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第9話 連邦艦隊の襲撃

こんにちわー!暑いですけど負けずに更新を……


前回までの星屑達……


グレゴリはサイキの寝顔を見て昔を思い出した。


妻との馴れ初め、そして連邦の傲慢さ……


連邦の存在がもたらす破壊の連鎖。


そして実の娘の誕生からその死様までを……


グレゴリはその寝顔を見て、サイキを救えるなら、鬼でも悪魔にでもなると心に誓っていた……


『バウンディ射出準備完了。グレゴリ大佐及び、ドーガスとドロシー両名が1番カタパルトから3番まで使用。4番カタパルトを使用して、新規搬入タイタンの離着艦演習を開始してください。オーバー』



『ブヴィィン』



 機械音を伴い、隊長機であるグレゴリのバウンディが移動される………



「バウンディ・グレゴリ機出るぞ!ドーガス及びドロシーはフォーメーションBでついて来い!」



「はいよー」


「うぃー」



「真面目に訓練しないと……オタマでぶん殴られるぞ?」



 そう言い残したグレゴリの操るバウンディが、飛行形態で射出される……



 その意味が分からなかった二人だったが、カタパルトデッキからサイキの姿を発見してようやく意味が分かった。


 何故なら、その手には『オタマ』が握られていたのだ。



 サイキは、オタマを振り翳している。



 彼女は起床後に、艦内キッチンで兵士用の食事準備を手伝っていただけで、船内アナウンスで演習を聞きつけて応援に来たのだ。



 言うなれば……勝手に三人がその状況を誤解しただけだった。



 ◆◇



 因みに、バウンディの機体は丸い円盤型だ。


 丸い円盤の様なバウンディの機体は、変形すると人型になる。



 乗艦クルーからは、見た形状から『どら焼き』と揶揄されるが、その機体効果は僅かながらにもビームシールドを持つ。


 『小型の粒子砲であれば、直撃を受けなければ破壊できない設計』とされている。



 そして流系の機体は、実弾兵器の跳弾効果を持つ傾斜装甲だ。


 更に狙撃型タイタンの持つ、ビーム兵器による遠距離射撃を『ズラす』機構を備えていた。



 大気圏内では風を裂くように非常に高速で移動し、飛行しながら変形し強襲できる機体として開発されている。


 宇宙でも地上でも使用が可能なマルチ機体だった。



 しかし機能テストは地上では出来ない。


 だからこそ機能テストに比較的戦場にならない宇宙域を選び、その一部をグレゴリ達に支給された機体だった。



「そう言えば隊長、あの50番コロニーでは面白いものを搬入されてましたよ……」



「面白いもの?ドーガス何だそれは……」



「あのブルーオーガ用の足場を接収したそうです。どうやらあの青鬼を宇宙空間で運用する計画があった様ですぜ」



「アタイもそれ聞いた。前に被害があった開発中の49番コロニー。そこで偶然破壊したタートル級戦艦に積んであったって話だよね?」



 ドロシーがそう言うと、思い出したかのように話に参加するグレゴリ……


 遠いコロニーの戦闘だった為、あまり記憶に残っていないとは言い難かった。



「ああ……そんな事件あったな。確か廃棄コロニーを再利用する計画だった場所で起きた戦闘と記憶してるが?ドロシーお前の双子の妹が、確か戦闘へ参加したんだよな?」



「ですです……アタシより出来のいい子ちゃんなんで……」

 


 そう言ったドーガスは『青鬼鹵獲後に成功したので、50番コロニーに回された足場を、この戦艦に配備したのでは?』と説明をした。


 しかしグレゴリとしてはそんな物をこの戦艦に配備すれば、不完全なセラフを宇宙環境で運用する羽目になる。

 


「……それで……実物はもう見たのか?」



「俺は見ましたよ?ドロシーお前は?」



「アタイは見てないね……興味なかったし……」



 そう言ったドーガスは『足場にしては妙な形をしていた』と感想を言った。


 しかしこの情報を聞いた時点でグレゴリは戦艦へ帰るべきだった……選択の間違いは往々にしてあり得る物だ。



『戦艦から通電……ジジジ……前方204地点に船影を確認。……ガガガ……敵タイタンが射出済みであれば、5分後戦闘圏内に入ります。艦内クルーはコードイエローで待機。ガガガ……繰り返す……戦艦から通電……』



「情報がおせぇよ……既にコッチは遠視モードで目視距離だっての。そもそもアタイの機体は索敵機だよ?」



「まぁ怒るな。ドロシー引き続き確認してくれや。俺は強襲機だから宇宙機雷を射出しておくぜ……」



 ドロシーは『ドーガス、もうやってるって!』とドーガスにキレ気味に言う……


 そして真面目な口調で、続きの情報をグレゴリとドーガスへする。



「前方敵影5確認で、後続もいる模様。信号からして連邦のタイタンだ。だけど1台コート認証が噛み合わないね……」



 ドロシーはそう言うと『敵を蹴散らす為、先制の艦船砲撃を要請』と母艦と交信をする。



「うまくいっておくれよ………船が何であれ、奴等が帰る場所さえ無くせば即詰みだ!」



 戦艦からの敵船影への砲撃依頼を出したが、連絡のない状態にドロシーは『戦艦通信士……返事まだ?って声は聞こえる?』と言って確認をする。



 しかし何かを悟ったかのように、グレゴリが代わりに説明をした。



「無駄だ。ドロシー。既に此処一帯はジャミングされている筈だ。大方この宙域で網でも張ってたんだろう……読みが間違ってなければ、タイタンの数からして、相手はベアー級の戦艦で間違いない筈だ」


 グレゴリの説明にドロシーは『多くて12機か……面倒だニャ』と言う。


 若干ふざけているが、緊張が隠せないだけなのだ。



 現宙域ではグレゴリ機、そしてドロシー機にドーガス機のたった3機だった。



「まさか機体チェックが新型のデビュー戦になるとはな……今から15秒後に俺が粒子砲を撃つ、それが戦闘の合図だいいな?」



「「サー!イエッサー!!」」



「5……4……3………グレゴリ機……粒子砲展開!!」



 閃光と共に、流れ星のような粒子方が前方へ放たれる……


 そして遅れて音が響く。



 『ズッドン!!』



 最初に出た流れ星のような光は、目的の座標まで粒子砲の軌道を誘導する物だ……


 最長距離で放たれた粒子砲は、数台のタイタンに被弾した。



『ズムン……ドドン……ボムン……』



 音を立てて弾ける機体は、真夜中の遠くの花火を思わせる。


 一瞬だけ瞬いて、すぐに闇の宇宙空間が広がる。



 ちなみに新型機とはいえ、粒子砲をポンポン撃てるわけはない。



 この装備は一回限りの高火力装備なのだ。


 だから多くの機体を巻き込めれば、それだけその費用対効果は大きい。



「大佐……索敵結果出ます……前残数1機、後衛が……3機……いや4機です」



「総数5は硬いか……なかなか上出来だ。だが……生き残った前衛1が妙だな……前5の密集陣で不意の一撃を避けるか……」



「偶然……にしては……っすよね……」



 その状況に異常を察したグレゴリは『全機……閃光弾を選択。指示で射出後、ホーミングミサイルを後退しつつ全弾発射』と指示を出す。



 ちょうどその時、戦艦の中では新たな問題が起きていた。



 ◆◇



『前方204地点に船影を確認……敵タイタンが射出済みであれば、5分後戦闘圏内に入ります。射出済みタイタンは注意して下さい。艦内クルーはコードイエローで待機。繰り返す。戦艦から通電……』



「連邦軍!?またなの……なんで!?先回りなんて……」



「アイツら……39番コロニーで大量虐殺した癖に……いつか天罰があるはずだ!!」



「どけ!!俺は死にたくない……早く脱出艇に………」



「うわぁぁん………パパ……ママ……何処!?」


 

 57番コロニーを目指していた33番コロニーの元市民は、敵影アナウンスに過剰反応を示した。


 惨状を思い出した市民達は、避難民用に貸し与えられていた2番デッキを抜けて、タイタン格納庫まで降りて来ていた。



 彼等が知っている道を戻って来ただけだが、そこは格納庫であると同時にタイタン格納庫であり、軍事機密も多く存在する。


 当然多くの兵士が居るのだが、彼等はその事を考える間も無く走り出していた。



 恐怖の余り起こした行動だったが、兵士にしてみれば、マゴス共和国に敵対する反乱分子と捉えてもおかしくはなかった。



 兵士たちが、宇宙移民者を装った地球連邦の潜伏兵と思うのも無理はない。


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