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ウルベルト

 人々の叫びにエルピオン達は唖然とする。


「何が起きてるの??」


「魍魎になりかけてるね…エル」


 エルピオンは顔を上に上げる。空中から赤い翼の男が降りてくるかのようにやってくる。


「お前は?」


「忘れてしまったのか?セリコだよ」


「セリコ!てかお前なんだよその姿…」


 セリコはエルピオンの目に手を乗せ、呪文を唱える。


「何して…」


「静かにしてて、集中力が切れる」


 彼は静かにするように言い、呪文をもう一度唱える。手を離すとエルピオンの瞳が元に戻る。


「エル!元に戻っています!」


「ほんと?自分じゃよく分からないけど。でも体は楽になったよ」


「それは良かった…さて、うるさいゴミ共は自分が出る幕では無いな…おい!あんたらで何とかしな!!」


 セリコは大声を出すと暗闇の中から雷電を纏ったシュンサクが居合いの構えをして地面に降り立つ。


「居合…ー雷電刀(サンダー・デンペル)ー」


 シュンサクは光の速さで動き、青い稲妻が通り過ぎる。


「あいつのスピードどうなってるんだよ」


「テル!それにウルファスも!」


「大勢で来たな。他の子たちのロープを外してやってくれ、自分はエルちゃんを見ないといけないからさ」


 セリコはエルピオンのロープを外して地面に寝かせる。


「地面で悪いが少しだけ動かないでいてね…足から入った毒素を抜かないといけないから」


 セリコはエルピオンの足を触り、魔法を発動して行く。軽く電気が走るような感覚が取れるがそのまでの痛みは無い。


「大丈夫かい?少し痛むかい?」


「大丈夫だよ。そんなに優しくしなくてもさ」


「一応はレディだから優しくしなければ。後で怒られても責任が取れないからね」


 セリコは優しく足に触れる。


「でもセリコはすごいね。この会場の全ての火を消して、人に火をつけるなんてさ」


「…」


 セリコはなんのことなのか分からない顔をする。


「すまないがここの会場の火を消したのは自分だけど火をつけたのは自分では無い」


「えっ?じゃあ誰?」


 エルピオンは挙動不審な反応を見せるとアーテルスは指を上に向ける。エルピオン達は顔を上に向けるとそこには何も居ない。しかし目を凝らしてよく見ると闇に身を隠した矢を放つ青年の姿が確認できる。


「あいつは闇の中に身を隠すことができるからさ…ちょうどいいんだ」


「ちょうどいいんだ…」


「だがまさかお前がここに居るとは思ってもいなかったよ」


 暴れ回っていたはずのシュンサクが戻ってきて一言言う。


「オレだってそうだよ。若頭様がここに居るとは思ってもいないし、弟子が居ることはわかってたけどまさか女の子だとは思ってもいなかったよ」


「えっと、二人はどういうご関係なんですか?」


「どういうって、ただの同じ一族なだけだよ…てかお前偽名使ってるのか?!」


「当たり前だよ。エルちゃんたちにも伝えておこう。オレはウルベルト…よろしくね」

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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