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コンカフェの美少女冒険者は本物の戦士だった!  作者: 宮本海人


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第2話 渚にて

「今日はいいお天気!

だいぶ暖かくなってきたし、みんなで渚に貝を採りに行こうか。」

「わーい!貝食べたい。」


母と2人の娘は、素足でてくてく歩いて近くの砂浜へ向かった。

娘達は、葉っぱで編んだ籠を抱えている。



「今日は、あさりがいっぱいだね。」


「ハマグリは足でグリグリして探すんだよ。」

「グリグリ、、わっ、ハマグリ見つけた。大っきいよ!」

「おっ、それは、お父さんに食べさせてあげよう。」

「私もでっかいハマグリ探そう。

お父さん、喜んでくれるかな。」

「もちろんさ。」


「お母さん、しじみは?」

「しじみはこの辺りにはいないな。

こんど、川が海に流れ込む辺りに採りに行こう。」


「さて、このくらい採れればいいだろう。

4人で食べるには十分だよ。

採りすぎは駄目だよ。

海の大切な恵みは、取りすぎないように、みんなが気をつけないといけないからね。」

「はーい。」


「さて、そろそろ家に帰るとするか、、。」



〜ズドン、ズドン、〜


突然、地面を揺るがすような重く鈍い響きが聞こえてきた。


〜ギシギシ、ギシギシ〜

何かが擦れるような音も聞こえる。


「なんだ、、いったい、集落の方から?」


2人の娘が、母にしがみつく。

「心配するな。」


母は、獣に備えて持っている弓矢を、背中から取り出した。

弓に、黒曜石の鋭い矢じりの付いた矢を添えて備える。



その時3人は見た、こちらに向かってひた走る父の姿を。


「逃げろ、出来るだけ遠くに、、俺が時間を稼ぐ!」



父の向こうから、木々を押し倒しながら、砂ぼこりを上げて、黒光りする巨大な怪物が迫っている。

丸くて巨大な胴体の下で、いくつもの足が不気味に動く。


父が数本の矢を放つが、はね返るばかりで何のダメージも与えることは出来ない。

ついに矢が尽きた父は、近くに落ちていた木の棒を拾い上げた。


そして、少しずつ遠ざかっていく、愛する妻と娘達の方を見て少しだけ笑った。

「大丈夫だ。父さんに任せろ。

ずっと、愛している。」


父は怪物に向けて、木の棒を振り上げ雄叫びをあげて突進していく。


「うおぉぉ、、っ!!!」


母は、振り返りながら叫んだ。

「あなたっ!だめぇ、、。」


「お父さん、、、!」

「お父さん、、。」

「走るよ!絶対に振り返ったらだめ。」


3人はがむしゃらに走った。


空から何か音がする。

〜ブーン、ブーン〜


「奴は空を飛べるのか?」


〜ブーン、ブーン、ブーン〜

音がだんだん大きくなる。


「あと少しだ、がんばれ!」


すぐ先に、岩場近くの洞穴が見える。

「あそこまで逃げれば、、。」


〜ブーン、ブーン、ブーン、ブーン〜

翅をこする音が、ついに耳をつんざく轟音に変わった。


「あと少し、、お願い。」


3人の頭上に、真っ黒な怪物がいるのがわかる。

怪物の影で、辺りが真っ暗になる。


「間に合わない、、。」


母は娘達に覆い被さって、叫んだ。

「誰か、誰か助けて、お願い、どうか娘を。

神様っ!」



そして、三人の意識は、暗く静かな、深い闇の中に吸い込まれていった。















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