門番との戦い
門番との戦い
僕達はもし強行突破する事になってもいいように役割を決めていた。まず、ダニエルが先頭に立ってその後ろからリスキーとモナカが弓と魔法で攻撃。そして、その後ろから僕がみんなに指令を出すという完璧な布陣だ。
鎧の男は剣を抜くと先頭のダニエルに襲いかかった。
"ズバッ"
という音がして男が倒れた。男が剣をダニエルに突き立てより早くダニエルの斧が男に当たったようだ。
早すぎて見えなかったよダニエルの斧、そういえばいつも逃げてばかりでダニエルの攻撃するとこなんて見た事なかったな。
「気にするな。ミネ打ちだ」
ダニエルは男に背を向けながら決めゼリフをはいた。
いや、斧でミネ打ちは無理があるだろダニエル。しかもズバッて音までなってるし。
「よし、このまま領主様の部屋まで行くぞ」
そう言って、僕達は客間を飛び出した。
領主様の部屋は呆気なく見つかった。どうしてかって、客間のすぐ隣の部屋に[領主様の部屋]って書いてあったからだよ。
僕が部屋の扉を開けようと手を伸ばすと、ダニエルがその手を止めた。
「なんだよ。ダニエル早く行こうぜ」
「待ちなトモヤ。この扉の先にヤバイやつがいる。おそらく領主様の部屋の門番だな」
「なんでそんな事がわかるんだよ」
「オーラさ。お前も集中すればわかるはずだ」
僕は言われたとうり集中してみた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全くわからん。
「でも、この先に行かなきゃいけないんだ」
僕は手に力を込めて扉を開けた。
扉の向こうは片目に眼帯をした老人がイスに座っていた。そして、その老人の後ろに[本当の領主様の部屋]と書かれた扉があった。
「よくここまでたどり着いたな若者達よ。しかし、ここまでだ」
老人はイスから立ち上がり言った。
「どうやら、あの爺さんを倒さないと領主様には会えないらしいぜ。どうするトモヤ」
「どうするもなにも、邪魔するやつは倒して行くまでさ」
たかが老人1人楽勝だな。そう思っているとリスキーが後ろから話しかけてきた。
「二人とも気を付けて下さい。あの老人おそらくバードック将軍です」
バードック将軍って名前なんか強そうだな。でも、将軍ってついたらどんな人でも強く見えるもんだしな。
「バードック将軍は今は引退していますがもとは帝国最強の戦士とも呼ばれています」
メッチャ強いじゃんこの爺さん。
「そのとうり我こそは帝国最強の戦士バードックなり」
そう言って、将軍は腰にさしてあった1本の剣を抜いた。その剣は普通の剣とは、違い赤く光っていた。
「この剣の名は百八剣。百八度の高温で貴様らの体に一生消えないキズを刻んでやろうぞ」
なんかあんまり強そうな剣じゃないな。
「そうか、貴様が名乗ったからには俺も名乗らねえとな。俺の名はダニエルそして俺の武器はこれ ただの斧だ」
そう言って、ダニエルは一歩前に出た。
ダニエル、別に張り合う必要はないと思う。それにお前の武器は見れば誰にでもわかる。
「では、ダニエルこちらから参るぞ」
将軍は目にも止まらぬ速さでダニエルに近づいていき、
"ズバッ"
という音がして将軍が倒れた。
将軍〜。そんなにアッサリやられるなよ。これじゃあさっきの男となにが違うのかわからないよ。てか、ダニエル強すぎだろ。
「気にするな。ミネ打ちだ」
お前それしないと気が済まないのかよ。
そう思いながら、僕は[本当の領主様の部屋]を開けた。
"パチッ"
領主様は部屋の中で囲碁を打っていた。