人、世界から消えました。
ご冥福をお祈りします。




