真夏の通り魔
うだるような暑さが続く夏の日、彼女はいつものように建物の影から獲物を狙っていた。
彼女にはどうしても人を刺さなければならない理由があった。
今日の獲物は小柄な若い女だ。
若い女には刃が通りやすく、獲物としてうってつけであることを彼女は知っていた。
しかしいくら小柄とはいえ油断はできない。暴れて反撃をもらってはひとたまりもないからだ。
刃をギラつかせながら彼女は注意深く若い女に近づく。
よし、今だ。
…
「バチン…!」
爆竹のような破裂音が鳴り響く。
その刹那、彼女は強烈な痛みを覚えると同時に自分の意識が徐々に遠のいていくのを実感した。
「ちょっとタッくん、なにするのよ!」
"若い女"は突然叩かれた事に狼狽えながら男を睨みつける。
男は苦笑いを浮かべながら"若い女"に掌を向ける。
「ごめん!この季節多いから気をつけないとね、蚊。」
読んでいただいてありがとうございました。
楽しんでいただけましたか?




