-プロローグ-『Last Moment』
ちょっととあるイベント(?)みたいなのに参加するので、それ用に書いたやつです。殆ど没作の供養みたいな感じになるので、読まない方が良い。
――少年少女の顔が、赤黒く鉄臭い液体で汚れていく。それが、彼等の顔から一瞬にして表情を奪っていく。何があったのか分からない、何が起きたのか理解できない、と。
自分はただ、彼等の笑顔を守ろうと、彼等が未来を笑って描けるようにと、行動してきたはずなのに。
知っている…、知っていた…、気付きたくなかった。それは、何処からどう見ても間違っていて、何度答え合わせや見直しをしても正解じゃなくて、でも…、これしか方法が無くて…。
彼等が笑って過ごせる日々が理想だったのだが、1年足らずで答えが分からなくなってしまうのは、とても勿体無く思っていた。
だが不思議と、あの時こうしていればとか、その時どうしていたらとか、俗に言う後悔の念は無かった。
やれること、やるべきことは果たせたから。
「がはっ」
少年少女の瞳を見ながら、青年は血を吐いた…。
空が、遠のいていく。地が、熱くなっていく。薄れゆく視界の中…、消えゆく意識の中…、その感覚は…まるで…。
いつかの決意を思い出す。それに見合う成果は無かった。でも、それでも…。
――
『たとえ、大切なモノを壊す事になっても、俺は君達を守る』
そうして、青年は落命した。
読んでくれてありがとう。時間が許す限り書いていきます。