死神部隊
あれ?次回予告と違う……
あれ?マジでプロットから斜め上のほうに飛んで行ったぞ俺
電磁投射式加速器で俺たちの海賊船は天高く舞い上がる。海賊船にはAIサポートはついていない者の自動操縦プロトコルを仕込むことができるようにしてある。
それのおかげで俺たちはただ惑星離脱のGを我慢するだけでいいのだ。
「エアポート以外からの発進は久しぶりだから、ちときついな」
そうフォルがいう。まぁ彼の話も一理あるのだ。今の連盟管理下の星では宇宙船は惑星に設置されてある宇宙エレベータの先についたドッグから侵入するようにできている。
「俺もうえぷこればっかりはなれない」
ヒロは情けない反連盟軍では大気圏離脱訓練はやっていないのだろうか?
「俺はあれ苦手なんだよ。つうかなんでそんなピンシャンしてんだよ」
「ん?あぁ簡単な話、あの惑星によく出入りしていたしな。自由同盟傘下の惑星にも密入国してたりしてなかったり」
フォルが自と目でこちらを見てくる。今思ったけどジト目だけはわかりやすいな。
「お前、なんで捕まらないのかよくわからんのだけど」
「まぁ超法規的措置?」
俺はゆっくりとそういいながら、対G用に固定していた体を外しゆっくりと苦笑いを浮かべながらドッグにあるAACより候補地を航海図に当てはめる。
「……ふむポイント668かワープドライブあれば一瞬ななんだが捕捉されると厄介だからな」
それにとレーダー事態を探知する探知機で捕捉中の軍用レーダーが追いかけてきている。となると、俺を察知した何者かがいるもしくは……
「たくこの海域での海賊同士の争いはご法度だっての。第一種戦闘配備」
「AAUはだすかい?」
俺はにやりと笑いながら、火器管制システムをオンラインにする。
「船一隻で突破できる。この船は元軍艦だからなぁ」
「おいこら」
フォルがそういうと、俺は偽装システムをオフにする。するとずんぐりむっくりの下から自由同盟が使用している戦艦が現れる。
「おいこの船、ガチの戦艦じゃねぇかこんなもん一人で動かしてたのか!!つうか、いつ鹵獲した」
いつ鹵獲したっけなぁ……あれは確か……
「連盟の2回目のミッションの時にな小型AAUに乗って敵艦に乗り込んだのさ」
「この形式は乗ったことあるがよくCIWSに引っかからなかったな」
ヒロがそういうと、フォルは訳が分からないといった顔をしている。
「CIWSは俺の育った惑星で船が持っていた対空防御の一部だ。こっちだと、AAUやデブリ、ミサイルを破壊するレーザー砲とミサイルのシステムだなと売ってきたな!!フォル火器管制は任せるシウスは自動だが主砲の目標設定はしないと……ヒロはシールドと機関部の調整してくれ」
ちょっと無茶な軌道するぞと俺は言う。というのも古今東西対艦戦闘は艦同士を対面に向けて打ち合いをするというものだ。
それも大規模艦対戦ならそれができるのだが、レーダーに探知された機影は5明らかに悠長に打ち合ってたらこちらがハチの巣になるだろう。
ビームが船体をかすめ、アラート音が鳴る。
「シールド展開、アンカー射出」
漂っている星にアンカーを打ち込み別の星にもアンカーを打ち込む。これで何をするかというと。
「全速前進!!」
二つの星は、引っ張られまるでアメリカンクラッカーのように引き寄せられていく。
レーダー上にはその上に敵艦がいるが……
星に押しつぶされたことにより爆発が起き、星からアンカーが抜ける。その結果、莫大なGがかかりホワイトアウトしかけたが、何とか持ち直した。
「ぶっ馬鹿かお前!!なんつう……」
「おしゃべりは後だ。敵AAU複数モニターに移すヒロこいつに見覚えは?」
ヒロは目を見開き驚いたような顔をしている。その表情で大体のことは察したが。
「死神部隊だ。お前も聞いたことあるだろ?バラスのことは」
バラスたしかエージェント狩りの反連盟主義者か……自由同盟から装備の横流しされている海賊じゃねぇか。まぁやることは変わらんが……
俺は戦艦を敵戦艦から垂直方向に移動させて背面行動をとる。
「主砲調整うて!!」
敵戦艦が沈み残りは3機となる。しかし、艦対戦はこれだから暇なのだと思う。まぁやってるとお人からすれば、なかなかに焦ってはいるんだが。
「まぁいいんじゃね?アクティブデコイ展開!!ジャミングセンサー起動」
ロックオンされていたので、ジャミングセンサーでロックオンを外しアクティブデコイを間に割り込ませる。
「なんでそんな単騎で渡り合うのがうまいんですかねぇ?」
「かの有名な提督はたった二隻で宇宙要塞を落としたという。まぁそれより人数が足りてないが何とかなるだろう」
フォルの言葉にそう返したものの、相手も警戒して長期戦になるだろう……だとしたらこちらが一方的に不利になる。
「敵AAUも対空網の外からちまちま打つだけだなぁ」
「つっても、こっちのAAUを出すと、所属がばれるか……案外確信してやってる節があるからなぁ」
膠着状態になっているのは別にいいのだがさすがにこれ以上続かれると、俺も耐え切れなくなってくる。
「ん?」
敵機の反応がロストした?いきなりなぜ……
『こちら、バルネッサ。この宙域で戦闘吹っ掛けたバカな集団がいると聞いてきたのだけど、またあんたかね』
またって何だまたって、俺はこの宙域で戦闘行動は2回位しかやったことねぇぞ。
「おうおう、この宙域のてっぺんのやつに目をつけられるたぁ。俺も海賊冥利に尽きますわな」
「敵AAUが突撃かけてくる!!」
ほうそれは困ったな。
「こっちには交戦する気はないのだけど、AAUが来てるわぁこのままでは沈められるわぁ」
『ほぅ、それだったら仕方ないねぇ。私が決を持ってやるからさっさと鎮圧しな』
「俺が出る」
そういうと、ヒロは驚いたような顔をする。
「お前の機体は!!」
「ドッグに空気を入れてない部分あるだろ?あれこの船に元からあったAAUが乗ってんだ。バルスト2型ツウんだがヒロならわかるだろ?」
俺がそういうと、ヒロが頭を抱える。フォルはその意味が分からないようでずっとこちらを見ていた。
「自由同盟の新型機じゃねぇか。先行試作機が行方不明になっていると聞いていたがお前が持っていたんかよ」
「せーかい、俺の足もつかない完ぺきな装備だ」
そういうと、俺はブリッジを出て、第二格納庫のエアロックの中に入る。もちろん宇宙服は来ているが。
「システムオールグリーン神経接続開始オールコンプリート」
俺は目の前に流れる情報を見ながら、ぶつぶつと言葉を漏らす。
「診断プログラムの結果は要メンテナンスか……今回の戦闘で関節が死ぬなぁ」
『ホープカタパルトの発進タイミングを移譲する。落とされんなよ』
俺はにやりと笑う。敵はあの死神だろう。余裕だなんてったって俺は。
出撃したところで広域通信が入る。
『こちらはバラスという。海賊姫の介入があったが貴様との一騎打ちを望む』
俺は変声機を利用して広域通信のチャンネルにセットする。
「こちら、青き海の星所属バルストパイロット、謎の食通だ。一騎打ち了承した。行くぞト○ンべ」
『おいばか、その謎の食通はやめろ!!正体ばれるぞ』
つうか生声でツッコミを入れるなよ。
『ではいきますよ。謎の食通!!』
極大ビーム砲を俺はブースと全開でよけて、苦笑いを浮かべた。
「当たらんよそんなもの」
頭部のビームバルカンをばらまきながら俺は前進していく。
『そうでなくては』
敵機はその手に持った鎌を回転させることによって盾を作り出していた。
ビーム鎌と呼ばれるもので、ビーム刃で装甲を切り裂くことのできる鎌だ。多分あのビームのところにあてることによりビームバルカンを相殺したのだろう。となるとお互い遠距離武装は無意味ということになる。
「どうやら相手もおんなじことを考えたようだな」
だがまだ甘いと、彼は撮像素子越しに見える風景を見ながらそう思う。精神接続のメリットは任意のタイミングで脳の動きを加速させることができるところにある。
脳が動きを加速させると、撮像素子越しに見える景色がフレーム単位で流れるようになる。俺はそのフレームの世界を動くだけでいいのだ。
例えば振り下ろされた鎌の持ち手を抑えてそらし、敵のフレームに頭突きを喰らわせたりとか。
ゴリゴリごりという音が聞こえる。コックピットには空気が満たされているので音が聞こえる。となると俺の席にまで衝撃が来ていたようだ。
だがこれで逃がさない。ガトリングを発射して、決着はあっけなくつくのだった。
『はっはっは、イヤー完敗です。本来の機体で戦いたいものですね』
やっぱり無人機を遠隔操縦してやがったか。スローにしたときに行動の反応速度がワンテンポ遅れていたのを俺は見逃していなかった。
「……何のことだろうか?」
『はは、あなたお名前は?』
「望月という」
そういうと、通信がしばらく帰ってこない。
『望月さんですか、元少佐と一緒にいるのでもしやと思いましたが地球人ですか』
「あぁそうだ。まぁあんたとはどこかであいそうだ」
「『その時はその首を』」
「吹き飛ばしてやる」
『切り取ってあげましょう』
敵機が撤退していくのを見て、俺はため息を吐く。案外自由同盟にも、面白い連中がいるもんだと……
広大な宇宙……今まで俺はいろんな場所を航海してきた。
君を見捨てて逃げた、友人を助けれなかった後悔とともに……
次回
後悔の果て
次こそヒロインを登場させることができると信じて!!
作者追記
作者、職務ストレスにより精神病を患い現場で倒れたため2,3日お休みします。
また、転職活動を開始しましたので完全復活までお待ちください