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18.なりきり師、成長を感じる。

 あれはヤバイ…何十匹、いや下手したら百匹以上いたんじゃないか?巣も日本では考えられない程大きかった。


 ブーンビーの羽音と窪地になっている場所に作っていたので遠くからでも発見できたが

 もしブーンビーの羽音が聞こえたってだけであの巣の存在に気付く前に戦闘を挑んでいたら間違いなく死んでいただろう……


 おれたちはなんとかその場を離れ安全そうな場所までやってきた。



「ユウキ、さっきのは危なかったね…」


「あぁ…あの大きさの蜂があれだけの数集まるともうダンジョンボスだろ……」


「おれたちが倒してきたのって同じブーンビーなんだよね?」


「多分餌の調達や見回りをしてるような働き蜂だろう。

次遭遇したら逃さずに必ず全部倒そう。仲間を呼んでこられたらヤバそうだ……」


 巣があるって事は女王もいるのかな?ギルドに戻ったら確認してみよう…。


 おれたちは巣があった右側の探索を諦めて今はマップでちょうど中央のところまで来た。


 それから程なくして次のフロアへ続く階段を見付けることができた。

 あの後はブーンビーが襲って来るたび逃さない事を徹底して倒して歩いた。

 そのかいあってマッパー熟練度5で当初からの目的だったモンスターマップの項目が追加された。


 なんとなくスキルで覚えるのかなと思っていたがこの世界のマッパーの場合は全て最初のスキルのマップに追加項目ってかたちで追加されるらしい。


 今はマップを開くと上の項目に『縮小/拡大』『モンスター』と項目が出るようになった。

 縮小/拡大は熟練度4で追加されたスキルだ。

 地図で近くを細かく見れる様にする拡大と、より広い範囲を見る縮小。案内はしてくれないがナビみたいな能力だった。



「念願のモンスターマップも手に入ったし心機一転四階層に行こうか!」


「四階層でもまだマッパーの熟練度あげるの?」


「いいや、マッパーは一旦ここまでにしとくよ。

またマッピング範囲拡大みたいに便利な追加機能があるかもしれないけど熟練度も上がりにくくなってきたしなによりマッパーはステータスがほとんど上がらないんだ。」


 マッパーの熟練度を上げても魔力、幸運が微増しただけで他のステータスは全然上がらなかった。

 マッパーが本職の人はダンジョンに入るの大変だろうな……



「そっか。三階層での鬱憤を四階層で晴らそうと思ってたけどユウキも戦闘職に戻っちゃうのか……」


「ならおれはサポートに徹するよ。四階層のホーンゴートはホークに任せる。注意しないといけない事は覚えてるよな?」


「角に注意するってやつでしょ?ちゃんと覚えてるって!」


「体を貫いてくるらしいから当たらないでくれよ?」


 サナさんに教えてもらったホーンゴートの特徴はおれも前に調べていた。

 ホーンゴートはヤギなのに巻角ではなく一角獣のように額に鋭い角を持っているそうだ。

 縦横無尽に岩場を走り回り角で突き刺したりすれ違いざまに切って行ったりと基本的に角の攻撃をしてくる。

 逆に言えば角さえ警戒すればギャザーウルフやレッサーネコマタなんらと変わり無いただのヤギだホークなら普通に倒せるだろう。



「わかってるって!よ〜し!暴れるぞぉ〜!」








 〜四階層〜



「これでトドメだ!双刀斬!!!」



〈メ゛ェ゛ェェェ…〉



 四階層に降りてホーンゴートとホークが一対一で戦ったのだがやはり問題はなかった。

 ホークの俊敏は高いので危なげなくホーンゴートの角攻撃を避けることができた。徐々に弱らせて最後はスキル双刀斬を使いフィニッシュだ。



「やったなホーク!余裕じゃないか。」


「ヘヘッ!近距離戦闘ならおれだって活躍できるもんね!」


「五階層の中ボスもこの後に控えてるんだからあんまり飛ばし過ぎるなよ!?」


「大丈夫!大丈夫!」


 おれたちはこの3日間で今のところダンジョン攻略に問題ない位には強くなれた。


 おれは色んなスキルを覚えスキル重視の戦い方に…

 ホークはステータスの伸びがよく物理攻撃重視に…


 そんな今のおれたちのステータスがこれだ。



ユウキ 人族


15歳


戦士


レベル1 熟練度8


魔力196/268

攻撃67

防御58

魔攻59

魔防58

俊敏47

幸運62


スキル


なりきりチェンジ 鑑定 インベントリ マップ スラッシュ ヒール 薙ぎ払い 回転斬り 遠目 ファイアーボール ウォーターショット サンダーウィップ ビッグシールド 斬撃波 ウインドサイズ アイスニードル シールドスロー 兜割り バリアー アンチポイズン マジックディバイド 攻撃上昇 転写


EXスキル


創造神の加護 無詠唱 鑑定阻害 熟練度10倍 ドロップアップ 生産率上昇


称号


転生人 なりきり初心者 異常に抗いし者 嗜むなりきり




ホーク 人族


15歳


双剣士


レベル4


魔力60/70

攻撃102

防御82

魔攻35

魔防31

俊敏121

幸運65


スキル


ダブルスラッシュ 双刀斬


称号


なりきり師の仲間 異常に抗いし者



 新しく増えた称号の『(たしな)むなりきり』はなりきり初心者と同じで効果はなかった。5種類の職業に転職したことで発生した称号だ。


 ホークは攻撃と俊敏が3桁になりかなり安定して戦えるようになった。


 今の二人なら決闘でもきっと負けないだろう。そもそもおれたちの目的は魔王を倒すことだ。あんなモブ集団に手こずっているようでは話にならない。



「この階層も問題なさそうだな。おれもホーンゴートと戦っておきたいから、次はおれに戦わせてくれよ。」


「りょーかい!それなら前みたいにまた順番交代でいこう!」


 マップを出し項目をモンスターにしてみるが通ってきた所にモンスターはいなかった。

 モンスターマップはモンスターがどこにいるかわかる物だがこれもマッピングした所限定と言う条件があった。

 なので初めての場所はやはりマッピングしないといけなかったのだ…。


 今日は階段を探すことを優先しているがまた今度来たときは全フロアきちんとマッピングするつもりだ。



「ホークいたぞ!右の方向20メートルだ。」


 モンスターマップ…やっぱり便利だ…例え離れていてもモンスターを見付けられる。

 これならマップさえ出していればモンスターからの奇襲に対応できる。



「よし、行くか!」


 モンスターへと向かって歩き出し戦いへと備える。おれたちが向かっている事に気付いたのか向こうもこっちへとやってきた。



「鑑定」



ホーンゴート


レベル4


魔力12/12

攻撃35

防御17

魔攻7

魔防5

俊敏22

幸運9



 まだ序盤だからかそれぞれの特徴はあれど1〜4階層でそれ程ステータス的にも変わらないな…。



「行ってくる!」


 おれはホーンゴートへと走り出す。ホーンゴートは角をこちらに向けて一直線に走っている。

 さっきホークが戦ってるの見てたからそのまま突っ込んでくるのはわかっていた。



「斬撃波!」


 ホーンゴートは避けることなく斬撃波に斬りつけられる。おれは追撃としてスラッシュを使いホーンゴートを倒した。



「あっけなく倒せたな…」


 スキルモリモリの戦い方だが余りのあっけなさに緊張していたが気が抜けてしまった…



「もうこの辺の的だとユウキの相手にはならないね!」


「みたいだな…。安全に経験値を稼ぐことができそうだよ。」


 遠距離攻撃のスキルは今の段階だと便利すぎるようだ…。

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