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黒須お嬢様、VRMMOゲームを御遊興されるご様子でございます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章、結成、クラン、”お嬢様のお茶会”ですわ。(チュートリアル)
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第五話、お嬢様は、街のうわさでもちきりになられたご様子でございます。

 櫻子(さくらこ)お嬢様は初めての敵、エリアボス、”ホーンラビット・サウザンドレギオン”に撲殺されました。

 気を取り直してゲームを続けるご様子でございます。



「も、もう一度ですわ」

 同じ場所に行った。

「ひ、ひいいいい」

 再度、ウサギの洪水に飲み込まれる。

 ウサギが何回かわたくしを攻撃すると光の粒子になった。

 ”殴った相手も痛いのだ”(N、A、I)の効果でダメージを反射しているのである。

 しかし、全てのウサギをさばききれず、わたくしは光の粒子になった。


「お、恐ろしいゲームですわ」

 ウ、ウサギが。

 視界を埋め尽くすウサギが。

「ぼ、防御力っ、防御力ですわっ」

 あれだけの数で囲まれては、逃げることなど無理でしょう。

 装備品の店に行きましょう。

 近くの店に飛び込んだ。


「この原動機付甲冑(MA)を、最大まで頑丈にしてくださいましっ」

 店の店主に叫んだ。


「ほほほうう」

「これは、これは」

 女の店主がにやりと笑う。

 ここは、NPCの店ではなく、PCプレイヤーキャラクターの店だった。

 彼女は生産系のトッププレイヤー、”シズク”。

 腕はいいが、きわどい趣味のものしか作らないと有名だった。

「予算は?」


「これを全て、つかって下さいまし」

 手持ちのDPすべてを差し出した。

 計、二千万くらいあった。

 鈍竜の新品が、百万DPくらいだ。

 二十台は買えるDPである。

 前回の収入が入ったことを櫻子(さくらこ)は気づいていない。


「ははははは」

「いいよ、いいぜえ」

「でもよ、武装とかはいいのかい?」


 押し寄せるウサギが頭をよぎる。

「とりあえず防御力を」 


「わかったぜ、甲冑(MA)置いてきな」

「完成はゲーム内時間で一週間だ」

 現実時間で二日強と言うところである。

「あんた、名前は?」


「黒、いえ、”クロス”です」


「そっか、フレンド登録しとこうぜ」


「わかりましたわ」

 お互い登録した。


「出来たら連絡するぜ」


 パシュウウ


 MAの胸部が開く。

 わたくしは鈍竜を脱いだ。

 すぐに普段着用の白いワンピースに変わる。 

 

「うおっ、あんた、えらいべっぴんさんだったんだな」

 身長175センチのものすごい美人が立っていた。


「?、少し街を見回ってからログアウトしようと思いますわ」


「!!、あんた、その格好で……いやいいんだ」


「?」



 その日街は、櫻子(さくらこ)お嬢様(正体不明のものごっつい美人)のうわさでもちきりになられたのでございます。

 

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 前話で [初めての戦闘で五百回以上攻撃を受け、倒される]、DP,10,000,000入手。 この称号により、レアスキル、”殴った相手も痛いのだ”(以下略してN・A・I)を得ました。 …
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