マヌスの手下
アルテは咳き込みながら彼に近づくが彼自身が歩み寄る。
「アルテ!お前は寝て無ければならないよ!」
「手枷をつけられたヘルズとサンデスが慌てた様子で私の部屋に飛び込んで来たのです!『国王が暴走している』と。父上!ご説明お願いします!」
「それは…お前が魔女の呪いにかけられたとまじない師が…そう言って…」
「全く…私たちの国の国王はこんなにも馬鹿だったのでしょうか?簡単にまやかしに騙されるなんて…」
アルテは頭を抱える。目の前にいる自分の父親が情けなく思う。
「まさか!あのまじない師は偽物だと言うのか?!」
「あともう少しだったのに…」
人混みの中から魔法の杖を持った老婆が出てくる。その脇にまじない師の連れだと思われる二人の男がお面で顔を隠している。
「あともう少しでこの国が終わるところだったのにの…」
「貴女が…まじない師ですか?!」
「そうさ…でもこの変装も、もういりませんね」
老婆はそういうと杖が光り輝く。老婆はみるみる美しい美女に変わる。彼女の服装はほぼ裸に近い見た目になっている。
その姿にその場に居る男が声を上げる。
「すっごい責めた服だね…」
「まず、あの服で平気で居る彼女がすごいと思います」
「何よ…美しいじゃない?それにこれなら翼が広げやすいけどね」
彼女はそういうと漆黒の翼を広げる。
その姿を見てヘルガは彼女を観察する。彼女の口をよく見ると突き刺してしまいそうな牙が見え、彼女が吸血鬼だと認識する。しかしアーテルス達はそれに気づいていない。
それと同時に彼女の脇にいた一人がいない。ヘルガは後ろから来る殺気に振り返る。獣じみたその顔にヘルガは声を上げれない。
「しまっ!」
彼はそのまま地面に落とされる。
「そこで大人シクシテロ…だけどあのままだとスグニ襲ってくるダロウ。骨を折ってオコウ」
その者はゆっくりとヘルガの元へ行く。
「さてさて、今日はご馳走がたっっくさん用意されているようね」
「姐さん、ゆっくりご馳走をお楽しみください」
「そうね。いただくとしますね」
彼女は鋭い牙を見せて脇に居る清楚な男に噛み付く。彼は痛みのあまりに叫び出す。彼女はジュースを飲むかのように彼の血を吸い取る。阻止しようとシュンサクは刃を向けるが彼女の手下がそれを止める。
みるみるうちに彼の体はやせ細り、ミイラのようになった。恐怖と驚きで国民たちは腰を抜かして動けなくなっている者や逃げるために他人を転ばせている悪に満ちた人達で喚いている。
「嫌〜な吸血鬼さんだこと…」
「ついでに教えてあげる。私はキュリカよろしくね。貴方は後でゆっくり頂くとして…まずは後ろの女の子たちからね?いただきま〜す♡」
彼女は翼を広げ、エルピオン達を狙う。エルピオンは反動で近くの剣を手に取る。
「ー炎の舞ー炎天歯車ー!!」
剣を降ると歯車のように炎の円盤ができる。剣が彼女の肩を焼き斬る。
「ギャーっ!!」
「姐さん!!」
「酷いことするわね!許さないわよ!」
キュリカの肩はみるみるうちに肉がくっつき、完治する。
「こいつまさか?!」
「なんだよ…?」
「魔王の力を持ってる…」
「それって…?!」
「そうよ。私達はマヌス様の忠実な手下…魔界兵団の一員よ」
ここまで読んでくださりありがとうございます!
次回もお楽しみに…!




