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26 白に還りし地図に刻む千の旅路の最初の一歩、百の冒険の最初の一つ(マップス)その2

 「マップス」の第2回です。

 今回は、「マップス」の骨子である勇者ダイナックの伝説と伝承族の秘密について語ろうと思います。


 まず最初に、勇者ダイナックと伝承族について。

 伝承族は、古くから銀河にいる謎の連中です。ちょっとした天体サイズの、人の頭部のような外見で、強力な念動力や幻覚を見せるといった超能力を持っています。

 気まぐれに星を滅ぼしたりする、はた迷惑な存在ですが、正面切って敵対するには強すぎる。そんな奴らです。普段はあまり姿を見せないので、実害が少ないとも言います。


 この世界にあって、銀河は大きく2つの領域に分かれています。

 1つは“テュリオム通商圏”といって、数千の星間国家からなり、通商や安全保障などの取り決めがなされている集団。地球で考えると、国連に所属している国のようなものです。

 当初、主人公のゲンが所属していたのは、こちらです。

 もう1つは、“未確認宙域”。

 これは、テュリオム通商圏から見た時に“確認されていない”という意味で、実際には、テュリオム通商圏と同等程度の文明と規模を持つ集団です。互いに干渉がなかったので、知らない連中ということになります。地球で喩えると、ユーラシア大陸とアメリカ大陸で個別に国連があり、両大陸間では行き来がない状態です。お互い、誰かが住んでいて国家規模であることはなんとなくわかっているのに、細かいことは全く知らない同士です。


 勇者ダイナックは、銀河全域に伝説として伝わる“銀河を束ね孵す者”です。

 いつか現れて、“十の魔物”と“七つの軍団”を率いて銀河を1つに束ね、伝承族を倒してくれる存在です。

 ゲンが自らをダイナックであると称した時、諸手を挙げて歓迎されたのは、ダイナックが待ち望まれた存在だったからでした。


 そして、これがこの作品のすごいところです。

 “勇者ダイナックの伝説”は、そもそも伝承族によって意図的に広められた“数十億年かけて用意された罠”なのです。

 長い連載の間に、何度となくどんでん返しがありましたが、伝承族には、伝承族自身すら知らない秘密があります。

 先に答えを書いてしまいます。

 “全ては、神帝ブゥアーが全宇宙の記録を取り続けるための計画”だったのです。

 ブゥアーは、遙かな昔、滅び掛けていた銀河に住むある宇宙人が、自分たちの宇宙を記録するために作った生体コンピュータでした。

 ブゥアーを作った宇宙人は、今後も全ての銀河の誕生から滅亡までを記録し続けるよう命じてブゥアーを送り出し、銀河ごと滅びました。

 ブゥアーは、命令に従い、行き着いた先の銀河を記録し続けます。ですが、それはあまりに膨大な情報量でした。

 やがて記録した銀河の数が12兆を超え、このままでは近い将来、情報の保持に必要なエネルギー量が賄いきれなくなる、という状況に陥りました。

 そこでブゥアーは、解決策を模索する中、“ある程度まで観察した銀河は、その後、それまでのデータから予測されるとおりに発展し滅亡する”という事実に行き着きます。

 つまり、“ある程度まで観察が終われば、その銀河を滅ぼしてエネルギーに変えても問題ない”ことに気付いたのです。

 その後、“最も効果的なエネルギー生成方法”として確立されたのが、“銀河生贄砲(いけにえほう)”でした。

 銀河に住む全ての生物を一瞬にして全滅させ、その時発せられる断末魔の精神波をエネルギーに変換することで、ブゥアーは稼動エネルギーを確保するようになったのです。

 ブゥアーは、その作業のための手足として、“伝承族”を作り出しました。

 適当な生物に“伝承族の遺伝子”を注入すると、やがてその生物は伝承族となります。

 彼らは、“銀河系外の敵対種族と戦う”という偽の目的をすり込まれていて銀河生贄砲計画のために奔走し、銀河を滅ぼした後は、ブゥアーに取り込まれ、その脳細胞をブゥアーの記憶素子の一部として利用されるのです。

 伝承族は、“銀河障壁”というバリアを張って、誰も銀河の外に逃げられないように閉じ込めます。

 そして、救世主の伝説を流布し、救世主に祭り上げられる存在を用意し、銀河を一つにまとめて戦いを挑んできたところで、救世主を潰し、絶望に沈んだ銀河の民を全滅させます。

 希望に満ちた瞬間に砕くと最も絶望が深くなる=断末魔のエネルギーが大きくなるから。


 ブゥアーは、50億年ほど前に、地球のあるこの銀河にやってきて、銀河中に生物が生息するようばらまき(ヒューマノイドタイプの宇宙人が多いのは、ばらまいたのがヒューマノイドタイプだったから)、勇者ダイナックの伝説を流します。

 そして、収穫の時期を待っていたのです。


 ここで、ブゥアーの計算外のことが2つありました。

 1つは、伝承族の中に、ブゥアーの計画の真実を知って反逆を企てた者が出たこと。

 もう1つは、勇者ダイナックに選ばれた十鬼島ゲンが、勇者であろうとしなかったこと。


 まず、1つめです。

 反逆者は、銀河に生物をばらまくために作られたリープタイプの頭脳体(ビメイダー)1体(ラドウ)に、生体細胞として伝承族の遺伝子を使用し、反逆のための武器としました。

 リープタイプのビメイダーは、コアと呼ばれるコンピュータを脳として、金属骨格を生体細胞で覆うという造りになっていますが、その生体細胞に伝承族の遺伝子を使用したわけです。人格部分はコンピュータが司るので、伝承族の遺伝子の影響を受けないまま、強力な伝承族の超能力だけを使えます。

 伝承族は、その巨体ゆえに脳内電流の伝達が遅いため、予め未来を予測し、それに従って動くよう自分をプログラムして動きます。そのため、突発事態に対応できません。そこに、同じ能力を持ちながら、人間サイズの反射速度を持つリープタイプをぶつければ勝てる、という戦略でした。

 反逆の武器として作られたラドウは、強力な念動力と異常なまでに強力な再生能力を得ました。ラドウは、機体を何もないところから数秒で完成させることができ、頭脳体ですらほとんど無敵の再生力を持っています。ラドウの頭脳体を破壊するには、宇宙船1機分のエネルギーを一撃でぶつける必要があるそうです。

 ですが、この計画はブゥアーにバレてしまい、失敗に終わりました。

 10万機のリープタイプも、雑用の6機とニードルコレクション5機の二組を残して廃棄処分とされてしまいます。

 しかし、偶然にも、ラドウは11機の中に残りました。

 後に、同様にブゥアーの目的を知ったガタリオンら反乱分子が現れてラドウを手中に収め、ブゥアー乗っ取り(ブゥアーの基本プログラムを書き替え、ガタリオンらの意識を優先プログラムとして書き込む)という計画を始動させました。

 こちらは、紆余曲折を経て、最終的に1万機のラドウ機でブゥアーを操作することに成功します。

 ちなみに、反乱軍の目的は、自分の自我を保ったままブゥアーを操ることであり、この銀河を生贄砲で滅ぼすことに変わりありません。


 そして、2つめ。

 ゲンは、伝承族の予測を超えていました。

 勇者を演じながらも、結局は自分の気持ちを優先させる存在だったのです。

 例えば円卓防衛戦…1年後に銀河を滅ぼすとブゥアーが宣言した時。

 その時、テュリオム通商圏連合軍は、円卓=地球を破壊することで伝説の成就を遅らせるため、未確認宙域連合軍は地球を守るため、それぞれ地球近くまでやってきて睨み合いになりました。さらには伝承族の反乱軍も地球を破壊すべくラドウを送り込んできます。

 この時、勇者として正しい行動は、一刻も早く地球に駆けつけて守ること。

 でも、ゲンは、当時、ダード・ライ・ラグンに攫われていたリプミラを助けることを優先し、地球に向かいませんでした。

 仕方なく、ザザーン、シアン、リム達は、ゲンを置いて地球に急行します。

 本来なら、ゲンは円卓防衛戦に間に合わなくなるところですが、ダードが作ってくれたブラックホール・ハイウェイのお陰でなんとか間に合いました。

 結局、ゲンと共にやってきたリプミラとダインがラドウを退けたため、地球は守られました。

 後にリングロド(メタル・ビーチ)が解説したところによると、勇者として正しい行動はリプミラを見捨てて直ちに地球に来ることだったが、それではリプミラとダインがいないのでラドウに勝てなかった。計算なしで動き、勇者として正しくない行動を取ることこそが、ゲンの強みなのです。

 ゲンはリプミラを助けた時、どうして助けに来たのかと訊かれて、「想像してみたんだ。リプミラのいない宇宙を救った俺は、ひどく後悔していた」と答えています。大のために小を捨てるのではなく、救いたいもの全てを救うべくあがくことが、ゲンの行動指針なのです。

 “勇者の行いは、正しいが故に予想しやすい”という伝承族の計算は、ここで狂うことになります。


 ゲン自身は、リングロドによって、ブゥアーの目的を知らされていました。

 それでも、ブゥアーに勝つには、伝説に従ってダイナックが十の魔物を集め銀河をまとめるしかないと考え、伝説の勇者を演じます。

 自ら伝説の魔物となるべく集った十の魔物(仲間)を従えたゲンは、伝説を超えた何かを探し始めました。


 その答えとなったのが、未確認宙域に伝わる“タオアシンの予言”でした。予知能力者やコンピュータを総動員して作り上げられた“伝承族によらない伝説”です。

 “タオアシンの予言”は、解読が不完全ではあるものの、勇者ダイナックの姿がダードの機体で描かれ、“第8の軍団”の存在が謳われていました。


 「それは既にあるが、まだ見えていない。だが十の翼そろいし時、千の翼集いきて、姿見えざる者と見えし者とを結ぶ。千の翼は千の千倍の見えざる者を動かし、千の千倍の見えざる者は、その千倍の軍団をめざめさせる」


という予言のとおり、リプミラ・シアン・リムと、死んだレインとダインのデータの残滓から新たに生まれたレニーとデニー、ゲン側に寝返ったニードルコレクション5機は、数千年かけて廃棄作業中だったリープタイプ十万機を解放させました。

 元々ニードルコレクションは、リープタイプ10万機を人質にされて伝承族に従っていたので、ゲンが彼女らを助けてくれるなら、味方になるわけです。

 この頃リプミラは、ニードルコレクションのゼル・ルゼの力でここ数年の記憶を消去されてゲンと知り合う前に戻り、しかも前の主カリオンを殺したのはゲンだと吹き込まれていました。ゲンは、記憶を消される前にリプミラが残しておいたバックアップデータをリプミラに渡すべく奮闘し、最終的にリプミラの信頼を勝ち取りバックアップデータを取り込ませることに成功するのです。

 逃亡ビメイダー集団の長であるオルシスは、この過程を見ていて、合成人間(ビメイダー)であるリプミラを自然発生人と同様に見なしているゲンの考え方に希望を見出し、第8軍として名乗りを上げます。

 そして、「我らを“見えぬ”と言うなら、この戦いでまぶたに焼き付けてやろう。我らに“心”があることを──賭ける“命”があることを、教えてやろうではないか!」と檄を飛ばし、銀河連合軍の中でくすぶっていたビメイダー達の士気を上げたのです。こうして、道具として戦いに参加していたビメイダーは、自らのために戦うこととなり、実質的な戦力がアップしました。


 そして、伝説にない第8軍を揃えた銀河連合軍、1万機のラドウを擁してブゥアー乗っ取りを果たした伝承族反乱軍との戦いの中で、ゲンはダードから託されたその機体を駆り、リプミラと共に最終決戦に挑みます。

 この時点で、ブゥアーは分子間距離を広げることで拡大し、銀河を覆い尽くすほどの巨体になっています。ブゥアー内部に入ったゲン達も一緒に巨大化しています。

 ガタリオンらからの圧縮データによる攻撃を避けるため、ゲンは3枚の星図のデータを空になるまで放出してバリアとなし、ブゥアーを銀河の外で自爆するよう脳波コマンドを入力しました。これで、ガタリオン達反乱分子は、自我を維持できなくなり消滅します。

 そして、“絶対に正しく、必ず勝つガタリオンに道具として選ばれた”という存在意義を喪ったジェンド・ラドウは、リプミラへの恨みだけで挑んできますが、リプミラはこれも降します。ラドウもまた“命”というもう一つのテーマの体現者でした。

 そして、全てを終え、動くのも難しいほど疲弊した2人に、ずっと解読作業が続いていたタオアシンの予言の続きが示されました。


 “十の翼そろいし時、千の翼集いきて、姿見えざる者と見えし者とを結ぶ。

  千の翼は千の千倍の見えざる者を動かし、千の千倍の見えざる者は、その千倍の軍団をめざめさせる。

  されど、白に還りし地図に刻む千の旅路の最初の一歩、百の冒険の最初の一つ”


 銀河の命運を懸けた戦いも、これからゲン達が挑む冒険の旅のはじまりでしかないのだと。

 結局、公式記録においては、勇者ダイナックは先行しすぎて行方不明、銀河を守ったのは連合軍である、という形で決着し、ゲンは勇者として名を残しませんでした。

 勇者であることを辞め、再びただの旅人に戻ったゲン達は、また一から旅を始めるのです。


 本編最終話は、5千万光年彼方に放り出されて帰ってこられないはずのゲンとリプミラが、地球に残していた星見を迎えに来た…“見つめ合うゲンと星見”と思われるシルエットで幕を閉じます。

 徹底してゲンもリプミラもリプミラ号も映りません。ラストの見開きページに映っているのは、宇宙を飛ぶリプミラ号と、そのコクピットにいるゲンとリプミラ…読者に向けた連載終了の挨拶です。2人はちゃんと生きているよ、と。そこに星見はいません。

 でも、星見を訪ねて帰るガッハが、空に何かを見て星見を呼ぼうとして、やめて帰る…同じく星見を訪ねてきたツキメを「野暮はいけねえ」と行かせないことで、ゲンとリプミラが星見を迎えに来たことを示唆しているわけです。上手い!

 エイブらほかの仲間には姿を見せず、ゲンとリプミラと星見の3人だけでどこかに旅立った(らしい)というエンディングは、“少年が、たまたま手に入れた宇宙船に乗って旅立つ”という、1~2話の再現でもありました。


 10年掛けた連載の結末が、銀河を救った勇者の物語のラストが、“ただの旅人に戻る”だったのは、決して手抜きでも“振り出しに戻る”でもありません。

 全てを乗り越えて成長した彼らが、それでも“自分はこうありたい”と願うものになったのです。

 彼らの行く先には、“千の旅路”と“百の冒険”が待っているのですから。


 銀河の存亡どころか、何兆もの銀河の終焉を描くほどの大風呂敷を広げ、それを綺麗に畳んでみせた。

 「マップス」というのは、そんな理想的な連載漫画でした。

ゲンとリプミラが帰ってこられた理由

 外伝において、数百年後によその銀河で目覚めたゲン達が、その銀河のどこかに隠されているタイムマシンの存在を知るという展開があるので、おそらくそれを発見して戻ってきたものと思われる。

 ただ、そんな外伝(もの)がなくても“あいつらならきっと何とかしちゃったんだろうなぁ”と思えるのが、彼らのすごいところ。

 その外伝においても、数百隻の艦隊を敵に回しての戦闘中、戦力比較して「7対3で我々の負けだな」「それをひっくり返せばいいのか。いつもに比べると随分楽だな」という会話がある。まったく非常識な主人公である。



“命”というもう一つのテーマ

 「マップス」において、合成人間(ビメイダー)は生物ではなく「その方が使い勝手が良いから人間の形をしているだけの道具」と見なされている。ゆえに人権はなく、戦死者の数にも入らない。

 作中では、“命”に対するスタンスが3つ示されている。

 リプミラ、ラドウ、ダードである。

 リプミラは、カリオンを喪った後、“いつ終わってもいい旅”として、風巻く光を探していたが、ゲンと出会ったことで、ゲンと共にあるために“死にたくない”と考えるようになった。リプミラは、その気持ちを“これがリプミラ・グァイスの命なのだ”と考えている。この“死にたくない”という思いを持ちつつ突撃戦法を取れることが彼女の強さであり、ダードをして「兵器でないお前達が兵器である私を超えたのだ」と意識改革させたのである。

 ラドウは、最初からの記憶を持っていたため、“自分は何のために作られた道具か”という存在意義に揺れていた。

 おそらくカリオンを慕っていたと思われるが、彼が選んだのがリプミラだったことで、リプミラに対して歪んだ憎しみを持つようになった。一方で、ガタリオンから“唯一絶対の道具”として選ばれたことで、ガタリオンの道具として動くことに喜びを感じるようになる。異常なまでに再生能力の優れた合成人間(ビメイダー)なので、記憶のバックアップさえあればすぐに復活でき、“自分は死なない”というのが思考の背景にある。幽霊船編での敗北も、円卓防衛戦での敗北も、“作戦の一環”であり、予定されていた動きの1つに過ぎない。本来なら、その後、数兆年にわたり、ガタリオン達の命ずるままブゥアーを操るはずだった。

 だが、ガタリオン達の意識が消されてしまったことで、そのバックボーンが消失すると、残っていたのはリプミラに対する憎しみだけだった。それゆえに敗北し、「だから言ったじゃないの。命ある者は必ず滅びるって。こんなもの、私は欲しくなかった」という言葉を残して倒れることになった。

 ダードについては、「その3」で語ることにする。




十の魔物

 伝説に謳われる“勇者ダイナックを助けて戦う力ある者”で、うち7人が大軍団を率いている。

 ゲンは、敢えて“選ばれし者”ではなく“自ら立った者”を十の魔物とするべく、円卓(テーブル)と転移装置だけを用意した。

 以下、名乗りをあげた順に紹介する。


・リプミラ・グァイス

 勇者ダイナックの乗機:リプミラ号の頭脳体。最終決戦では、真っ先に機体を破壊され、地球製のコピー機体で戦う。そのため、終盤までゲンと別行動だった。


・ミンにょろ・にゅぐ・かーみゃこす(ツキメ)

 高重力惑星ジャンバの王子。第1軍:ジャンバの勇士達を率いる。動力を必要としない怪力がウリ。


・ザザーン・クロマミス

 惑星ドドーの士官。第2軍(ドドーの機甲師団)を率いる。軍隊を指揮する能力に優れるため、連合軍大将軍として、後方で総指揮を執る。


・ガッハ・カラカラ

 カミオ星人の商人。第3軍(ガッハ商会)を率いる。銀河生贄砲計画に向かないケイ素生物であるため虐げられてきたが、ゲンとの和解を経て1人の人間として銀河のために立った。

 決戦時、彼の檄が連合軍の崩壊を防いだという功労者。

 「痛えと思う奴が銀河なんだ! 戦いが終わった時、息してる奴が1人でもいりゃ俺達の勝ちだ!」


・ガドリジン・ローム・ラム・ヘクススキー

 未確認宙域にあるマド学院の学長。いわゆるマッドサイエンティスト。第4軍(マド学院の教授陣)を率いる。自分自身に伝承族の遺伝子を注入することで伝承族の記憶を手に入れ、ブゥアーを自滅させる脳波コマンドの入力方法を確立した。その後、伝承族の遺伝子に冒された自分の肉体を廃棄=死んだが、記憶は予めコンピュータに入れておいたので、後に回収され、「キャプテン・フューチャー」のサイモン教授みたいなロボットになって生きている。


・シスター・プテリス

 未確認宙域からやってきた植物生命体。治療能力に優れた第5軍(植物型宇宙人)を率いる。タオアシンの予言を持ってきてくれたのは彼女である。


・キャプテン・ヒィ

 銀河先住民族で、第6軍(光破船団)を率いる。彼らの船は、一番威力の小さい武器でも一撃で惑星を破壊できるほどであり、連合軍の船の中でもトップクラスの攻撃力を持っている。

 人間の姿をしているが、本来はエネルギー生命体。50億年前、伝承族に対抗するために人間型のボディと戦闘用宇宙船を作った。本当の名前は“始まりの者”。結局、単機で伝承族と戦って敗れ、伝承族アマニ・オーダックの戦艦コレクションとなった。50億年間も囚らわれていたが、円卓防衛戦において、シアンの意識に触れたことで覚醒した。

 その後、光破船団を復活させるために死亡したが、そのボディには弟である“終わりの者”が入り、シアン以外の誰にも代替わりを知られることなくキャプテン・ヒィとして戦った。


・メタル・ビーチ(リングロド)

 銀河障壁の外側にある小惑星…と思ったら、生物だった。

 実は、前の銀河にいた頃の伝承族の生き残りで、妻と子を喪った悲しみで精神に変調を来していたためブゥアーに取り込まれることなくこの銀河にやってきた。

 ラドウがゲンを殺すのにリングロドごと爆破しようとしたため、全身の大部分を喪い、そのお陰で正気に戻った。ガッハ商会の手により、空母機能を持たせたサイボーグ衛星に改造されている。

 円卓防衛戦において、アマニを倒すために月を壊してしまったため、最終決戦の準備に入るまでは月の代わりに月軌道を回っていた。

 最終決戦終結時、連合軍を脱出させるため、念動力を振り絞って異層空間湾曲装置を稼働させ、力尽きて死亡した。


・君塚星見

 わけもわからずリプミラに対抗して円卓に立ったため、十の魔物になってしまった。

 特に能力があるわけではない自分が役に立つ方法を考えた末、人質として地球に残ることを選択。ゲンが負けたら死ぬので、星見を死なせないためにゲンは勝たなければならない、というプレッシャー担当。


・ニュウ・エイブ

 秘密結社スペースパトロール提督。第7軍(スペースパトロール)を率いる。

 特殊な超能力を持っている。

 ゲンの近くにいるといつも死にそうな目に遭うので、提督になって後方にいようと思っていたが、運悪く最終決戦勃発時にリプミラの近くにいたため、がっつり最前線で戦う羽目になった。「わたしゃ、最終決戦の時、ここにいたくなくて提督になったんですがねえ」

 実は、この時エイブがリプミラのコアを救い出していなければ、銀河は滅んでいたほどの功労者である。また、頭脳体とはいえ、ラドウ3人を蹴散らして地球製リプミラ号のドックまで無事リプミラを連れて行くことに成功したほどの強者でもある。

 ゲンとリプミラが合流した後、「勇者なんかいなかった」「私達は、元々そうだったものに戻るだけさ」というゲン達の言付けを預かって本隊に帰還する。

 「いざという時に頼りになる男!ニュウ・エイブ!ニュウ・エイブをよろしく!」


伝説にない第8軍

・オルシス

 幾多の星系から逃亡してきた合成人間(ビメイダー)達をまとめあげた集団の長。第8軍(逃亡ビメイダーの集団)を率いる。

 元は、逃亡元の星を破壊してくれたダードをビメイダーの救世主であると信じて付き従っていたが、ダードの本心を知って離脱、以後、銀河を放浪していた。

 記憶データを消去されたリプミラをゲンが元に戻したのを見て、自然発生人(ナチュラリアン)合成人間(ビメイダー)の間にも信頼関係が生まれうることを知り、そこに希望を見出して連合軍に加わる。

 元々タオアシンの予言のことも知っており、「第8軍」と名乗ったのはそのためと思われる。

 結局、ブゥアーを倒してもビメイダーに人権は認められなかったため、再び放浪の旅に出ることにしたが、希望は捨てていない。その希望は、かつてゲンがリプミラをダードから救い出した際に背負って走っていた姿から生まれている。

 当たり前のように、自然発生人()合成人間(道具)を背負ってやっているというのは、彼女の中では衝撃だったのだろう。

 部下が友から別れの品をもらったと聞き、「自然発生人か?合成人間か?」と尋ねたところ、「さあ…聞きませんでした」と言われたことで、既に希望の萌芽はあるとの思いを強くして旅立った。

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