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黒須お嬢様、VRMMOゲームを御遊興されるご様子でございます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章、結成、クラン、”お嬢様のお茶会”ですわ。(チュートリアル)
3/254

第三話、お嬢様は、空腹でお倒れになられたご様子でございます。

 ズシュン

 ズシュン

 櫻子(さくらこ)お嬢さまは街道を歩いておられます。


[チュートリアル、隣の町まで行ってみよう] 


 を進行中のご様子。

 目的地を示すマーカーに従って歩いておられました。



 青い空。

 白い雲。

 いい天気ですわ。


 チチチ


 街道沿いは林が続き、鳥の鳴き声が聞こえる。


「気持ちいいですわねえ」 


 ズシュン

 ズシュン 


 隣の町まで半分くらい歩いた。


「あらっ」

 櫻子(さくらこ)お嬢様のまとう重原動機付き動甲冑(MA)、”鈍竜どんりゅう”に警告灯が光る。

 自動で、ステータス画面が立ち上がった。

 状態異常?

「……空腹……?」 

 いわれてみれば、お腹がすいたような。


 VRゲーム内で、空腹や痛みはかなり少なく設定されている。

 例え巨大なハンマーで吹き飛ばされても、”マッサージチェア”レベルの痛さである。

 [空腹]も警告されるまで気づかなかった。


「……食料……」

 最初の街で食べた肉の串を思い出した。 

「確か……」

 空中に指先で操作する。

 インベントリを開いた。

「まあ、当り前ですわね」

 空っぽだ。

「帰りますわ」

 Uターンして歩き出した。


 空腹値の設定は、きっかりHPと同じに設定されている。

 隣の町まで”半分”歩いて空腹値が零になった。

 あとは、HPがじわじわと減っていく仕様だ。

 進んでも帰っても、()()()()()()()()()()()HPは零になるのだ。


「門が見えましたわああ」

 辺りが光に包まれた。



 櫻子(さくらこ)お嬢様が[空腹]により、HPが0になりました。

 櫻子(さくらこ)お嬢様は、光の粒子となって消えてしまいました。



[チュートリアル、食料の重要性]が終了しました。

 ディスカバリーポイント(DP)を50,000入手しました。

[初めての死亡ロスト

 ディスカバリーポイント(DP)を10,000入手しました。

 

 わたくしは始まりの場所に帰って来た。


「肉の串はいらんかね?」

 屋台の人が声を掛けてくる。


「…………」

 わたくしは何とも言えない表情でそれを聞いた。



 櫻子(さくらこ)お嬢様はこの世界で初めて死亡ロストされたのでございます。



 

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