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16 解けるわけないと思います(ふたりはプリキュア)

 のっけからウルトラマンネタですが、今回はウルトラマンのお話ではありません(^^;)

 「時差」という言葉を初めて知ったのって、いつごろですか?

 鷹羽は、9歳の時でした。

 再放送の「ウルトラマン」最終話で、パリの科特隊本部から日本支部に円盤群襲来の連絡が来ます。その際、「グリニッジ標準時間で零時24分」と言われたムラマツキャップが壁の時計を見て「日本時間だと…あと40分しかない」と言ったのです。

 その時、時計は8時50分を指していたので、“日本時間はグリニッジ標準時間より9時間早い”というのが印象に残りました。




 こんな風に、鷹羽の雑学には、アニメや特撮から得たものが少なくありません。

 この話ですごいのは、子供番組である「ウルトラマン」に、何の説明もなく「グリニッジ標準時間」という単語が入っていることです。

 脚本家が大人だったというべきなのでしょうね。もちろん、大事なのは“40分後に円盤群がやってくる”ということなので、言葉の意味なんかわからなくてちっとも困らないのですが。

 ともかく、この時代の子供番組では、言葉遣いなどは大人向けと遜色なかったのではないかと思うのです。

 以前、「電子戦隊デンジマン」で、「夜分に失礼と存じますが」と声を掛けていて驚いた、なんて意見を聞いたことがあります。

 “子供番組だからって、言葉遣いまで簡単にすることはない”と思っていたのか、ついうっかり普通に書いちゃったのかは知りませんが、こういうので印象に残ると自分で調べて覚えるなんてこともありますから、生きた経験になるんじゃないかな~、と思います。




 ちょっと毛色が違いますが、子供にはわからないんじゃないかなと思うような演出というのもあります。


 2001年放送の「も~っと!おジャ魔女どれみ」というアニメがあります。今のプリキュアの枠ですね。

 「おジャ魔女どれみ」シリーズは1999年から4年間にわたって放送された4作品で、「も~っと!」は3作目に当たります。

 東堂いづみ原作となっていますが、東堂いづみというのは東映動画オリジナルの女児向け作品に共通する架空の人物である、というのは有名ですね。

 「どれみ」シリーズには、魔法が添え物程度になっているエピソードが多々あります。もちろん、魔法ありきで素晴らしい仕上がりになっている作品もあります。

 この「も~っと!」の15話「きれいなお母さんはスキ? キライ?」は、魔法があるからこその展開でありながら、魔法に頼り切っていないという、良質なエピソードです。

 父を早くに亡くした母子家庭の長谷部たかしを中心に、小料理屋を営む母が化粧して店に出掛ける姿を嫌悪していた長谷部が、母を理解し和解する過程を描きました。

 

 長谷部は、酔っ払い(父以外の男)の相手をするために化粧をしている母の姿に、子供らしい怒りを感じているわけですが、母としては、夫の遺した店を大切にしたいわけで、この辺に気持ちのズレがあります。

 この状況下で、どれみは、魔法を使って彼をハムスターに変え、一緒に小料理屋へと忍び込むのです。

 そこで長谷部は、働く母の姿を見、母が偶然吐露した自分への愛情溢れる言葉を聞き、母へのわだかまりを解くことができました。

 

 どれみ達が説教するのではなく、また、面と向かって母から諭されるのでなく、偶然母が心情を吐露する場面に出くわすには、やはり普通でない忍び込み方をしなければなりません。

 その意味で、魔法を使うことに意味があり、なおかつ、長谷部がハムスターに変えられるまでの展開が、“怪しい占い師に言われたとおり亀を助けたら、実は亀は乙姫が化けたもので、助けたお礼にハムスターにされる”というあまりに不条理なもののため、長谷部自身、夢なんじゃないかという感覚を持っていて、魔法であることを上手く隠蔽しています。

 

 そして、ここからが本題です。

 このエピソードでは、どれみともう1人(ももこ)が魔法で女子大生に変身し、その小料理屋でバイトして事情を探ろうとするシーンがあります。

 その際、長谷部の母は、「私は誇りを持っているけれど、こういう商売は、世間から偏見の目で見られる」という内容のことを言って2人を帰しました。

 「それって子供に分かるの!?」的な描写ですが、そういう部分も『どれみ』の特徴の1つだったんですね。

 あのエピソードを見て育った子が、いつかその意味を噛みしめてくれる日が来たらいいな、と思います。




 そして、今回のテーマ「ふたりはプリキュア」です。

 「ふたりはプリキュア」は、2004年に始まったアニメで、今年で15作目を数える人気シリーズです。

 「どれみ」シリーズの後、「明日のナージャ」を挟んでスタートしました。

 正直、見ようかどうしようか、鷹羽は迷ったんですよね。「ナージャ」があまりに好みから外れていたので。

 そんな鷹羽は、結局、その後数年にわたって「プリキュア」シリーズを見続けました。

 そのきっかけになったのが、1話での数学の授業シーンだったのです。

 1作目のプリキュアは、キュアブラック(美墨なぎさ)キュアホワイト(雪城ほのか)が出会い、プリキュアとなるところから始まります。

 2人は同じクラスですが、当初は交流がありませんでした。その2人が仲良くなるきっかけが、この授業シーンでした。授業をやっているシーンで、黒板に


   x-7=19+x


という方程式が書かれていたのです。

 どこがおかしいか、わかるでしょうか? 「=」の左右にそれぞれxがあるため、整理すると「-7=19」になっちゃうんです。

 画面を見ていてそれに気付いた鷹羽は怒りました。

 「いくら子供(メイン視聴者)にわからないからって、いい加減な式を書くな!」って。


 でもね。

 これが演出だったんですよ。

 この授業で、なぎさは、先生からこの数式を解くよう言われます。

 なぎさは勉強ができない子なので、純粋に解けなくて立ち往生するわけですが、そこにほのかが助け船を出しました。

 「先生、解けるわけないと思います。右側が“19-x”なら、x=13になりますけど」と。

 ここで、さりげなくほのかが勉強できる子であることを示すと同時に、性格の違う2人が仲良くなるきっかけとしているのです。

 いやぁ、うまい!


 きっと、メイン視聴者には、細かいことはわかってないと思います。でも、なんとなくでもニュアンスは伝わるでしょう。

 もしかしたら、いつかビデオで見直して、驚くかもしれません。

 そうなったら楽しいなぁ。

 え? 一番詳しかったのが「どれみ」ネタだった? 気のせいですって。


 OP「DANZEN!ふたりはプリキュア」が「三つ目がとおる」のOP「(ハテナ)のブーメラン」にそっくりで驚きました。


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