ブリンクルスに来ました
ブリンクルス来ました
それから、僕はダニエル達に連れられて森の中を2時間ほど歩いた。
町遠くね、もうくたくただよ。
そう思っていると、
僕の前にいた、ダニエルが足を止めた。
「着いたぜ、ここが俺たちの町ブリンクルスだ」
そこは、町とは思えないほどの沢山の人でごった返していた。よく見ると耳が長い人や身体中を毛に覆われいる人がいる。
「びっくりしたか。この町は他の町とは比べものにならないほど人が多いからな。ほら、あそこにはエルフもいるぜ」
と、僕がさっき見た。耳が長い人を指して言った。
「じゃあ、あの身体中を毛に覆われいる人は獣人ですか」
「いや、あれはただの毛深いおっさんだ」
紛らわしい。
「さてと、俺たちはこのままギルドに向かうけどお前はどうする」
まずは、この世界のことを知ってた方がいいな。ギルドに行けば何かわかるかも。
「僕もギルドに行きます」
「それはつまり俺たちのギルドに入るってことか」
目を光らせながらダニエルは聞いてくる。
ギルドか入っといても悪いことはないよな。
「はい、よろしくお願いします」
「おいおい、俺たちはもう仲間も同然だ。もっと気軽にしゃべれよ」
「ごめん。じゃああらためて、これからよろしくダニエル」
僕は、ダニエルと握手を交わした。
ふと、ダニエルの後ろを見るとこっちを見ているリスキーとモナカがいた。
しまった、2人のことすっかり忘れてた。
「モナカとリスキーもこれからよろしく」
そう言って握手を求めた。
「ああ、よろしくトモヤ君」
「ふん」
リスキーは握手をしてくれたが、モナカはしてくれなかった。
もしかして嫌われてる、
「気にしないでくれトモヤ君、モナカは人見知りなだけなんだ」
そうか、人見知りなら仕方ないな。
「おい、お前ら置いてくぞ」
いつの間にかダニエルは遠くにいた。ダニエル空気を読めよ。
これが僕達の出会いの始まりだった。まさか、このパーティが世界を動かすことになるとは、その時誰も思っていなかった。
ギルドに着いた僕達はまず僕のギルド登録をするため、受付に行った。
「おい、リカちゃんいるか」
「はいはい、どうしました」
受付の奥から銀髪の女の子が出てきた。
「こいつがギルドに入りたいんだってよ」
そう言って僕の背中を押す。
「お願いします」
「はいわかりました。では、今から職業判定をしますのでこちらの玉をさわって下さい」
そう言って僕に玉を渡してくる。
「あのすみません。職業判定てなんですか」
「申し訳ありません。説明をしていませんでした。職業判定は言葉通りあなたがなれる職業を判定します。この玉をさわるとあなたがなれる職業が3つ出てきます。そこから1つ選択して下さい」
なるほど、俺の職業は何かなそう思いながら僕は玉にさわった。すると玉の中かに文字が浮かんできた。
職業
・おとり人 (敵を引きつけやすくなる)
・すごいおとり人 (敵を50%の確率で引きつける)
・究極のおとり人 (敵が他のものには、見向きもしないでまっしぐらに突っ込んでくる)
ほぼ1択じゃねえか、最後のなんて職業じゃねえだろ。
まあ、妥当に考えておとり人かすごいおとり人のどっちかだろうな。
"ミッションが発令しました。メールで確認して下さい"
こんな時にまたミッションかよ。いやいやながらメールを開いた。
"ミッション2、[究極のおとり人]を選べ 期限今すぐ"
ほぼ1択から本当に1択になっちまった。クソ、こうなったらクリア報酬のスキルに頼るしかない。
そう決意し僕は[究極のおとり人]を選択した。
"ミッションがクリアされました。報酬としてスキルを獲得しました。お確認下さい"
僕は祈るような気持ちでステータスを開いた。
スキル
・ウォーターフロー (海や川に身体の一部をつけると水の流れが分かる)
そんなもん見たら分かるわ。なんでこんな使えないスキルばっかなんだ。もう、報酬でもなんでもないよ。
そう僕が落ち込んでいるとリスキーが僕の肩をガッシリと掴んだ。職業のことでバカにされるのだろうか。
「すごいよ、トモヤ君。すごいおとり人ならまだしも究極のおとり人なんて聞いたことないよ」
「え、これってすごいの」
そう疑問に思っていると、受付の女の子リカちゃんが受付から身を乗り出してきた。
「すごいなんてもんじゃないですよ。究極持ちの人なんてこの世に100人も居ませんよ」
なんかわからんがとりあえず、すごいということはわかった。
「あと、トモヤさんこれをどうぞ」
そう言ってリカちゃんは金の腕輪をくれた。
「これは」
「それは、究極持ちの方しか持つことのできないゴールデンアフールというものです」
とりあえずつけてみよう。
"スキルを獲得しました。お確かめ下さい"
なんかレアアイテムぽいしきっとすごいスキルが、期待を胸に僕はステータスを開いた。
スキル
・黄金の足 (3秒間だけ足が黄金のように光る。ただし、1回使うと5分間使えない)
ヤバい、もしかしたら今までのスキルで1番いらないかも、俺はこんなんでやってけるのか。
そう思っていると、
「トモヤ、俺たちとパーティにならないか」
「え、いいの」
「ああ、トモヤ君。私達とパーティを組んでくれ」
「私からもお願いするわ」
なんと、ダニエルやリスキーだけでなくモナカもさそってくれた。答えは決まっていた。
「僕からもお願いするよ、僕をパーティに入れてください」