Lv.999のオットセイが道を塞いでいて魔王城へ行けない！！

　小さな孤島に聳え立つ魔王城へ向かうための唯一の橋である『デビルブリッヂ』の真ん中で、勇者は困惑していた。

　──オウッ！　オウッ！

「クッ……！　なんでこんな所にオットセイが……！！」

　オットセイが橋のど真ん中でゴロリと寝転がっており、勇者は渡ることが出来ず途方に暮れていた。

「……跨ぐか」

　勇者が片足を上げるとギロリとオットセイが目を剥いた。勇者は思わず足を引っ込めたじろいだ。

「コイツ……デキるオットセイだ…………！！」

　勇者は静かに剣を抜き戦闘の構えに入った。

「―――アナライズ！！」

　相手のステータスを暴く呪文を唱えると、オットセイの驚愕のデータが飛びだした。

　～ハナコ～

Lv.999

HP.60000

MP.4000

攻撃力.た5

防御力.mk/

炎無効　氷無効　水吸収　雷無効　風無効　地無効　毒無効　麻痺無効　射無効　突無効　斬無効　無無効　即死無効　魚好き

「！？！？！？！？」

　文字化けした数字と尋常じゃ無い耐性を兼ね備えたオットセイに勇者は頭が真っ白になり冷や汗が流れ始める。

「何なんだこの化け物染みたオットセイは…………！？」

　勇者は懐から今朝市場で買った秋刀魚を取り出した。

　　──ポイッ

　秋刀魚を海に向かって投げると、オットセイは秋刀魚を追って海へとダイブし、勇者はその隙に橋を渡った…………

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(๑•̀‧̫•́๑)