砂漠のサメ
ウルベルトが言うにはその出来事は実際に起こったこと。
彼の説明によると、とある地方で仲睦ましい恋人同士がいたと言う。結婚式を次の日に挙げる予定だった二人は二人でドライブをしに道を走っているところで事故にあい、二人とも即死だったと言う。
そのため結婚式は中止となったが、不運だと思った両親は二人のために結婚式を執り行うことになった。花嫁は黒いウェディングドレス(この街に言い伝えられている死者の結婚式のドレス)を着せ、花婿には黒いタキシード着せて埋葬した。
しかし彼女と旦那の身分が違うため違う墓地に埋葬されることになった。すると夜な夜な黒いウェディングドレスを着た女性の霊が旦那を探して歩き回っているという噂が流れている。
「その噂って、本当にただの噂?」
「いや、それがね〜実際に見たヤツらが沢山いるんだよね。黒いウェディングドレスを着た女性の姿をね。でもね、10年ほど前に怖くなった人々が彼女の墓を掘り返したらしいんだよ」
「もしかして…居ないとか?!」
ネールは恐ろしくなりウルファスに抱きつく。
「いや、それがね居たんだよ。まるでただ眠っているかのような綺麗な状態でね」
「埋められたのは…いつなんですか?」
「えっとたしか…500年ほど前だとか…多分ね」
「それだとおかしすぎますね…そんなに年月がたっているなら白骨になっているかミイラになっているかですね」
「それなのにな〜んでかすごい綺麗なんだよね」
ウルベルトはそういうと足を止める。周りの異変に気づいたエルピオンは周りを警戒する。
「何か…いる」
「……。デカイな」
エルピオンは意識を集中させる。砂漠となった地面を這いずるように泳ぐ気配。それは一匹二匹と言う少ない数ではない。エルピオン達を真ん中にし、円を書くように縮めていく。
「……。出てくるよ」
ウルベルトが声を出すと地面から巨大なサメの姿が現れる。
「これって?!」
「砂漠のサメ!!」
砂漠のサメは地面に戻りまた砂の中を泳ぎまくる。
「砂漠のサメって何?」
「奴らは砂漠がある場所ならどこでも生息する!狩りをする時は群れで行う!今のやつは偵察だ!」
「足元から出てくる可能性もあるから気をつけてね!」
「どうやって倒すんですか?!」
「地面から出てきた時を狙う!地面にいる限り、どこにいるのか分からない!」
「数匹だけ地面から出してやる!大地の揺れ!!」
アーテルスは地面に触れると地面が大きく揺れ出す。アーテルスは地震を起こしたよう。
するとその揺れで地面に潜っていた砂漠のサメが姿を見せる。彼らは地震が起こると地面から出て収まるのを待つ習性がある。
ここまで読んで下さりありがとうございます!
砂漠のサメ、エルピオンたちは倒せるのでしょうか?
次回もお楽しみに




