天空人教
美しい鈴の音に聞く耳を持つようにエルピオンたちは反応する。
「何、この音…」
「とても綺麗ですね」
「あれは…?」
「あんたたち…旅人か?」
突然老婆がエルピオン達に話しかける。エルピオンたちは驚いたが、老婆の話を聞く。
「そうですけど…」
「この鈴の音は『天空人教』だよ。昼間はああやって都市を歩き回っているんだよ」
「あれが…」
「俺たちが探していた宗教団体かよ」
やって来た天空人教たちは全員覆面をしている。顔には面布をつけている。面布には翼を広げた女性が描かれている。あれが天空人を表しているのだろうか。
「実際に見ると、変な集団だな…」
「でもあいつらについて行くしかないんだよね?」
「行くぞ…」
シュンサクはこっそりと着いていく。その後をエルピオンたちは着いていく。遅れてアーテルスも着いていく。
◆❖◇◇❖◆
しばらくついて行くと、彼らはとある教会に到着する。
「ここが…彼らの教会?」
「そうみたいだな…入りずらいな」
すると教会からとあるシスターが姿を見せる。彼女はエルピオン達に気づくとこちらにやってくる。
「あなたたちは…新しく入信される方たちですか?」
「いえ…!あの…」
「もしかして…何かを探しているのですか?」
「俺たち、天空人のことを調べているんです」
「天空人を…ですか?ここで立ち話もなんですので…どうぞ中に」
エルピオンたちは中に誘導されると彼らはなにかの儀式を行っている。彼らは円陣を組み、ガラスケースに入った女性に祈りの言葉を投げかけている。
「あれが…天空人の人?」
「あれではなく…天空人様とお呼びなさい!」
「すみません!」
突然声をかけられ、エルピオンはとっさのことで謝る。エルピオンたちの前に神父の男が姿を見せる。
「アーテレ…このものたちは?」
「彼らは…天空人様のことを調べているらしいんです」
「天空人様か?調べて何がある」
「もし天空人が使う文字がわかるのでしたら…これを見てもらいたいんです」
シュンサクはエルピオンに鏡を見せるようにとアイコンタクトをする。エルピオンは頷き、鏡を取り出す。
「これのことです」
エルピオンが取り出した鏡を神父はまじまじと見る。
「ただの鏡みたいだが?」
「お父様、裏を見てください。何か書いてあります」
「?裏か?」
彼が裏を見ると顔を顰める。読めるのか、落書きだと思われているのかは分からない。
「この鏡は一体?」
「実はこの鏡、十年前にこの辺に落ちてきたものなんです。初めはとても驚きました…しかしそれからです。墓地に黒いウェディングドレスを着た天空人様がうろつくようになったのは…」
「え?」
ここまで読んでくださりありがとうございます!
ウェデングドレスを着た女性が彷徨くようになったのはあの鏡が影響しているようですね…あの鏡には死者を動かすことが出来る力を持っているのでしょうか?
次回もお楽しみに




