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10 どうやら“切り札”は、常に俺ん所に来るようだぜ(仮面ライダーW)

 鷹羽は、ネタバレが嫌いです。

 「テレビマガジン」のような漠然とした先行情報くらいならともかく、最近はネットで数か月先までの情報から、下手をすると詳細なストーリーまで流れてしまうようです。そんなん、先に見ちゃったらドキドキしないんじゃないの!?

 もちろん、いいものは何度見ても感動します。台詞を暗記してるくらいのシーンでも感動します。それはわかってるんですけど。

 “初めて見た時の驚きと感動”というものは、二度とはないと思うのです。

 「魔法の天使クリィミーマミ」最終回での、マミのファンへの挨拶や、いつもと違うエンディングの絵、「機甲界ガリアン」最終回のエンディングの絵など、予想外のインパクトって大事だと思うんですよね。

 何度見ても感動するけれど、初めて見た時の驚きはない。

 ですから、鷹羽は、特にネットが発達した後は、ネタバレ情報を極端に嫌うようになりました。

 基本的に、自分で見て感じることが重要だと思うのですよ。後になって“こういうところも注目!”的な他者の視点を受けて見直すというのもいいものですけどね。




 平成18年(2006年)放送の「ウルトラマンメビウス」という番組があります。

 「ウルトラマン」放送40周年を記念して作られ、光の国出身の全てのウルトラマンがゲスト出演し、そのうちタロウ以外は全員変身前の姿も役者ご本人が演じたという、ものすごい豪華な作品です。

 地球防衛チーム・CREW GUYS(クルー・ガイズ)の一員であるヒビノ・ミライがウルトラマンメビウスの正体である、というオーソドックスな設定ですね。

 平成8年(1996年)放送の「ウルトラマンティガ」以来ウルトラマンの出自が光の国でなくなって久しく、1981年終了の「ウルトラマン80」から実に25年ぶりの“光の国から来たウルトラマン”でした。

 「メビウス」は、ウルトラマンシリーズには珍しく、中盤からCREW GUYSのメンバー全員にミライがメビウスだとわかってしまうという展開になります。

 ウルトラマンの正体を知った上で、なお共に戦うという友情もののテイストです。

 実は、CREW GUYSの隊長であるサコミズは最初からミライの正体を知っていて、それを匂わせる描写が散見されるというのも珍しかったです。

 で、サコミズ自身にも秘密があることを匂わせていたんですね。

 鷹羽は、CREW GUYSの隊長レベルではなく、実はもっと上の地球防衛軍日本支部(GUYS JAPAN)総監なんだろうと思っていました。総監は常に留守でしたので。

 それに関する話を友人Yとしていたところ、Yが「飛鳥ちゃんはネタバレ嫌いだから言うまいと思ってたけど、サコミズの正体はゾフィーだよ」などと言い出しました。

 「馬鹿馬鹿しい」と笑うと、Yは「ネットで確定情報が流れてる」とムキになります。

 でもね、劇場版で、サコミズとゾフィーは同時に存在してるんだよ。明らかに矛盾するよね。そう言っても、Yは聞く耳持ちませんでした。

 結局、蓋を開けてみると、“最終決戦時には、ゾフィーがサコミズと合体した”というオチでした。

 つまり、Yが言っていた「サコミズの正体はゾフィーだ」は、嘘ではないけれど解釈が大きく間違っていたわけです。

 おそらく、ゾフィーがサコミズと合体するシーンの存在がネットに流れたことで、短絡的に勘違いしたんでしょう。

 実際に放映されている内容と矛盾しているのに。




 似たような勘違いとして、「仮面ライダーW」の変身の話がありました。

 仮面ライダーWは、ベルトのバックル左右のスリットにガイアメモリというUSBメモリ型のアイテムを挿入することで“2人で1人の仮面ライダー”に変身します。

 具体的には、フィリップの意識が左翔太郎に宿った状態で変身し、Wの右半身をフィリップが、左半身を翔太郎が制御するという形です。

 右半身には、サイクロン(風)・ヒート(熱)・ルナ(軟体)という能力を司るガイアメモリを、左半身には、ジョーカー(徒手格闘)・メタル(棍)・トリガー(銃)という武器を司るガイアメモリを挿し、組みあわせて9種類の姿・能力で戦うというものでした。

 基本形のサイクロンジョーカーなら素早い格闘、ヒートジョーカーならパンチやキックに炎が宿り、ルナジョーカーなら手足が曲がったり伸びたりして攻撃、ルナメタルなら棍が伸びたり曲がったりしてムチのように使える、ルナトリガーなら銃弾が曲がって飛ぶ、といった具合です。

 Yは、これについても“最初に変身する時は、必ずサイクロンジョーカーになる”と言い張りました。それもネットの情報からでした。

 確かに、フォームチェンジするヒーローでも変身直後は必ず基本形、というのは多いです。ウルトラマンティガも、必ず基本形のマルチタイプになりますし。

 でもね。

 「仮面ライダーW」では、8話で最初からルナジョーカーに変身するシーンがあるんですよ。それがあってなお“そんなはずはない!”とか言われてもね。ダイナマイトナースじゃないんだから。

 情報元を知らないのではっきりしたことは言えないのですが、たぶん“最初は左半身は必ずジョーカー”という発表があって、Yはそれを“サイクロンジョーカー”と勘違いしたんじゃないかと思います。


 「仮面ライダーW」では、なりきり玩具として変身ベルト、棍、銃が発売されました。

 上述したとおり、Wの変身は、左右のガイアメモリの組み合わせですが、変身ベルトにはガイアメモリは4本しか付属しません。内訳は、右半身の3本とジョーカーです。

 では残りの2本は、と言うと、棍にメタルが、銃にトリガーが付属します。

 つまり、Wの変身パターンを網羅するには、ベルト、棍、銃の3つのアイテムを買い揃える必要があるわけです。合計1万円を超えます。

 仮面ライダーの変身ベルトというと、「光る鳴る」です。

 昔は「光る回る」だったのですが、「仮面ライダークウガ」で「鳴る」が加わり、「仮面ライダー龍騎」以降「回る」がなくなりました。

 Wの場合、変身時などに「サイクロン! ジョーカー!」などと声が出ます。そして、光るのもしゃべるのもガイアメモリの方で、ベルトは単なる容れ物です。

 ベルトのスリットを動かすことでガイアメモリのスイッチが押され、光ったり鳴ったりするのです。

 必殺技の音なんかも、ガイアメモリが発するわけですね。ですから、棍や銃の商品にもガイアメモリが付属するわけです。

 ここには、ベルトの付属品を減らして価格を下げるという意図もあると思います。

 そして、それぞれの商品が“単体で遊べなければならない”という絶対条件があるのです。


 ここで、先程の設定が出てきます。

 つまり、ベルトだけで遊ぶために、“変身する時はベルト付属のガイアメモリを使う”というわけです。

 ジョーカーは徒手格闘ですから、ベルトだけあれば変身してなりきれます。

 つまり、商品展開と番組での演出を同調させるための設定なのだと考えられます。

 ここから、“翔太郎はジョーカーのメモリに思い入れが深いから、最初は常にジョーカーを使う”という設定が派生し、劇場版では、Wに変身できなくなっている翔太郎が、自分の部屋に落ちてきたジョーカーのメモリを拾って「どうやら“切り札”は、常に俺ん所に来るようだぜ」と、ジョーカーメモリだけで仮面ライダージョーカーに変身するという見せ場に繋がっていきます。

 変身する時に必ず左半身はジョーカーなのが“商品展開上の要請だった”という情報は、多分どこを探しても出ていないと思うのですが、考えてみればわかること、ですね。


 ネットで答えを探すのではなく、自分の目で見て、感じて、考える。

 そういうのが楽しいと思うんです。




 「未来戦隊タイムレンジャー」では、いわゆる怪人に相当するのは、ロンダー刑務所に圧縮冷凍されている囚人達です。

 未来では死刑が廃止され、代わりに30cmくらいの大きさに圧縮冷凍されるのです。

 解凍された囚人は、リバウンドで巨大化しないよう、抑制シールというものが体に貼られています。

 これが戦闘中に壊れたり、捕まるくらいならと自分で剥がしたりして巨大化するという形で巨大ロボ戦になるわけです。

         挿絵(By みてみん)

 この抑制シール、「JAIL」(刑務所)という文字を意匠化していると思うんですが、公式のアナウンスではそういう説明がされていないせいか、誰に言っても信じてもらえないんです。

 「答えが発表されていないから信じられない」って、そりゃなんかおかしくありませんか?

ダイナマイトナース

 昔あったカードゲーム。

 プレイヤーそれぞれが病院となり、相手に患者を送って死者を出させあい、いっぱい死なせた人の負けという、よく考えると結構ひどいゲーム。

 この中に「そんなはずはない」というカードがあり、それを使うと相手が出したカードを無効化できる。

 鷹羽が友人とやっている時は、このカードを使う時「そんなはずはない!」と叫んでいた。

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