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黒須お嬢様、VRMMOゲームを御遊興されるご様子でございます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章、結成、クラン、”お嬢様のお茶会”ですわ。(チュートリアル)
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第九話、お嬢様は、”ホーンラビット・サウザンドレギオン”を撃破したご様子でございます。



 遂に、ゲーム名”マリア”としてお嬢様の前に姿を現しました。

 お嬢様は、巨大杭打機パイルバンカーを新たに装備されました。

 これからも、正体を明かさずに見守るつもりでございます。



「もう一度、挑戦ですわっ」

「目をつぶって引き金を引く、ですわね」

 わたくしは左腕に装備された、巨大杭打機パイルバンカーを誇らしげに見る。


「その通りでございます、櫻……、可憐で瀟洒で清楚なお嬢様」

 金髪クノイチメイドがうんうんと頷いている。


「なあ」

 シズクだ。

「二人は知り合いなのか?」


「いえ、初対面ですわ」

「いえ、初対面でございます」

 

 ほぼ、同じタイミングで返事が返ってくる。

 振り向くタイミングも同じだった。

 櫻子(さくらこ)とそのメイドマリアージュ。

 幼いころから二人は一緒だった。

 容姿は違えど仕草や雰囲気がとてもよく似ているのである。


「そうかなあ……」

 仲のいい姉妹のようにも見えた。

 どこか納得のいかないシズクである。


「行ってらっしゃいませ、可憐で瀟洒で清楚なお嬢様」

 ”マリア”が街の正門まで見送りについて来た。


「行ってきますわ」

 わたくしは長年聞きなれた(マリアージュの)声に無意識に答えていた。


「今度こそは、ですわっ」

 前の場所だ。

 食事も済んだ。

 周りにウサギの大群が集まりつつある。

「ひいいいい」

 巨大杭打機パイルバンカーをかまえる。

「こ、こうですわっ」

 目をギュッとつぶってパイルバンカーの引き金を引いた。


 ズドオオオン


 ”鈍竜”に載せられた、杭打ち用火器管制プログラムで、最適の姿勢で打ち出した。

 周りに砂塵が円形に渦を巻いた。


 プシュウウウ


 打ち出した杭を戻す圧縮空気の音がする。


 パキパキイイン


 敵が倒された時の独特の音がした。

 一回打つごとに十匹単位でウサギが光の粒子になった。

 更に背後から攻撃してくるウサギは、スキル”倍返しだあ”(B、G、D)の効果で光の粒子となる。


「まだまだですわあ」


 ズドオオオン

 プシュウウウ

 パキイイン


 敵の撃破音がしなくなるまで、目を閉じて引き金を引き続けた。


 遂に、最後のウサギが光となり消える。


[おめでとうございます。 プレイヤー”クロス”様が、”ホーンラビット・サウザンドレギオン”を撃破しました]

 ワールド全体にチャットが流れた。

「や、やりましたわああ」


 ピピッ


[撃破数が、千を超えた]

 DP,100,000ポイント入手しました。

[一回の戦闘で千体倒す]

 DP,100,000,000ポイント入手しました。

 称号:”せん滅する者”を得ました。

 効果は、”攻撃力が1,2倍される”です。

[エリアボス、”ホーンラビット・サウザンドレギオン”を撃破]

 DP,500,000,000ポイント入手しました。

 称号:”ウサギ追いし者”を得ました。

 効果は、”移動速度が1.5倍になる”です。

 アバターアイテム、”うさぎの耳”を得ました。

 装備すると、頭にうさ耳が生えます。


 装備して見た。

「な、なんですかこれわあ」

 あ、頭にウサギさんの耳が生えましたわあ。


 パイルバンカーをかまえた武骨な”鈍竜”に柔らかそうなうさ耳。

 

「これって可愛いのですか?」

 わたくしは首をかしげた。 



 お嬢様の頭にうさ耳が生えましてございます。

 凛々しくもかっこいいお嬢様が、”可愛さ”まで装備してしまったのでございます。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] [一回の攻撃で十体以上倒す] ホーンラビット・サウザンドレギオンは千体で一体とカウントされるモンスターだと七話で説明があるので、この条件でDPを取得するのは設定が矛盾すると思います。 …
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