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妖精伝記
薄汚れた一冊の本。
所々が破れていたり、黒んずんでいたり、とても読みづらい。
それでも、その本を真剣に朗読する一人の少年。
一頁を読み終えると静かに本を閉じた。
そこに書かれていた内容はこうだった。
____妖精。
それは動植物、森、湖などに宿る精霊の意。
その姿をはっきりと見る者は人口の約1億分の1と言われ、その声を聞く者は無いとされる。
妖精は個々に違った力を持ち、その力を宿り木の為に使い、永遠の忠誠を誓うという。
そして、自らを犠牲にしてでも宿り木を守り抜く生き物である。
著:倭迦『妖精伝記』より