回復の兆し
声も表情もなくしてしまったミイ。
でも、少しずつではあるけれど、徐々に表情が現れるようになってきた。
我慢しきれず、俺が泣いてしまったからだ。
ミイの前だと、感情に歯止めが効かない。
冷徹とさえ言われていた位なのに、ミイの前だとそれが崩れる。
今のミイの前で泣くなんて、大人のする対応じゃないのは分かっている。
でも、ミイの笑顔を見れなくなって、ミイを抱き締める事すらできなくなって、俺の精神は揺らぎ始めた。
嫌われるのが怖いと思う反面、ずっと腕の中に閉じ込めておきたいという想いも生まれる。
「俺を嫌わないでくれ……」
泣いてすがるなんて、後にも先にもミイにしかしない。
「傍にいてくれ
ミイがいないと、どうしていいのか分からない」
この気持ちは嘘じゃない。
実際、俺はまともに仕事もできなくなった。
ミイが心配でっていうのは勿論、イライラして周りにあたったり、虚無感でボーッとしていたり……
珍しくソルドに仕事の邪魔だと言われ、今は休んでいる状態。
でも、泣いた事は俺にとって良い結果をもたらした。
あれ以来極端に触れる事を拒否し続けていたミイが、泣いている俺の頭を撫でたからだ。
その事が嬉しくてまた泣いてしまったが、それから少しずつ歩み寄ってくれるようになった。
まだ言葉は話さないけど、許可をとってからならミイに触れる事もできる。
不意に触ろうとすると飛び退かれるが、ちゃんと伺えば許してくれる。
久しぶりにミイを抱き締め、頭を撫でる。
その事が嬉し過ぎて、また泣いてしまった。
「ずっと傍にいるから、また一緒に頑張ろう?」
俺の言葉に頷くミイを見て、新たな事を決意する。




