45 コメディとシリアスのせめぎ合い(シティハンター)
たこす様のリクエストです。
ただ、シティハンターじゃない話題が結構あります(^^;)
「シティハンター」は、1985年から1991年まで週刊少年ジャンプで連載され、何度かテレビアニメ化もされた漫画です。
作者の北条司氏は、同じくジャンプ漫画でアニメ化もされた「キャッツアイ」の作者さんですね。
そして、元々「シティハンター」は、「キャッツアイ」のスピンオフ的作品でした。
「キャッツアイ」のレギュラーキャラだった怪盗ねずみ(神谷真人)を元に造形したキャラなんですよね。
ねずみこと神谷は、当初キャッツアイのライバル的泥棒として登場し、後に協力者となっていくキャラです。
ハンサムでありながら軽薄でいつもヘラヘラしていて、そのくせいざ泥棒となると顔つきが変わり、とんでもない凄腕で。
そんなキャラを基に、別人として造形されたのが冴羽獠でした。
「シティハンター」は、最初は読切として描かれた作品で、そこには「キャッツアイ」の主要な舞台である「喫茶キャッツアイ」と、「若夫婦」と呼ばれる店主夫婦が登場します。当然、まだ連載中だった「キャッツアイ」の主人公:来生瞳と、恋人の内海俊夫が結婚したという未来図です(実際にはそうはならなかったのだけれど)。
読切版では、シティハンターに仕事を依頼するには、JR(当時は国鉄)新宿駅東口の伝言板に「清掃人求む」と書くことになっていたため、駅という駅の伝言板に「清掃人求む」という求人情報みたいないたずら書きが発生しました。
そのせいか、連載版では「XYZ…」に変更されたのですが、やはり駅の伝言板は「XYZ…」であふれかえりました。今では伝言板なんて置いてませんし、若い人には想像付きにくいでしょうね。
獠が使う銃は、コルトパイソン357です。「キャッツアイ」に登場する平野という刑事が持っている銃であり、「シティハンター」作中で獠が「刑事がマグナムなど持つかよ」と言ったことから、“作者自ら前作を否定した!”と言われました。
まぁ、刑事がマグナム持つのなんて、漫画やドラマでは普通ですしね。
漫画・アニメに登場する銃としては、ルパン三世のワルサーP38、次元大介のコンバットマグナムが有名ですが、鷹羽は世代的に青ジャケットの「ルパン三世」は見ておらず、赤ジャケットの「新ルパン三世」の前にジャンプ漫画「ドーベルマン刑事」を読んだため、マグナムというと、ニュースーパーブラックホークの方が印象的です。
主人公加納が革ジャンの胸元から銃身のバカ長い銃を抜きだし、「ドッゴーン!」と撃って犯人の手首を千切り飛ばしたりする姿にシビれました。
あと、銃というと、モーゼルM1932ですね。
これは、1979年に週刊少年チャンピオンに連載されていた「アリサ!」という漫画で、主人公のアリサが使っていた銃です。
普通のオートマチック銃は、握りの中に弾倉がありますが、モーゼルは弾倉が引き金より前にあり、かなり独特の形状をしています。
ノーマルの弾倉は10発入りで、それでも普通の銃より多いのですが、20発入りのロングマガジンを付けることができ、フルオートにするとマシンガンのようにガガガ…と撃てるというのが特色でした。
鷹羽は、同型別名義であるM712のモデルガンキットを買ったり、ガスガンを買ったりと、かなりのお気に入りでした。
同じモーゼルでもM1932、M712以外だと、弾倉が抜けず、本体の上から弾丸を詰め込んで補充するという方式で、ロングマガジンは使えないようです。
「アリサ!」では、モーゼルをホルスターごと異空間に隠していて、必要な時に取り出すということをしていたのですが、途中で異空間に入ったまま取り出せなくなってしまい、以降、鷹羽はこの漫画に対して急速に興味を失ってしまいました。
鷹羽は、格ゲーなどで、「もいっちょ」「だめ押し」と言いながら攻撃する癖があるのですが、その大元は「アリサ!」で、アリサが手榴弾を次々放り込んでいったシーンでの台詞だったり。それくらい好きだったんだけどなぁ。
ちなみに、「スターウォーズ」でハン・ソロが使っているブラスターは、モーゼルのモデルガンの改造のようです。
盛大に脇道に逸れてしまいました。
「シティハンター」は、普段はコミカルな言動をする獠が、いざとなるとキリリと決めるのが魅力の作品でした。
一方で、「もっこり」とか100tハンマーとか尻切れトンボが飛んでいくとか、コメディタッチの部分の印象が強い作品でもあります。
少年漫画で「もっこり」とか「一発」とか、そういった下品な単語をコメディタッチで使ったというのは、間違いなくこの作品の功罪の1つです。なにせアニメでまで言ってたんですから。アニメを見た、何も知らない子供に「もっこり」なんて単語を覚えさせたんですからねぇ。まぁ、「もっこり」という単語を頻発したのは、同じジャンプ漫画の「シェイプアップ乱」が先ですけれど。
作品としては、コメディ部分とシリアス部分の落差の大きさが魅力でもありました。
“普段おちゃらけていても、やる時はやる”獠のキャラをメインに置いた作劇で、回を追うごとにシリアス時の絵が劇画調に細かくなり、獠の目元に男の色気を感じたものです。
ストーリー的には、ジャンプという媒体のせいもあって、戦略的なものではなく獠の格闘技術、射撃の腕によって状況を打破するタイプの造りでしたが、それがカタルシスを生んでいたわけですから、フォーマットがジャンプという雑誌に合っていたのでしょう。
基本的に1エピソード完結型で、レギュラーキャラ以外は使い捨てで再登場しないんですが、何人かレギュラー入りしたキャラもいました。
特に、後半では割とメインキャラになっていた海坊主=ファルコンは、多分、初登場時には1回限りのつもりだったのではないかと思います。
元々は、海坊主が受けた仕事のターゲットを救うため、獠が海坊主になりすますというネタで、海坊主と依頼人の待ち合わせ場所を変更したのです。その変更というのが、たしか海坊主がリカちゃん人形を持ってハチ公に跨がって待つというものでした。強面のグラサンハゲが人形持ってハチ公に跨がるというひどい絵面にするために設定した風貌だったんだと思います。絶対後でシリアスなキャラにするつもりなんかなかったはず。
多分、見た目と名前、凄腕という設定から、他のキャラを考えるのが面倒で再登場になったんじゃないかと踏んでいます。
最終的には、獠との因縁のあるキャラになり、美人の押し掛け女房までいるおいしいキャラになっていきましたっけ。
アニメの方も、OPの「愛よ消えないで」やEDの「GetWild」の両方ともヒットしてましたね。
OPとEDを違う人が歌っていて、どちらもヒットするというのは、初めてだったんじゃないかと思います。
OPを歌っていた小比類巻かほるさんは、その前にOVA「ガルフォース」の「両手いっぱいのジョニー」とか、「結婚物語」の「HOLD ON ME」なんかを歌っていて、鷹羽は注目していたんですよね。
「ガルフォース」は、中身は随分困ったちゃんでしたが、歌(「両手いっぱいのジョニー」と「素顔のスパイたち」)は好きでした。
「結婚物語」は、新井素子さんの小説(作者本人の結婚をネタにしている)のドラマ化で、主人公の陽子を沢口靖子さんが演じていましたね。原作では、旦那さんは正彦なのに「たーさん」と呼ばれています。これ、多分、リアルの旦那さんの名前が「た」から始まっているんでしょうね、ドラマでは素直に「まーさん」と呼ばれていました。




