第二十一話、お嬢様は、街中で声をかけられたご様子でございます。
お嬢様たちは、フレンドリーファイヤー(FF)のための特訓をなされました。
流石は優秀なお嬢様たち、みるみる上達したのでございます。
別の日、櫻子お嬢様が電話をかけるご様子。
◇
ジーコロロ、ジージーコロロ。
私は丸いダイヤルを指でまわした。
今、私は栞子様に電話をかけておりますわ。
ジリリリリン、ジリリリリン。
ガチャ。
出ましたわ。
「もしもし、黒須と申します。 紀伊国屋様のお宅でしょうか」
「はい、紀伊国屋です」
「まあっ、栞子様、ごきげんよう」
栞子様が電話にでられになりましたわ。
うふふ
くるくると巻いた受話器の線に指を絡める。
「櫻子様、ごきげんよう」
「学校の宿題は終わられました?」
「今終わったところです」
「それでは、これから一緒にゲームをしませんか?」
「プラネット・フロンティア・オンラインですね」
「そうですわ」
「これから入浴しようと思うのです」
「お待ちいただけますか?」
「はいっ、はいっ、それでは、お風呂に入られてからですわね」
「すぐに入ってきます」
「わかりましたわ、それでは時間が来たら始まりの場所であいましょう」
「楽しみですわ」
カチャン
私は電話の受話器を置きました。
◇
黒須家こだわりの”黒電話”でございます。
私費で電話線を引いております。
携帯電話が主流の現代、有線電話は贅沢の極みでございますよっ。
◇
「お待たせしたでござる」
赤黒い侍が頭を下げた。
始まりの場所の噴水の前だ。
すっかり栞子様の侍ロープレも板についてきましたわ。
「今、ログインしたところですわ」
「さあ、特訓をしましたわ、今日は隣町を目指しましょう、ですわ」
私はふんすっと気合を入れた。
「がんばるでござるよお」
チンッ
栞子様は、刀を金打(きんちょう:刀を少し抜いて戻し音を出すこと)して隣の街にたどりつくことを誓った。
二人が街中を歩き始める。
「そこの二人っ」
後ろから大きな声で呼び止められた。
「?、ですわ」
「なんでござる」
振り向くと、
身長165センチ。
腰まで伸びる輝くような銀髪。
紅玉のような紅い瞳。
頭にはウシャンカ(ロシアの円筒状の帽子)のような集中センサーユニット。
真珠色のドレスのような、原動機付き動甲冑を着た美少女が立っていた。
お姫様のようだ。
「あなた達ね、街の近くでフレンドリーファイヤー祭りをしていたのはっ」
「ワタシをパーティーに入れなさいっ」
カチャリ
身長の1,5倍くらいある対物ライフルが、彼女の背中で音を立てた。
突然いわれてびっくりですわっ。
◇
まるでお姫様ような舶来の美少女が現れたのでございます。
舶来の方で紅玉のような紅い瞳。
もしかして……、でございます。




