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プロローグ
プロローグ
"パチ"
という、石を打つ音が聞こえる。
「いや、領主様お強いですね」
僕は、そっと対戦相手をほめる。
「当たり前だ。私は、このルノア帝国でも指折りの騎士だぞ。お前みたいなガキに負ける訳ないだろ」
ルノア帝国、今この世界の約半分を占めている。大帝国である。
なるほど、道理で自信に満ちた顔をしている。
「領主様、私が勝てばなんでも願いを叶えるという約束忘れないで下さいよ」
「ああ、わかっている。その代わり、もし負けたときはお前の命をもらうぞ」
戦局は、かなり領主が有利。
まあ、どうにかしてやるさ。
"パチ"
僕は、石を打った。
結果、僕の3目勝ちで対局は終わった。
「そんなバカな」
「では、僕の願いを聞いてもらえますか」
領主は、悔しそうに唇を噛んだ。
「よかろう、望みを言え」
「僕をおもいっきり踏んで下さい」