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2nd World  作者: 雨宮柳
1/3

序章:遺跡

ふと立ち止まり、腕時計を見るとデジタルは21時を指していた。

いつもならテレビでも見ながらくつろいでる時間だな、とため息をつきながら空を見上げる。木々の間からは、満点の星空が小さく顔をのぞかせていた。

川上藤二かわかみとうじは目を正面へ向けると、深い闇が覆う森の中をスマホの頼りないライトで照らし再び歩き始めた。

「(電話は圏外、周りにもいなかった。となると一旦下山してるはず…)」

考えながら薄く照らし出された山道をしばらく下り続る。やがて山を下り切った彼は、目の前に広がった光景を見て唖然とした。

小学校の頃毎年のように登らされた、見慣れた山道を確かに下ってきた。間違えるような分かれ道もなく、ここまで一本道だ。それなのに、下り切った彼の目の前に広がっていたのは、見慣れた街の明かりや道ではなかった。

広がっていたのは―――平原と、そこを蛇行して伸びる、土がむき出しになった道のようなものだった。それらが空に輝く丸い月明かりに薄く照らし出されている。

「ここは――どこだ…?」




12時25分。翔陽高校のチャイムが鳴り教師が授業終了を告げると、教室の生徒たちは一斉に動き出す。

藤二も教科書を机にしまい込み席を立ちあがると、そこへ一人の男子生徒が声をかけてきた。

「藤二ー。飯行こうぜー」

片手を上げながら近づいてきたのは、古河亮こがりょう。二人は小学生の頃からの知り合いだが、小学校卒業間近の時、亮が家の都合で引っ越す事になってしまい、離れる事となった。しかし、半年前の高校2年進級時に亮が再びこの街へと戻ってきて、また同じ学校へと通うようになった。

小学生の頃は毎日のように遊び、また二人そろって無茶をする悪ガキ二人組だった。

「はいよ。また学食か?」

「なになにー。またお二人で学食デート?ヤケるわねー」

そう言って近くで話していた女子のグループの一人が声をかけてくる。それを聞いて亮は笑いながら藤二の肩にもたれかかってきた。

「そうそう。俺たちラブラブですから~。ねぇ藤ちゃ……」

「俺にそんなケはないっつの!」

藤二は亮の顔を押し離す。「振られてやんのー」とその女子が笑うと、亮も残念ーと言って笑ってみせた。

亮は社交的だ。あまり人と話そうとしない藤二と違い、亮は男女問わず話しをするし仲もいい。藤二も彼に巻き込まれて、高校2年からは色々な人と話すようになっていた。

「(そういや、昔は結構人見知りする感じだったよな。)」

ふとそんな亮を見ながら、藤二は昔の彼を思い出していた。自分とは仲が良くバカをやっていたものだが、他人の前では自分を作るようなところがあった。

「さてと、んじゃ藤二。告白は振られたけど、学食はご一緒してくださいませんか?」

「行くけどさ、その言葉遣いは止めてくれ……」

そんな彼の思考は当人の言葉でかき消され、藤二も考えるのをやめて二人で学食へと向かった。


学食に着くと、配膳を待つ列は長く連なっていた。藤二と亮は券売機で日替わり定食の食券を購入すると、トレイを持って列に並ぶ。

藤二の後ろに並ぶ亮が話す世間話に頷いていると、ふと前にならぶ女生徒二人が話す会話が耳に入った。

「えー、そうなの?」

「マジマジ。もう5人目だってさ、例の遺跡で消えちゃったの」

「調査員が忽然と、だっけ?調査の方はどうなるんだろ?」

「さすがに一時中断して、原因究明に入るとか?詳しいとこは記事にも載ってなかったけど」

あまり穏やかではない話に思わず目だけを向けて聞き入っていると、亮が後ろから声をひそめて話しかけてきた。

「あー、街の中央にある山での話ね」

「知ってるのか?」

「雑誌にも最近多く載り始めてるしねー。なんでも、遺跡が地面の中から発掘されたんだと」

亮の話では、街の中心に位置する山の中腹あたりから、見たこともない文字や文様が所々に書かれていて、何かの儀式に使ったような痕跡がある遺跡が発掘されたらしい。あらゆる調査がされ、文字の解読はもちろん地層や遺跡自体から年代を調べたようだが、最近の地層からかなり古い地層まで入り混じっていてどうにも判断がつかないようだった。遺跡の造り自体も、石造りであるという以外何もはっきりしたことがわかっていない。

そして、最近になって事件が起きた。内部を調べていた調査員が2人、忽然と姿を消したのだ。

すぐさま調査チームが捜索に当たったが、滑落するような穴も、落盤も無かったという。ただ”忽然と”姿を消したのだった。

そして一週間後。人員補填をした調査チームが再び調査に赴いたところ、今度は3人が消えてしまったという。

「神隠し……みたいなもんか?」

「さてねぇ。どこぞの宗教は祟りだの呪いだの騒いでるようだけど、よくわかってないっぽいな」

そうこう話しているうちに、順番が回ってきた二人のトレイにはハンバーグとサラダ、御飯とみそ汁が置かれた。なかなかのボリュームがあり、男子高校生でも納得だ。

藤二がトレイを持って適当に空いてる席へ座ると、亮も向かいの席へ座る。二人はしばし無言で食べていたが、突然亮が思いついたように声をあげる。

「そうだ!藤二、見に行ってみねぇ!?」

「ヤダ」

「即答っすか!」

何となく予想していた藤二は、目をトレイに落としたまま間髪入れず答えた。不穏な空気を感じて顔を上げると、亮が不満げな顔で藤二を睨んでいる。

「第一、そんなところ封鎖しているか警備でもして誰も入らないようにしてるだろ」

「ご安心を。それついてもちゃんと考えはありますぜ」

そう言って、スマホを取り出すとメモ帳を開いて画面を見せてくる。書いてある文字を読むと、どうやら何かのタイムスケジュールのようだった。

「これは、警備の交代時間を示す表だ。交代の時間には少しだけ持ち場から離れるので、その隙に警備個所を抜ければOKさ♪」

「どこからそんな情報を……」

「秘密です♪ まぁまぁ、藤二も嫌いじゃないだろ、こういうの」

「まぁ、興味ないわけじゃないが……」

小学生の頃を引き合いに出して亮は言う。よく二人は工場跡地や廃屋を見つけては探索していた。当然、その後に親に見つかってひどく怒られていたわけだが。

藤二も中学生になってからはところかまわず入るようなことは無くなったが、それでも好奇心というものは未だに薄れないようだ。

それに、何より藤二にとって亮の存在が無くなっていた存在は大きかったのかもしれない。二人でならどこへでも行けるような気がしていた。

「……一回だけだぞ。あと、危険そうだったらすぐ帰る」

「オーケーオーケー。んじゃ、さっそく今日の夜行くとしますかー」

「えらく急だな」

「だって、警備の時間が変更されたらそれこそダメでしょ。情報が有効なうちに行動よ」

満足そうに言いながら、亮は待ち合わせ時間や場所をパッパと決めていき、いつの間にやら計画は明確なものへとなっていた。

「なーに二人でこそこそしてるのよ?」

突然横から声が飛んできた。二人が目を向けると、セミロングの髪に前髪のサイドを横にピン止めした女生徒が立っていた。千草楓ちぐさかえで、二人とは小学校の頃からの幼馴染だ。

「まさかまた悪だくみしてるんじゃないでしょうね?」

「ま、まさかー。高校生になったんだし?そんなことするわけないっしょー」

あからさまに慌てる亮を見て、亮を睨みつける。

「あいかわらず子供みたいなことしてー…。いい加減大人になりなさ――」

「おっとこんな時間だー。藤二、そうゆうわけでまたなっ」

亮はわざとらしくスマホの時計を見ると、トレイを持ってそそくさと席を後にする。

楓はその後姿を見ながらため息をつくと、亮の座っていた席へと座る。

親友に取り残された藤二は居心地悪そうにハンバーグの最後の一切れを口に放り込む。その光景をジト目で見ていた楓が口を開く。

「どうせ遺跡について話してたんでしょ?」

言い当てられて、藤二はハンバーグを思わず飲み込んでしまった。少し大きすぎたそれを流し込むようにグラスの水を飲み干す。わかりやすい反応に肩をすくめる楓は、両手で頬杖をついて藤二の顔を見てくる。

「まぁ、あの亮がこんな面白そうな話に乗らない方がおかしいけどねー。まったく、あの遺跡のせいで、うちのトコにもほぼ毎日調査員とか来てメンドイったらないわ」

楓の実家は、遺跡を四方から囲む神社の一つだ。遺跡のある山を中心に囲む神社となれば、当然目をつけてくるのだろう。

「神社の方では何か知ってたりするのか?」

「全然。教えられることは無いって言ってるのに、文献を見せてくれだの歴史はどうなのかだの、うるさくってたまらないわよ」

もう一つ盛大にため息をついて、ウンザリという表情を浮かべる楓。毎日相手をしていて相当嫌になっている様子だ。苦笑いを浮かべて楓を見ていると、不意に彼女はにこやかな笑みを浮かべた。整った顔をしているので様にはなるのだが、その笑みは華やかなものではない。

「と、いうわけでうちには何もないから――くれぐれも昔みたいに宝物殿に入ってくれないでよ?」

最後の言葉に黒いオーラと重みを感じ、神妙に頷く藤二。

「じゃ、私先行くから」

楓はそう言うと、席を立ち上がる。昼休みの終わりが近づき、学食の生徒が徐々に引け始めていた。

最後に「約束破ったら怖いからね」と一言釘を刺すと、手を振って彼女は学食を出ていった。

解放された藤二は大きくため息をつくと、ふと楓の言った言葉に違和感を覚えた。

「(昔みたいに…宝物殿に?――入ったことあったか?)」

小学校の頃の記憶を引き出すように考え込むと、不意にノイズのような物を感じ、頭痛を覚えた。

「つっ…」

ズキズキとした痛みが徐々に引くにつれ、また記憶は奥底へ沈んでいった。

「何か忘れてんのかな、俺…」

その時、昼休みの終了を告げる予鈴が聞こえた。現実に戻った藤二は慌ててトレイを返却口に突っ込むと、教室へと向かった。



19時。待ち合わせ通りの時間に合流した二人は、街の中心に見える山を目指す。

この山は小科市のシンボルマークでもあり、街の守り神が住まう山とされて四方に神社が建てられている。しかしその神社がいつできたのか、またその経緯などはまったく知られていない。古くから何度か建て直しをしているようで、その時に失われたのか文献にも載っていないのだという。

しかしそのような神社は日本全国どこにでもあるため、あまり取り上げられたことは無かった。しかし遺跡が見つかって以来それについて調査の手が入り始めたようで、神社は毎日のように調査員が訪れているとのことだ。

「ついでに、遺跡のことがオカルト系の全国紙に載ったらしく、街にも神社にも観光客が増えてきてるんだと」

「そういえば楓もそんなこと言ってたな」

「あ~…神社の巫女さんだもんなー」

そんなことを話しながらしばらく歩いていると、山道を示す標識が角に立てられた十字路に行き着いた。まっすぐ行けば、普通の山道を登ることになる。

「どうやら山道あたりから警備員が立っているようで、迂回しないと進めないらしい」

「県内外から来る興味本位のやつら避け、ってとこか」

そこまで言って、自分たちもそうだなと気まずそうにする藤二を見て、亮は無言でニヤリと笑った。

「迂回ルートはこっちだ」

亮が山道ルートから右へ曲がって先導する。藤二もその後をついていった。


「ホントにっ…この道で大丈夫なんだろうな!?」

「だ、大丈夫!ここなら警備の場所から離れてるしっ、見つかることはないっ!」

息を切らせながら、木の幹や深く埋まった石に手を置きながら二人は山を登っていた。

亮が示したルートは、確かに山道から外れたルートだ。おそらく警備員もいないだろう。だが、それも当然と言えば当然。『道』なんてものは存在していないのだから警備のしようもない。

かなりの急角度になっている山肌は、とても足だけでは上ることはできない場所だ。山滑りを防ぐためかネットも点在していて、それが危険な場所だということを示しているようだ。

「もうちょっとっ…マシなルートはなかったのか!?」

「ここが一番登りやすくてっ…マシなルートなんだよ!大丈夫、もうちょいすれば登りやすくなるから…うぉっ!?」

前を進む亮が足を滑らせ、体が後ろへと傾く。それを慌てて左手で押さえた藤二は、すぐ後ろにあった幹に右手を乗せてどうにか留まる。

「さ、サンキュー…」

「――さっさと登るぞ…」


しばらくして、急な坂道を登り切った二人は、獣道のような細長い道をさらに登っていく。そこはあまり急ではなく、先程よりはるかに登りやすい。周囲を警戒しながら10分ほど登り、やがて少し開けた場所へと出た。

「お、あそこか」

先を進んでいた亮が身をかがめて横へずれると、藤二はそのすぐ横へ彼に倣い身をかがめる。

木のないやや楕円に広がった人場の中央になだらかな窪地があり、その中心に石造りの四角い物体が見える。それをスポットライトが二方向から照らし出していた。中心だけは昼間のような明るさだ。

「こりゃ予想以上に難易度高そうだねぇ…」

周囲にいる数名の警備員と、明るく照らし出され遺跡を見て亮がぼやく。

「どうするんだよ?」

「まぁまぁ、亮さんにお任せあれ、と」

そう言ってスマホを取り出し何かを見ながら数度頷いてみせると、遺跡を右手に見ながら中腰で草むらの中を進んでいく。藤二もその後を追った。

さほど大きくはない外周を半分ほど回った辺りで亮が足を止めた。二人は遺跡の方へ向き直る。ちょうど遺跡の裏当たりといったところだ。

「あそこの警備員がそろそろ交代の時間だ。その時少しだけ持ち場を離れるから、その隙に遺跡の中へ入り込む」

亮が指さす先には、懐中電灯を周囲に照らしながら歩いている警備員がいた。

「危ない橋だな…」

「スリリングで楽しいっしょ?」

そう言って笑う亮は、いつにも増して楽しそうだった。それを見る藤二もまた、無意識に笑っていた。

「中にはいないのか?」

「いないみたいよ。調査員がいなくなるような遺跡の中に、警備員を置くわけないっしょ」

「それもそうか」

二人は侵入ルートを確認し合うと、息を殺しその時をじっと待つ。辺りは警備員の歩くかすかな音と、風で揺れた木々の葉がこすれる音が響いている。高揚感と緊張感の中、二人は遺跡と警備員を交互に見ている。

不意に、藤二は小学生の頃を思い出していた。あの頃もこんな緊張感を感じながら、よく探検したり忍び込んだりとよくしていた。

――特にあれが、今と同じような緊張感があって楽しかったな、アノ――

「(……?なんだったっけ?)」

そこまで思い出していた藤二の記憶に、昼間にも感じたノイズのようなものが走った。ズキッと頭に響いてくるが、何とか思い出そうと記憶を探る。

――亮といつものように出かけて、ワクワクしながら忍び込んで――

――――ドコニ?

「来たぞ、藤二!」

押し殺した亮の声で、藤二はハッと現実へと引き戻される。同時に痛みは嘘のように消え去っていた。

亮の見る方角を見ると、遠くから歩いてくるもう一人の警備員と、そこへ歩み寄って行く警備員の姿が見えた。

「――今だ!」

亮が小さく叫ぶと同時に二人は飛び出し、足音を殺して斜面を駆ける。遺跡の背面へと辿り着くと、スポットライトの当たらない陰に隠れ、別の警備員がこちらを見ていない事を確認すると遺跡の中へ駆け込む。

すぐに遺跡の入り口から左右に離れた二人は、入口からわずかに顔を出して外の様子をうかがった。外は静かで、気づかれた様子はない。

「よっしゃ、侵入成功♪」

亮はそう言って笑ってみせた。

「にしても、これどうやって脱出するんだ?」

「…ぁ」

忘れてた、といったように亮は間抜けな表情を見せる。ジト目で見る藤二に、慌てて弁解する亮。

「ま、まぁ何とかなるっしょ!ほら、交代時間はわかってるんだし、同じように隙をつけば何とかさ!」

「いやまぁ、俺もそこまで考えなかったのが悪いし…後で考えるか」

藤二はため息をつくと、自分のスマホを取り出して奥へとライトを照らす。外から見てもあまり大きく感じなかったが、中に入ると不思議と少し大きく見えた。

「かなり荒れてるなー……」

同じようにスマホを取り出してライトを照らす亮の感想に、藤二も頷いた。

あちこちの壁面が剥がれ落ち、描かれていたであろう壁画も当初の姿がわからなくなってしまっている。床もひび割れていて、今にも穴があいてしまいそうな不安感さえある。だが、雑誌で書かれていたように、人が落ちるような穴はどこにも空いていない。

左右に分かれて四角い遺跡内部を壁伝いに奥へと進む二人。藤二が壁に描かれた壁画を見ているときに、奥の方から亮の声がした。

「藤二ー。これなんだろ?」

呼ばれた藤二が亮のそばへと歩み寄ると、亮の目の前に2メートル程はある石板が佇んでいた。それだけは遺跡のあちこちに比べて原型を留めており、アーチ形の扉の様な形をしっかりと残していた。

「文字っぽいのが書かれているけど――何語だこれ?」

ライトに照らし出された石板の表面にびっしりと書かれた物。それは象形文字のようで、とても読めたものではなかった。それらを目で追いながら下へと目を向けると、石板の中央あたりに丸い石の玉が半分ほど埋まりこんでいるのが見えた。

「なんだろな、この石。えらくツルツルだけど」

「おいおい、触るなよ…。調査員がいなくなった場所なんだから、下手なことはするなって」

「大げさだなー、藤ちゃんは。つついてみるだけだって」

そう言って亮は丸い石に指先を触れる。瞬間、亮はピタリと動きを止め、数秒間微動だにしなくなった。

「お、おい?どうした亮」

そう言って肩をゆすろうと亮に手を伸ばそうとした時、亮は顔を上げて石板へと目を向ける。亮が動き少しほっとするが、その表情は全くの無表情で、目はうつろになっていた。そして、石板の文字を追うように何かを小声でつぶやき始めた。

「お、おい亮?」

「~~~~…」

聞きなれない言葉を発し続ける亮。不意に、亮の指先が光り始める。いや、指先ではなく、触れた指先部分から徐々に石の玉が白く光り始めているのだ。

「ど、どうなってんだよ!?」

「~~~~…」

藤二の声が聞こえないのか、なおも不明な言葉を発し続ける亮。徐々に石の玉の光は強くなっていき、やがて遺跡全体を包み込んでいく。

「亮!――うぁ、まぶし…っ」

遺跡が真っ白な光に包まれ、何も見えなくなる。そして数秒後にはフッとその光が消え去った。

そして同時に、石板の前に立つ二人の姿もそこから無くなり、遺跡は再び静寂に包まれていた。

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